2023年11月28日火曜日

サッカーのシンデレラストーリー メッシアス、清原翔平、クリバリ、マイズ・フィップス

■2022/02/12 レジェンドがアマチュアから発掘したメッシアスが大出世
■2017/03/11 サッカーのシンデレラストーリー 清原翔平がJ1デビュー
■2017/06/20 ホームレスから成り上がった?ママドゥ・クリバリ
■2017/02/16 11部相当からいきなりトップへ?マイズ・フィップスに注目
■2017/04/09 レスターが“ニュー・ヴァーディー”ジョシュ・ゴードンを獲得


■2022/02/12 レジェンドがアマチュアから発掘したメッシアスが大出世

 サッカーにおける最近のシンデレラボーイは?と検索すると、<【コラム】底辺から築いたシンデレラストーリー、一面を飾った元配達員ジュニオール・メッシアス|セリエA>(2021/12/4(土) 18:31配信)という記事が出てきました。
 まず、このジュニオール・メッシアスの活躍の話から。UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)では、アトレティコ・マドリー戦で決勝点を上げ、続くセリエAのジェノア戦(3-0で勝利)において、ミラン移籍後、初先発を果たし、いきなり2得点しています。
 1つ目の試合は、2013年11月以来となる、ACミランのチャンピオンズリーグ勝利だったというのも驚きですね。長く低迷していたようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae1a9bbcd83eb765ee7a87725a077058a9a225f4

 このジュニオール・メッシアス(メシアスとも)ですが、ブラジルのベロオリゾンテ生まれ(1991年5月13日)。クルゼイロの下部組織で数カ月プレーした程度で、サッカーを中心に生活しておこうとは思っていなかったそうです。
 その後、今から10年前、イタリアのトリノのバリエラ・ディ・ミラノ地区へ移住すると、工場でレンガ洗浄の仕事を始めます。レンガ1個につき20セント(約25円)の収入だったそうです。なぜイタリアに来たのかは書かれていなかったものの、たぶん出稼ぎ的なものでしょうね。
 この頃もサッカーはしていたようですが、とりあえず、全然サッカーでの成り上がりは考えていなかった模様。ところが、転機が訪れます。

<メッシアスは、新たなチームメートとなるペルー人移民のグループに誘われ、アマチュアリーグUISPトリノのスポルト・ヴァリケでプレーを始めるとともに、配達員としての定職も与えられた。こうして彼は、キエーリやピーノ・トリネーゼのエリアで冷蔵庫の配達に従事するようになった>
<2015年のある日、メッシアスは今後もイタリアで暮らしていくための許可証を手にすると、その翌日、元トリノ指揮官エツィオ・ロッシから連絡が届いた。UISPの試合を視察したエツィオは、カンピオナート・エッチェッレンツァ(イタリア5部)のカザーレへ24歳のメッシアスを入団させようと考えていたのだ>

 ただし、提示された給料は月給700ユーロ(約9万円)で、ブラジルにいる妻や息子の生活を支えなければならないため無理でした。それでも、元トリノ指揮官エツィオ・ロッシが熱心に誘い、「君のために月給1500ユーロ(約19万円)の契約を用意した。これからはカルチョのことだけを考えれば良い」と条件を改善してくれたそうです。ここからどんどん出世していきました。

<エッチェッレンツァのカザーレで21ゴールをマーク。翌年はセリエD(イタリア4部)のキエーリで14得点を記録し、次の移籍先のゴッツァーノではチームをセリエC(イタリア3部)昇格へ導いた。そして2019年夏、セリエBクロトーネの一員となると、チームが昇格した翌年の9月20日、まさにスタディオ・マラッシのジェノア戦においてセリエAデビューを飾り、翌月25日のカリアリ戦でセリエA初ゴールもマークした。(引用者注:その後、さらにACがミランに移籍)>

 Wikipediaでは、アマチュアチームでの噂を聞きつけたトリノOBのレジェンド、エツィオ・ロッシの目にとまり試合後、「彼のような選手がこんなところにいちゃいけない」と進言し、下部リーグのクラブとの契約にこぎつけた…という書き方をしていました。


■2017/03/11 サッカーのシンデレラストーリー 清原翔平がJ1デビュー
 日本ではあまり飛び級的な成り上がりの話は聞かず、苦労人的なものの方が多いと思います。セレッソ大阪の 清原翔平もそんな感じです。

 JFL社員選手からJ1へ。C大阪・清原翔平、30歳目前で1部デビュー果たした苦労人の足跡 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年03月10日 (取材・文:藤江直人)

 札幌大学を卒業して8年目、プロになって5年目、セレッソの一員になって2年目、6月25日には30歳の誕生日を迎えるというタイミングの3月4日、途中交代で清原翔平はJ1デビューを果たしました。中盤の右サイドでの投入です。

 清原は札幌大学からJFLのSAGAWA SHIGA FCへ加入。社員選手でアマチュアだったとはいえ、JFLの強豪でもあったSAGAWA SHIGA FCはサッカーに専念できる環境が整えられている良いところではありました。

「仕事といっても、年末の忙しい時期に商業施設へ行って、佐川急便のトラックの到着を待って、積まれていた荷物を配る内容だったので。あとはある程度免除されていたというか、基本的にはかなり優遇されていたと思います。サッカーにほぼ集中できていたので」

 チーム得点王になり、リーグのベストイレブンにも選出されるなど、プレーでは順調でしたが、何とこの恵まれていたチームが突然なくなります。2012シーズン年限りでSAGAWA SHIGA FCが活動を休止、実質的な廃部となったのです。
 シーズン終盤に古傷でもある右足小指のつけ根を疲労骨折していたこともあり、「いままでのサッカーに関係することでは、自分のなかでは一番衝撃的でした」とのこと。
 サッカーを続けるかどうかすら迷ったものの、いくつか届いたオファーのなかから、唯一、プロ契約を提示してきたのが当時JFLのツエーゲン金沢。
 SAGAWA SHIGA FCが優勝しても上のカテゴリーは目指さない方針だった一方、ツエーゲンは上を目指していました。ここでプロになります。
 このオファーがなかったら、「(いまの僕は)なかったと思う。どうなっていたかはわからないけど、教職を取り直して、おそらくは学校の先生をやっているかもしれませんね」としていました。


 ツエーゲン金沢でも 清原翔平は活躍。チームトップの13ゴールをあげて、再びリーグのベストイレブンに選出。
 クラブも翌2014シーズンから創設されるJ3への参戦が決定し、ここで優勝。清原も 再びチームトップとなる9ゴールをあげました。
 J2でツエーゲンは前半戦こそ首位に立つ快進撃を見せながら後半に失速して12位。破格の5年契約でまだ3年も残っていた清原にセレッソからオファーが届きました。

 悩んだ末に、J1を狙えるセレッソ大阪への移籍を選択します。そして、昇格プレーオフで決勝ゴールを奪うという、重要な役割を果たしたようです。

 ベテランでも活躍し続ける選手というのは、国内外でいます。さらに言えば、30代をすぎてピークを迎える選手というのもまれにいます。清原にもまだまだチャンスがあると思われます。


■2017/06/20 ホームレスから成り上がった?ママドゥ・クリバリ

 イタリア・セリエAから2部に降格することが決まっているペスカーラのMFママドゥ・クリバリに、ユベントス移籍の噂が浮上しているという話。
 この移籍そのものはアマチュアからいきなり…というものではなく、ちょっと違ったタイプのシンデレラストーリーです。

 「ネクスト・ポグバ」とも称されているセネガル出身のクリバリは、"家族にも内緒で家を飛び出し、バスと船でヨーロッパに渡"りました。
 そして、"イタリアで複数クラブのトライアルを経てプロとなって、昨年ペスカーラで注目を集めるようになった"ところ。現在もまだ18歳という若い選手です。

 本文には「ホームレス」という言葉はなかったものの、 タイトルはホームレスからユーベに大出世? 18歳セネガル人MF、超エリートとトレードか フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年06月16日 でした。
 同じくタイトルにある「超エリートとトレードか」というのは、かつてインテルやミランなどで活躍したアンドレア・ガンツの息子であるFWシモーネ・アンドレア・ガンツとのトレードが噂されているため。
 ガンツには気の毒な対比のされ方ですけどね。


■2017/02/16 11部相当からいきなりトップへ?マイズ・フィップスに注目

 まだ、決定ではないものの、もし実現すればエキサイティングな話。

11部から一気にプレミアリーグへ!? 18歳FWがWBAに1週間の練習参加 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年02月14日

 18歳のFWマイズ・フィップスは、イングランド11部相当のパジェット・レンジャーズの所属。
 イングランド7部相当のヘドネスフォード・タウンからアーセナルに移籍した20歳のDFコーエン・ブラモールが話題になったのですが、11部相当というのは、当然さらに下。
  ブラモールのヘドネスフォード・タウンは、ノーザン・プレミアリーグの所属。このリーグの下には地区別に分かれた複数のリーグが存在し、そのうちの一つであるミッドランドフットボールリーグというのがあります。
 このリーグがまたプレミア部門、リーグ1、リーグ2、リーグ3の4カテゴリーに分かれており、今回のフィップスが所属するパジェット・レンジャーズはこのうちのリーグ2に所属するクラブだそうです。

 で、 この11部相当のところでプレーするフィップスが、トップであるプレミアリーグのウェスト・ブロムウィッチ(WBA)に練習参加することになったというのが、今回のニュース。13日に英紙『バーミンガム・メール』が報じています。
  契約したとしても、ウェスト・ブロムウィッチの下部組織所属とのことですが、ワクワクする話です。


■2017/04/09 レスターが“ニュー・ヴァーディー”ジョシュ・ゴードンを獲得

 アマチュアからの転身で成功した選手の代表格は、レスター・シティのエースであるジェイミー・ヴァーディーでしょう。7部相当のリーグにいたストックスブリッジ・パーク・スティールズの所属していたものの、イングランド代表に呼ばれるまでになりました。

 そのレスターが、7部に相当するリーグ所属のスタッフォード・レンジャーズから22歳の若手FWジョシュ・ゴードンを獲得。“ニュー・ヴァーディー”の登場かと注目されています。
 ゴードンは、ストーク・シティの下部組織で8年間プレーしていたそうです。おそらく、ストーク・シティでは評価されなかったために、トップには行けなかったのでしょう。逆転ストーリーになっています。

 なお、記事タイトルは 「7部から22歳FWを獲得か」という曖昧なものになっていますが、ゴードンは自身の『フェイスブック』で「イングランド王者であるレスター・シティと契約したことをようやく発表でき、うれしく思う」とつづっているそうですので、移籍決定ということで良いと思われます。
(レスターに“新ヴァーディー”加入へ。7部から22歳FWを獲得か フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年04月08日より)