2023年12月13日水曜日

Jリーグの外国人枠撤廃に反対!だった元Jリーガーが心変わり

■2018/05/24 Jリーグ、イニエスタ獲得の神戸のために外国人枠撤廃へ…と報道
■2018/05/24 中国では外国人枠制限 爆買い理由だが国内選手育成の狙いも
■2018/10/17 外国人枠撤廃ではなく5人増加決定 一方で地元選手優遇案は先送り↓2022/06/14:別投稿から転載
■2021/11/27 Jリーグの外国人枠撤廃に反対!だった元Jリーガーが心変わり
■2021/11/27 オーストラリアは自国選手を出すクラブにお金を払ってバランス




■2018/05/24 Jリーグ、イニエスタ獲得の神戸のために外国人枠撤廃へ

 Jリーグが、外国籍選手枠撤廃の検討に入ったとのこと。すでにJFAハウスで実行委員会を開き、各クラブの代表者に伝えています。
  このほど、ヴィッセル神戸はバルセロナからアンドレス・イニエスタ(34)獲得に成功。すでに外国人選手枠が埋まっていることなどで、チームが不利益を受ける可能性があります。その改善策として来季からの外国人枠緩和&撤廃が実施される見込みとなったそうです。

(イニエスタがJリーグ動かした、来季外国人枠撤廃へ - J1 : 日刊スポーツ[2018年5月23日5時0分]より)


 スポンサーであるダゾーンの影響の指摘もありますけど、こういう特別扱いみたいなのってどうなんですかね? イニエスタに関しては、すでに決まった背番号の変更もルール違反ではないかといった反応もあります。
 ただ、外国人枠撤廃は意外に賛同の声が多いんですよね…。


■2018/05/24 中国では外国人枠制限 爆買い理由だが国内選手育成の狙いも

 中国リーグに関しては、外国人選手の獲得を揶揄していんじゃねーの?と思って検索したものの、上位では一般の反応をまとめたものが見つからず。
 とりあえず、中国の場合は特殊事情があっての対策でした。

・利益をあげていないサッカークラブ(ほとんどのクラブが該当)に対し、新しく選手を獲得するのに2倍の金額を支払わなければならないというルールを追加。
・有名外国人選手を獲得するのに大金を費やす一方、収入はこれより極端に少なく、健全な経営状態ではないため。
 ・外国人保有枠も制限。低迷する中国代表への危機感によるもの。

 また、ヨーロッパでは、国内の選手がほとんどいない試合…という事態がすでに起きています。なので、これだけJリーグの方針転換に賛同が多かったというのは意外でした。


■2018/10/17 外国人枠撤廃ではなく5人増加決定 一方で地元選手優遇案は先送り

 日刊スポーツは 外国人枠撤廃と報じていましたが、ガセだったのか、途中で変わったのか撤廃はないようです。ただ、増加するというのは本当だったみたいですね。
  Jリーグは、来季からの拡大を検討する外国籍選手枠について、J1は現行の原則3人から5人が出場できるように増やす案をまとめたとのこと。有力な外国籍選手が増えることで、競争力や魅力の向上を目指す施策としています。
  当初私が書いた、日本選手の出場機会が減ることなどへの懸念もあるようです。地元選手の登録を義務づける「ホームグロウン制度」も併せて検討しているといいます。しかし、細部については継続審議となったとのことで、こちらは怪しいですね。
 また、「地元選手」を優遇というのは、「日本人選手」を優遇するのとはやや異なる対応策。海外では実例あるんでしょうか。興味のあるところです。


■2021/11/27 Jリーグの外国人枠撤廃に反対!だった元Jリーガーが心変わり

 別のところで書いていたJリーグの外国人枠に関する話をこちらにも。<【スカサカ!ライブ】賛成? 反対? Jリーグの外国人枠撤廃について識者が激論 | サッカーキング>(2018.08.14)という記事についての話です。

・下村東美(セレッソ大阪やジェフユナイテッド千葉でプレー) 反対
「選手をやっていた身からすると、Jリーグは日本人選手を育てるためのリーグという前提があると思っているので、撤廃してしまうと極端な話、日本人選手が1シーズン全くプレーできないチームも出てくると思う。そうなると、果たしてそれがJリーグ、日本人のためになるのかというリスクは間違いなくあるのかなと思っています」
https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20180814/812587.html

 予想外だったのは、議論を進めていく中で、外国人枠撤廃に反対派だったこの下村東美さんも外国人枠撤廃のメリットを認めるような形になってきたとのことです。
 「世界が先に進んでいるかもしれないですけど、そこに追いつき、追い越すためには、刺激も間違いなく必要」「一発で試合を決めちゃう選手がいる。そういう選手たちと触れる機会が自国のリーグであるのはメリットですね」といった話をしていたそうです。
 最後には「(外国人枠撤廃)は社会全体的に見ても、何かを取り入れるチャンスかなと思いました。反対派だったんですけど、なんかちょっと肯定派になってきつつあります」としていて、だいぶ意見が変わってしまいました。


■2021/11/27 オーストラリアは自国選手を出すクラブにお金を払ってバランス

 一方、最初から賛成意見だったのは、河治良幸(サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当)さんです。

「理由としては、W杯の時の主力が海外組中心で、国内組のレギュラーが昌子(源/鹿島アントラーズ)1人だけだった。その理由は、(選手の)レベルじゃないんです。耐性というか、外国人に対する慣れがものすごく大きくて。もちろん海外に行ってそこの環境に揉まれるという、オフ・ザ・ピッチも含めたところも大事なんですけど、一方で外国人の選手たち、特徴の違う選手たちを受け入れた中で勝負をしていって、その中で経験を積むのはすごくメリットが大きいと思うので」

 ただし、河治良幸さんはバランスを取っていくのが大事としています。「実際にヨーロッパで撤廃しているところでも、何人まで自国の選手を入れなければならないとか、アカデミーやユースを含め、ホームタウンで育った選手を何人以上入れなさいとか、そういうホームグロウン制度を条件つきでやっている」としていました。完全撤廃のイメージとはちょっと違いますね。

 おもしろいと思ったが、オーストラリアの例です。「基本的に外国人枠がないんですけど、自国の選手を一定時間以上出すと、放映権料が入ってくるんですね。22歳以下の選手だと、出場時間が2倍に換算されてその分入ってくるとか。だから自国の選手を出せば出すほど得することになるんですが、勝たなきゃいけないので、そこのバランスを考えながらやっている」としていました。
 これ、強豪チームや人気チームなど資金的に強いチームだったら、自国の選手を気にせず使える…ということになります。資金的にはバランスが取れますね。また、自国の選手が少ないと不人気になって資金面に影響する可能性もあり、これもリーグ全体の資金的なバランスを取る要素になるかもしれません。本当おもしろいですね。