2023年3月12日日曜日

政府批判したリネカーを公共放送が追放 シアラーら反発

■2023/03/12 政府批判したリネカーを公共放送が追放 シアラーら反発
■2019/11/16 イギリスのEU離脱、イングランドの英雄リネカーは反対
■2019/11/16 多様性あるリーグを持つイングランドで不寛容、リネカーにも脅迫
■2020/02/24 国内選手優遇を!EU離脱決定直後にすぐさま制限案が浮上
■2020/02/24 EU圏内から18歳未満の選手獲得が不可能になるのは確定



■2023/03/12 政府批判したリネカーを公共放送が追放 シアラーら反発

 日本のJリーグでもプレーしてくれたリネカーさんで、<英『BBC』人気番組が大騒動に!リネカー電撃降板でシアラーら解説陣が軒並み出演拒否>(Ryo Mika 2023年3月11日 07:46)という記事が出ていて何事か?と思いました。

<リネカー氏が長年プレゼンターを務め、アラン・シアラー氏やイアン・ライト氏らイングランド代表のレジェンドたちも出演する人気番組であった「Match of the Day」。しかし先日、リネカー氏が自身のツイッターで、スーラ・フェルナンデス内務大臣による「小舟で海峡を渡る人々(亡命希望者)を阻止する」とのビデオメッセージに「これはひどい」と反応し、「1930年代のドイツが使っていたものと何ら変わらない」と政府の政策を批判していた。
 これらのSNSでの行動を理由に、『BBC』側は「彼の最近のSNSでの活動は我々のガイドライン違反であると考える。SNSについて合意された明確な立場を取るまで、Match of the Dayのプレゼンターから離れる決断をした。彼には、政治的な問題や政治的論争に味方することは控えるべきだと伝えている」と発表。降板が決定している>
https://www.goal.com/jp/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/bbc-lineker-20230311/blt5ab222c1832719a9

 日本の右翼は、NHKが右翼の都合の悪い放送をすると、「公共放送なのに」とか「BBCを見習え」とか言います。しかし、公共放送の元祖であるBBCはNHK以上に政府を批判する放送局。今回は政治家に圧力をかけられてBBCが屈した可能性はあるものの、政府批判の内容そのものではなく、中立性ルールでの問題だったのかもしれません。
 ただ、とりあえず、多くの元サッカー選手がリネカーを支持。出演拒否の連鎖が起きたようです。

<シアラー氏、ライト氏、マイカー・リチャーズ氏、アレックス・スコット氏、シャーメイン・ジェナス氏、マーク・チャップマン氏とコメンテーター陣が軒並み11日の「Match of the Day」出演を拒否すると発表する事態に。さらにリネカー氏を支持する声が続出している>

 記事の時点では、未だリネカーさんの後任は決定しておらず、BBC側も強硬姿勢を崩していないないそうですが、私は後任が決まるんじゃないかと予想します。
 というのも、すべてのサッカー選手がリネカーさんに同調するとは考えづらいため。今の状況では引き受けづらいでしょうが、政治的な主張より別のものを優先する人はいくらでもいます。また、むしろ右翼的な主張のサッカー選手だっていますからね。ロシアのサッカー選手なんかも、ロシアのウクライナ侵攻を悪いと感じていないようでした。
 そもそもサッカー関係者はリベラルばかりとか、右翼がいないというかいう話でもなく、過去にはサッカーのサポーター組織が民族虐殺の主力となったこともあります。むしろ私は右翼思想と結びつきやすい要素があるのではないか?とすら思っています。
 テレビに出る科学者やコメンテーターではよくあることなのですが、良心的な人がテレビに出ず、悪徳な人がテレビに出やすくなる…という「逆選択」が生じるかもしれません。



■2019/11/16 イギリスのEU離脱、イングランドの英雄リネカーは反対

 今頃ですけど、イギリスのEU離脱はサッカーでも影響あるんじゃないかと思って検索。やはり記事がかなり出ていますね。
 日本でも名古屋にいたことでおなじみ、ワールドカップ得点王でイングランドのレジェンドであるゲーリー・リネカー(ガリー・リネカー)さんは、反対だということでした。
 反対の最も大きな理由は、「不確かさ自体がそもそも大きな問題だ」ということで不透明性を問題視。何も決まっていないことが問題だということ。経済的にも不透明性というのは、マイナスの影響があるもの。でも、右派の強行派は、むしろ何も決めないまま離脱したがっているという状況です。
 最も懸念されることとしては、プレミアリーグに海外の質の高い選手が来づらくなるということ。プレミアリーグはビザの制約を撤廃したがっているものの、現実には難しいだろうとしていました。
(EU離脱に反対するガリー・リネカー。プレミアリーグに与える影響とは? - プレミアリーグ - Number Web - ナンバー 2019/04/14 11:00より)


■2019/11/16 多様性あるリーグを持つイングランドで不寛容、リネカーにも脅迫

 リネカーさんの周りでは、この問題について真剣に考えているサッカー関係者が多いとのこと。 一方で、自分の意見を述べる人はまれだといいます。デリケートな問題であるためです。
 それだけでなく、批判を浴びるおそれがあるというのもある模様。 「あなたも脅迫を受けたり、実害を被りましたか?」という質問に、「もちろんだ」と言っていました。現実世界ではほとんどないものの、SNSではひどいとのこと。「どうしてあれほどアグレッシブで暴力的になれるのか理解できない。自分とは相いれない意見を他人が持つのも認めるべきだろう」としていました。
 現在のイギリスには寛容性がないという見方にリネカーさんは同意。ただ、一方で、リネカーさんが過ごしてきたサッカーの世界は多様性の象徴のような世界でした。
「私が生きてきたサッカーの世界は、国籍や人種の多様性を示すショーウィンドウだ。イングランドのどのクラブのロッカールームも、異なった顔つきの選手たちで溢れ、さまざまな言語が飛び交っている。ヨーロッパのあらゆる地域、世界のあらゆる地域から集う選手たちを見るのも、プレミアリーグ観戦の大きな喜びのひとつだ。人種や国籍、宗教に関係なくファンは選手に声援を送る」
「この国のサッカーは、異なる出自の人々が美しいハーモニーを醸し出す最高の例となっているのに、私の印象では誰もそれを気に止めてはいない。人種差別的な歌がスタンドで歌われたときに、サッカーを糾弾するだけだ。そうした愚かな差別を生み出す社会こそを、本当は糾弾すべきであるのに」
  リネカーさんは、「自分を愛国者だと思うけど、私にとって国を愛するのは孤立することと同義ではない」とも言っていました。差別することが愛国というニセの愛国者で世の中はあふれているようです。




■2020/02/24 国内選手優遇を!EU離脱決定直後にすぐさま制限案が浮上

 より最近の記事も…ということで検索。これからどうなるかの予想を紹介するつもりでしたが、もうEU離脱に絡んだプランが出ているようです。 2020年2月1日に英国のEU離脱、プレミアリーグに影響か FAの"性急なプラン"に反発と現地報道 | Football ZONE WEB/フットボールゾーンウェブという記事が出ていました。
 これによると、FA(イングランドサッカー協会)はホームグロウン(21歳までに自国クラブで3年間を過ごしている選手)以外の選手の登録上限を25人中「17」から「13」に引き下げようとしているとのこと。
 わかりづらい言い方ですが、事実上の外国籍選手枠の縮小だとされていました。 FA側の考えとしては、他国に比べて重要なポジションで英国人選手が育っていない傾向があるとして、今回のプランを立案したとされています。要するに国内選手の優遇が目的であるようです。
 ただ、プレミアリーグ側は、これに反論。18歳から20歳の英国人選手の出場機会は他国とほぼ同じで、21歳の時点で大きな差が付いていることを指摘。現行のU-23リーグを廃止し、Bチームによるリーグ戦の導入を提案するなど、互いの主張は平行線を辿っているそうです。


■2020/02/24 EU圏内から18歳未満の選手獲得が不可能になるのは確定

 上記は精神的なものはともかく、直接的にはEU離脱と関係なさそうなのですけど、直接的に関係ありそうな話もあります。FAのプランとは関係なく、EU離脱後のプレミアリーグクラブは、EU圏内から18歳未満の選手を獲得することができなくなる、とされていました。
 16歳でアーセナルに加入し、現在は同クラブの副キャプテンを務めるスペイン代表DFエクトル・ベジェリンのような例が、今後は生まれなくなるそうです。
 プレミアリーグの広報部は「FAと話し合い、ブレグジットがイングランド代表およびプレミアリーグにマイナスの影響を与えないことで同意している」としていたものの、その根拠はよくわかりませんでした。