2023年12月2日土曜日

鈴鹿ポイントゲッターズ VS ヴィアティン三重 八百長告発に揺れる

■2022/01/11 鈴鹿ポイントゲッターズ VS ヴィアティン三重 八百長告発に揺れる
■2022/03/10 Jリーグがクラブ資格停止の処分で鈴鹿ポイントゲッターズ消滅危機?



■2022/01/11 鈴鹿ポイントゲッターズ VS ヴィアティン三重 八百長告発に揺れる

 カズこと三浦知良の移籍が発表されたJFL鈴鹿ポイントゲッターズ。これを伝えた記事、<JFL鈴鹿 カズ獲得発表「勝利に貢献できるよう努力していきます。Boa Sorte」(引用者注:Boa Sorteはグッドラックといった意味)>(スポニチアネックス / 2022年1月11日 11時23分)では、以下のように鈴鹿ポイントゲッターズについて説明しています。

<09年にFC鈴鹿ランポーレとして発足。翌10年から9年間、東海1部に所属し、12、14、17、18年優勝、19年からJFL参加。昨年2月にリーグ百年構想クラブに認定され、同9月にJ3ライセンスが付与された。19年には女性指揮官、スペイン人のマルティネス監督が就任し話題に。活動拠点は三重県鈴鹿市>
https://news.infoseek.co.jp/article/sponichin_20220111_0109/?tpgnr=sports

 この鈴鹿契約で最大のネックとされていたのが、元役員による内部告発問題でした。この記事では、<クラブ側は全否定し、警察にも相談。カズにも再交渉の席で状況を説明し、問題をクリア>と説明していますが、これはクラブ側の主張であり、解決なのかどうかはよくわかりません。
 とりあえず、最後の詳しい報道は、2021年12月12日あたりのものですかね。例えば、<元役員の不正告発&金銭要求にJFL鈴鹿ポイントゲッターズが声明「警察署に一任する」…過去に金銭支払いも認める>(超ワールドサッカー )といった記事が出ていました。(名前は伏せています)

<JFLの鈴鹿ポイントゲッターズは12日、クラブの元執行役員からの告発に関して声明を発表した。ことの発端は、元執行役員であるS氏が自身のツイッターを通じてクラブを内部告発。八百長を持ちかけられたことなどを赤裸々に綴っていた。
 そんな中、鈴鹿はクラブとして声明を発表。S氏から金銭を要求されていることを明かし、その額は5000万円とのことだ。クラブによると、「5000万円の支払いと代表取締役・Yの辞任、この2つが実行されない場合、不正を公表する」と要求されているとのこと。金銭の要求は今回が2度目とのとことだ。1度目は7月26日に2500万円を同様の内容で要求してきたとのこと。その2500万円はすでに支払っていることを報告した>
https://news.infoseek.co.jp/article/webultrasoccer_408784/

 クラブ側は、元役員が指摘する不正行為の内容は、ほとんどが趣旨が判然としないものだと主張。不正行為も存在しない「認識」しているとの説明。ただ、執拗な金銭要求に畏怖を覚えたことや、不正が存在するかのような虚偽の情報を拡散することを恐れ、関係を断ち切るべく、要求された金銭を支払ったとしていました。
 ということで、クラブ側としては、飽くまで被害者という主張ですが、要求された金銭を支払っちゃったのはまずかったですね。事態が余計ややこしくなってしまいました。本当に不正があったから支払ったのでは?と疑う人も出てきそうです。検索すると、実際、そう考えている人がいますね。

 あと、2500万円というのは、すごい金額。特にJFLクラブからすると、支払いが難しいであろう金額。これを事実無根なことに支払ったというのは、ちょっとわかりづらいです。
 また、あまり言われていませんが、表に出せないお金を2500万円を支払えてしまったというのも、組織として問題。本来なら会社として問題になります。これはいわば「裏金」的な使い方。普通なら役員全員進退問題になりますね。
 それから、以下のように警察に任せているために説明できない…というのもわかりづらいところでした。

「本来であれば、弊社に不正が存在しないことについて、詳細な説明を行うべき立場にあるかとは存じますが、合計7500万円に及ぶ巨額な金銭を得ることを目的とした告発であり、かつ内容自体を正確に理解することが難しいため、本件の対応は基本的に警察署に一任することとしておりますので、現時点では詳細な説明を控えさせていただく予定でおります。何卒、ご理解賜りますよう、宜しくお願い申し上げます」

 よくわからないので、別記事も見てみました。<「負けるよう指示」JFLチームの元役員が告発…チーム側は元役員から金銭要求受け既に2500万円支払う>(2021/12/13(月) 21:24配信 東海テレビ)から、八百長のポイントとなる部分を抜き出すと以下のような感じですね。

・「鈴鹿ポイントゲッターズ」の元役員だった男性がツイッターで、試合で負けるように選手に伝えるよう指示されたと告発しました。
・「アウェー試合の1週間前くらいに、N会長より『負け試合をすることを選手に伝えろ』と」
https://news.yahoo.co.jp/articles/3993202af17569cf9666f7edef619bc4b5b51c46

 なお、元役員は2500万円は脅迫ではなく退職金としており、コメント欄では、LINEのやり取りから見ても元役員の主張に賛同する…としている人もいました。クラブ側の説明より、退職金の方がむしろ理屈が通る説明です。ただ、コメントでは双方闇深い…という声が多数ですね。また、三重のライバル潰しが目的という見方もありました。

<三重のJFLチームのJ3昇格阻止が目的での負け指示みたいだね>
<八百長の話は十分あり得そう。鈴鹿の相手のソニー仙台が勝てば、Jライセンスを持っているヴィアティン三重が勝ってもJ3に昇格できない状態だったみたいだし、フロントとしては同じ県内チームに先こされるのが気に食わなかったんでしょ>

 totoがあるJリーグで八百長問題は致命傷なので、本来ならJリーグ側も調査に加わるべきだと思いますが、JリーグはJリーグでイマイチですしね。
 あと、こういうチームに三浦知良が行こうと思っちゃうってのは、問題の深刻さを全く理解していないってことでもあるでしょう。人格者のように言われていますが、サッカー以外のことは知らない非常識な人で、正義感もない人なんでしょうね。残念ながらサッカー界はあまり人のレベルが高くありません…。



■2022/03/10 Jリーグがクラブ資格停止の処分で鈴鹿ポイントゲッターズ消滅危機?

 鈴鹿ポイントゲッターズの八百長告発の件は、クラブ側の説明を全面的に信じたとしても問題でした。不適切な2500万円の支払いをしており、裏金的な問題があったためです。
 普通の会社であれば大問題になり、支出に関わった役員は解任されるべきですし、その他の様々な問題が出てきます。前回書いたように、私は役員全員進退問題になって当然だと思いました。
 これで「お咎めなし」であれば、日本のサッカー界はマジで最低。ただ、「JリーグはJリーグでイマイチ」と書いていたJリーグが、最低限の仕事はしてくれました。飽くまで「最低限」ではあります。とはいえ、処分なしだとたいへんまずかったので、まずはこれで「良かった」と思いたいです。

・カズJ3昇格に暗雲…JFL鈴鹿 解除条件付きJクラブ資格停止 6月J理事会までにクリア必要(スポニチアネックス / 2022年3月1日 5時32分)

<Jリーグは28日、日本フットボールリーグ(JFL)規律委員会の調査で懲罰対象となりうる行為が発覚した鈴鹿ポイントゲッターズについて、準加盟に相当する「百年構想クラブ」資格を解除条件付きで停止すると決めた。
 鈴鹿はクラブの元執行役員から過去の八百長疑惑などの不正を告発されており、調査の結果、適切ではない金銭のやりとりが存在するなどクラブのガバナンス体制の不備が複数認められた。これらは百年構想クラブ規定に反し、資格停止に。今後、日本協会からも最終処分が下るが、関係者によれば、経営陣の刷新を求められる可能性もある。
 クラブ側は改善意思を示しており、解除条件がついた。(1)ガバナンス体制の改善(2)ステークホルダーからの支援継続の2点が機能していると理事会から判断されることが絶対条件でJリーグ側は随時、確認していく>
https://news.infoseek.co.jp/article/sponichin_20220301_0065/

 なお、鈴鹿はFW三浦知良(55)の加入により、連日、数百人の見学者が練習に訪れる空前のフィーバーぶりだったとのこと。この点では成功しましたが、不適切な支出のせいで問題外に…。
 また、カズは「J3昇格」を最大の目標に掲げていた…という話も出ていて、また問題の深刻さを全く理解していなかったことを露呈。サッカー選手の常識のない馬鹿っぷりが知れるので、少し黙っていてほしいです。

 鈴鹿ポイントゲッターズの件に関しては、クラブ消滅危機報道もあったとのこと。私が知ったのは、この報道を否定する<三浦カズがレンタル移籍 JFL鈴鹿が金銭トラブルで「クラブ消滅危機」報道の大ウソ>(日刊ゲンダイDIGITAL / 2022年3月2日 11時5分)という記事でした。サッカー関係者は以下のように言っていたそうです。

「鈴鹿とカズの移籍交渉中にJリーグ、JFLの知るところとなってザワついたが、2022年シーズン開幕前にペナルティーを科せられることを前提にしながら、カズの移籍が合意に達した。カズがJFLの客寄せパンダになることはJリーグにとっても既定路線。J4部に相当するJFLが話題になれば、Jリーグ全体の活性化にもつながりますからね」
<JFLの目下の悩みは「スポンサーの相次ぐ撤退」。女子サッカーの全国プロリーグ「WEリーグ」が21年9月に開幕。これまでJFL、その下部リーグに相当する全国地域リーグのチームを支援していた地方企業がWEリーグに流れたり、女子サッカーよりも注目度が低いことを再認識して撤退する事例が少なくなかった。そこで「カズの鈴鹿移籍をスポンサー企業掘り起こしの起爆剤にするというわけです」(前出の関係者)>
https://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_813463/

 ちょっとわかりづらいですが、JリーグはJFLを盛り上げるために鈴鹿ポイントゲッターズを潰すようなことはせず甘くする…といった主張でしょうか。ただ、これはJリーグにとっては恥ずかしいこと。不正に甘い腐った組織だと証明してしまうことです。
 とはいえ、鈴鹿ポイントゲッターズが消滅するとは限らない…というのは私も思います。そもそも前述のJクラブ資格の解除条件は、「ステークホルダーからの支援継続」となっており、存続が前提だとわかる話。要するにスポンサーや地元自治体次第ということなのですが、彼らはたぶん存続を望むでしょう。ということで、経営陣総入れ替えで存続というのが一番可能性がありそうな結果です。



■2022/06/11 JFLが八百長未遂と認定し処分するも疑問だらけの内容…

 JFLの方の鈴鹿への処分が決まっていましたのに、書いていませんでした。鈴鹿はまだJリーグ昇格前でしたので、最も関係するのはこのJFLでしたね。
 私が読んだ記事は、<JFAが鈴鹿の八百長未遂に対する処分を発表…クラブには罰金など、3名の関係者は活動禁止>(2022/4/5(火) 17:40配信 SOCCER KING)というもの。タイトルからすると、私が問題視して言い逃れ不能だったお金の問題ではなく、証拠がはっきりしないのでは?と思った八百長関連のようです。
 ただ、読んでみると、そもそもJFLが問題ありと、先に判断していたんですね。ここらへん、私はしっかり理解していませんでした。

<昨年12月、鈴鹿PGの元執行役員がSNSを通じて、鈴鹿PGが「上層部による負け試合指示」などの不正行為を働いてきたと内部告発を行なっていた。鈴鹿は当初、不正行為を否定していたが、今年2月にJFLが「鈴鹿において懲罰の対象となりうる行為が発覚した」と発表>
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca2596377419ae87d0db9a2faa19948f55ee8254

 調査の結果、八百長未遂があったと認定。その割には処分があまりにも軽い感じがしますが、処分も決まっています。うーん、ここらへんは処分なしに終わるよりマシ…と考えるべきなんでしょうか…。スッキリしませんけど…。

<2020年11月29日に行われたJFL最終節のソニー仙台戦において、八百長未遂にあたる行為があったと認められた。
 鈴鹿PGには当該試合の0-3没収試合(※元スコアは●0-1)、および500万円の罰金が科された。また、チーム運営会社『株式会社アンリミテッド』代表取締役社長A氏には、通知日より1カ月間のサッカー関連活動の禁止、チームオーナーB氏には通知日より3カ月間のサッカー関連活動の禁止処分が科される。『株式会社アンリミテッド』元執行役員C氏は、通知日より2年間のサッカー関連活動の禁止処分が決定した>

 報告書では八百長をやろうとした経緯などについても詳細に説明していたようで、記事では、以下のような話もありました。これ読むと、ますます処分が甘いな…という感じ。普通にガチな八百長指示です。

<2020シーズン最終節前の時点で5位だった鈴鹿PGは、J3昇格の可能性がなく、翌年以降のJ3昇格を目指していた。しかし、同時点で、J3ライセンスを所持していた6位いわきFC、7位ヴィアティン三重、8位FC大阪にJ3へ昇格する可能性があった。鈴鹿PGとしてはこの3チームからJ3に昇格するチームが少ない方が望ましく、また、同一地域の三重がJ3に昇格することも避けたかった。そして、鈴鹿PGは、シミュレーションの結果、S仙台戦に敗戦したほうが、3チームのJ3昇格の可能性が小さくなると分析した。
 同年11月27日、A氏、B氏、C氏、監督及びチームスタッフ2名が集まり、S仙台戦の戦い方について議論が行われた。そのなかで、B氏から、「もう昇格も降格もないので、この試合は必ず勝たなければいけない試合ではない。負けてもいい試合なので若手や出場機会のなかった選手を使ってほしい。仮に0-1で負けていて、残り時間が少ない場合、追いつこうとせずに、そのまま負けるという選択肢を選んで欲しい」との発言があった。
 選手がC氏の発言に対して激しく反発したためにC氏が逆上し、「お前らには嫌でもやってもらう」、「お前らがやらなければ俺がやる」、「試合に負けなければ途中でグラウンドに割り込んででも試合を中止させる」、「監督は国に帰れ」等の発言をし、収拾がつかない混乱となったため、いったんA氏とC氏が退席し、選手と監督だけでミーティングが続行された>

 これでなぜ八百長”未遂”なのか?と言うと、その後、Aさんが選手や監督と「正々堂々と戦う」意思を確認するために誓約書を交わしたためかもしれません。逆に言うと、証拠がしっかりとあるということです。ひどすぎですわ…。
 より「未遂」と判断された理由っぽいものは、この後あります。

<2回目のミーティングに参加した選手のうち5名は試合に参加せず鈴鹿に帰ってしまった。
 試合当日のS仙台戦の状況については、残って試合に参加したメンバーは大きく戦力ダウンしたわけではなく、後半80分までは0-0の拮抗した試合であり、最終的には0-1で鈴鹿PGが負けたものの、意図的に負け試合をしたことをうかがわせる事情は見られなかった。また、JFA規律委員会が独自に専門の調査機関に依頼し、実施した追加調査によれば、S仙台戦において、各国におけるスポーツ賭博等に絡んで試合結果を操作しようとする動きや徴候は確認されず、また、選手を含む関係者といわゆる八百長に関係する犯罪組織等との関連性も確認されなかった>

 あと、ステークホルダーは鈴鹿存続を願うだろうって話を書いていたのですが、本件行為を誘発する発言をして本件の発端を作ったBさんは、チームのオーナーだったそうな…。
 コメント欄では、すでに辞めているCさんへの責任なすりつけを疑う声の他、そもそもクラブ側は当初否定していた、つまり、嘘と隠蔽を行っていたことを指摘する声がありました。そうですよね。この嘘と隠蔽を考えると、さらに罪が重くなって良いはずです。また、私が問題視しているお金の問題もあります。
 また、コメント欄では、「メンバーは大きく戦力ダウンしたわけではなく」というJFLの判断に異議を唱えるようなものもありました。

<試合のスタッツを確認すれば、ベンチのGKが2人まて大半の選手が、前節から入れ替わっている
つまり「ホテルのミーティング」以前に、クラブ首脳部が遠征帯同メンバーに介入していたのは明白
問われなければならないのは、「遠征出発前になにがあったか」のはず>