2023年6月14日水曜日

15歳でゴール、森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの

■2020/03/14  15歳でJリーグ最年少デビューと最年少ゴールの森本貴幸
■2020/03/14 セリエA・カターニアでも結果を出したのは計算通りだった
■2020/03/14 森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの
■2021/03/17 森本貴幸がパラグアイで飲酒運転でひき逃げし逮捕される



■2020/03/14  15歳でJリーグ最年少デビューと最年少ゴールの森本貴幸

   川崎フロンターレの試合のテレビの解説で、三好康児について10代でこれだけできるってすごい!といった感じで、褒められていたことがありました。これに異存はなかったのですけど、複雑な気持ちになったのが、同じ試合のフロンターレのベンチに森本貴幸がいたこと。彼はもっと若いうちから活躍していた選手でした。それがその後は…といった感じで、伸びずに消えてしまいましたからね。日本ではよくあります。ただ、森本貴幸の場合はそれが海外で起きました。

  Wikipediaによると、神奈川県川崎市宮前区出身でヴェルディジュニアユースに所属していた森本貴幸は2004年、オズワルド・アルディレス監督(当時)によってトップチーム帯同へ。そして、中学卒業直前の3月13日、Jリーグ公式戦のジュビロ磐田戦(アウェイ)に後半6分から出場し、当時Jリーグ史上最年少の15歳10ヶ月6日で公式戦出場を果たしました。
 さらに5月5日の第8節のジェフ市原戦で途中出場から決勝点を決め、15歳11カ月28日というJ1最年少得点の記録保持者(当時)となりました。
 その後、シーズン終了までに計4得点を挙げ、同年のJリーグ最優秀新人賞を獲得。これも史上最年少(16歳)での受賞となっています。


■2020/03/14 セリエA・カターニアでも結果を出したのは計算通りだった

 その後すぐダメになったわけではなく、セリエAのカターニア移籍後も良かった時期がありました。代表にはほとんど呼ばれなかったものの、私はもっと評価されて良い選手だと思っていました。好きなタイプではないんですよ、正直。ただ、前線でも体を張るなどしてしっかりとしたプレーができて、シュートの場面でも年に似合わない落ち着きも感じられました。
 Wikipediaによると、カターニアへの移籍後しばらくの間はユースチームでプレーしていて、そこでゴールを量産したことが認められ初出場。いきなりゴールを決めています。
 06年、森本貴幸。完璧だった怪物への道、突如暗転…若き天才の芽はなぜ潰えたのか | フットボールチャンネル(2019年07月05日(Fri)10時56分配信)によると、クラブが久々にセリエAに復帰して戦う中、急成長を続け主力にもなる彼は、地元出身の選手であるかのように人気を集めたとのことでした。

 また、実績を挙げた選手が海外に移籍する、というこれまでの日本人選手のヨーロッパ移籍パターンと森本貴幸が異なっていたのには、カターニア側の狙いがありました。
「今まで来た日本人選手は、日本のサッカーのルールの中で研鑽を積み、完成された状態でやってきた選手たちだ。それはリスペクトすべきものだが、そこから全く違うイタリアサッカーに順応するのは難しくなる。ならば才能のある選手を若いうちに獲得し、順応への時間を与えることが成功の道につながると我われは考えた」(入団会見で、ピエトロ・ロ・モナコGM)



■2020/03/14 森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの

 では、なぜ森本貴幸はダメになったのでしょう。記事では、 <度重なるケガに泣かされたこと、またエースの重圧に苦しんだことなどに左右された>としていました。
 ただ、怪我に関して言えば、1回目も2回目もの怪我復帰後は良い結果を残しています。まず問題だったのは、後者の精神面のようでした。

<監督は森本をエースとして使うが、チームとして結果が出なくなる。すると、その責任を森本が背負いこむようになってしまった。実際彼自身もシュートチャンスを外してしまい、試合に勝ちきれない原因となってしまう。すると試合後地元メディアに対して「勝てなかったのは僕のせいだ」と言い出した。自責の念が強いのは日本人として自然なところではあるが、イタリア人にとっては衝撃と取られた。。チームもクラブもメディアも、森本のことを心配するようになってくる>

  そこでチームは「森本を休ませるため(ロ・モナコGM)」として、マキシ・ロペスを獲。ところが、マキシ・ロペスが活躍しすぎて、森本貴幸の居場所がなくなってしまいました。
 さらにその後は 再び故障にも悩まされるようになってきます。怪我はここからが問題でしたね。靭帯のケガは筋力のバランスを崩し、様々なところに影響を及ぼすといわれるそうですが、その通りのことが森本に起こったとのこと。2011年1月には膝を手術しましたが、その後、キレが戻ることもありませんでした。
 また、「ケガをしても痛いと言わない。だからこちらから止めないと彼はプレーをやめない」と監督をはじめクラブ関係者は常々心配していた時代もあったとのこと。これは再び精神面の話ですね。本人の責任感の強さが裏目にでるような顛末になったことを、カターニアの人々は今も残念がっているとされていました。



■2021/03/17 森本貴幸がパラグアイで飲酒運転でひき逃げし逮捕される

 32歳となった森本貴幸選手は今、サッカーのパラグアイ1部スポルティボ・ルケーニョに所属しているみたいですね。で、そのパラグアイの首都アスンシオン市内で車を運転中にひき逃げ事件を起こし、警察に逮捕されたとのこと。アルコールも検出されており、飲酒運転だったようです。

 地元メディアは森本選手側が医療費などの賠償を申し出ていると報じたものの、そもそもひき逃げ事件ですので、最初から潔い態度であったわけではありません。森本選手の車はバイクと衝突し、バイクの運転手は負傷したものの、森本選手は救護せずに現場を去り、その後、目撃情報などで逮捕された…という経緯だとのこと。なお、在パラグアイ日本大使館によると、保釈金を支払ってすでに釈放されたそうです。
(サッカーの森本選手、ひき逃げ容疑で逮捕 パラグアイ: 日本経済新聞 2021年3月17日 より)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC1721N0X10C21A3000000/

 日本のサッカー選手では交通事故を起こした後、以前の輝きを取り戻せなかった選手が何人かいたことも気にかかります。とはいえ、下手すれば相手を死なせていた可能性があり、反省なしでケロッと良いプレーを続けられてもそれはそれで複雑な気持ちになりますけどね。日本のクラブでは、こうした不祥事というのは解雇となるのですが、パラグアイの場合はどうなのでしょうか。