2023年3月30日木曜日

有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン

■2023/03/30 有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン
■2023/03/30 選手実績ない異色の監督ナーゲルスマン、有力選手の反乱で解任か?
■2018/06/12 フランス紙、本田圭佑がハリル監督解任の原因と報道 香川真司も日本メディアで名前




■2023/03/30 有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン

 監督と有力選手の確執・選手内で派閥争いといったものは、チーム崩壊のよくあるパターン。ただ、必ずしもチームが悪い結果となるわけではなく、それでも良い成績を出すことはあるにはあります。
 また、この成績の関係では、有力選手を優先し、「戦績はそれほど悪くないのになぜ?」といった不可解な解任になるというのも、またよくあるパターンのひとつです。
 ということで、それ専用に1ページ用意することにしました。

■2023/03/30 選手実績ない異色の監督ナーゲルスマン、有力選手の反乱で解任か?

 ユリアン・ナーゲルスマン監督は異色の監督。選手で結果を残して監督へ…というパターンではなく、結果を出しまくって成り上がってきた監督であり、すでに現在の結果だけでも素晴らしい監督であることは間違いないでしょう。

<現在35歳のナーゲルスマン監督は若くしてドイツで指導者キャリアをスタートさせた。2016年2月にはブンデスリーガ史上最年少となる28歳でホッフェンハイムの指揮官に就任。2015-16シーズンはチームを17位から15位に押し上げて奇跡の残留を達成しただけでなく、翌2016-17シーズンはブンデスリーガで4位、2017-18シーズンはブンデスリーガ3位とチームの大躍進を演出し、クラブを史上初のCL出場にも導いた。2019年夏にライプツィヒの監督に就任すると、初年度の2019-20シーズンはブンデスリーガ3位とクラブ史上初のCLベスト4入りを達成。翌2020-21シーズンは2位でブンデスリーガを終えていた。2021年夏にバイエルンの指揮官に就任。初年度となった2021-21シーズンはクラブをブンデスリーガ10連覇へと導き、自身は史上2番目の若さでブンデスリーガを制覇した指揮官となった。一方、DFBポカールは2回戦、CLは準々決勝で敗れていた>
(“3冠”狙うバイエルン、指揮官を電撃交代 ナーゲルスマン解任とトゥヘル就任を発表 | サッカーキングより)
https://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20230325/1751330.html

 ただ、今回は選手としての実績がないことが悪く響いた模様。元名選手の監督が有力選手と揉めるのもよくある話ですが、元名選手がカリスマ性で個性派選手を掌握したらうまく行く…ということもサッカーではよくあります。特にナーゲルスマン監督は若いために、舐められたのかもしれません。

 <名門バイエルンの「政治」に敗れた稀代の戦術家…ナーゲルスマン解任の10の理由 - footballista | フットボリスタ>( 木崎 伸也2023.03.28 )は、有料記事で読める理由はふたつだけ。第一の理由は、良いときは良いが、悪いときは悪すぎるという不安定さの問題。しかし、第二の理由が選手との確執。「要因の大半はピッチの外にあり」としており、さもありなんといった感じです。

2.選手たちからの不信感
<(引用者注:バイエルンスポーツディレクターの)サリハミジッチが会見で「ナーゲルスマンはロッカールームの掌握を失った」と語ったように、選手たちから信頼を失ったことが解任の最大の理由とされている。『ビルト』紙によれば、特に「幹部クラス」の選手が戦術に不信感を抱いていたという。
 ただ、ヨシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカは「(引用者注:監督の)ユリアンとは何の問題もなかった」とサリハミジッチの発言に反論しており、不満を抱えていたのはセルジュ・ニャブリ、レロイ・ザネ、そしてトーマス・ミュラーというのが有力な説だ>
https://www.footballista.jp/special/156881

 上記では名前がなかったものの、別記事<バイエルンFWマネ、チームの前で指揮官怒り爆発…ナーゲルスマンの対応も解任理由の一つか>(GOAL)では、マネの名前が出ていました。若くて選手実績のない監督が舐められた…という印象を強くするエピソードでもあります。

<昨夏にリヴァプールから加入したセネガル代表FWマネは昨秋に右腓骨を負傷し、カタール・ワールドカップ欠場が決定。今年2月末に復帰を果たし、3月8日のチャンピオンズリーグ・16ラウンドでのパリSGとの2戦目(2-0でバイエルンが勝利)までリーグ戦2試合に途中出場していた。
 しかし、そのパリSG戦ではナーゲルスマン前監督はマネを82分からしか起用せず。そしてドイツ誌『シュポルト・ビルト』によると、アタッカーはその試合直後に怒りが爆発し、チームの前で監督を怒鳴りつけたという。ナーゲルスマン監督が動揺している様子を目にしたチームメイトたちは、次のリーグ戦でマネが先発起用されたことでその弱気な印象がさらに固まったと伝えられている>

 記事では、<前監督の下では対立派と擁護派と派閥ができていたと伝えられる>ともされており、派閥争いもあった模様。チームがうまく行かないパターンの典型となっています。

 ところで、パフォーマンスが不安定…という話があったものの、不安定というだけで悪かったわけではないんですよ。先程の<名門バイエルンの「政治」に敗れた稀代の戦術家…ナーゲルスマン解任の10の理由 - footballista | フットボリスタ>( 木崎 伸也2023.03.28 )では、以下のように解任の不可解さを指摘していました。

<あまりにも不可解な解任劇だった。(中略)
 バイエルンは決してスランプだったわけではなく、3月19日にアウェイでレバークーゼンに2-1で敗れてブンデスリーガ2位に転落したとはいえ、CLベスト16ではパリ・サンジェルマン(PSG)に勝利して準々決勝へ駒を進めていたのだ。通常ではあり得ないタイミングの解任だろう。
 『ビルトTV』の取材に応じたサポーターのひと言がすべてを表している。
 「4月1日のドルトムント戦で勝利すれば再び首位に戻れるのに、なぜこのタイミングなのか? まったく馬鹿げている!」>

 このため、バイエルンスポーツディレクターのサリハミジッチさんが「戦績が理由の解任」と説明した<ナーゲルスマン解任はなぜ?招聘は失敗だったのか…バイエルンSDが徹底説明>(3/27(月) 16:00配信 GOAL)では、逆にスポーツ以外の理由が原因となったのでは?というヤフーニュースの反応になっていました。

<少なくともこの記事を読む限り,説明(言い訳?)の内容がものすご~くフワフワしているような…?
もちろんメディアに語る情報が全てではないんでしょうが,あの成績かつあのタイミングでの解任となると,どうしたって周囲の理解は得られないでしょうね>
<ビッグクラブって基本的にレジェンド選手みたいなのと上手くやるのが1番の仕事だからね
戦術云々とかはその次よ
それをナーゲルスマンは出来なかった(選手時代の実績も監督としてのカリスマ性も皆無)
年齢も若いし選手に舐められてもしょうがないっちゃしょうがないよな>
<まだ3冠の可能性残ってるんだし、説明聞けば聞くほど続投でいいじゃんて思うけどw>
<青年監督。もう少し我慢すればよかったのに。どうせラップトップ監督に対するミュラーやノイアーの反乱でしょ。監督より発言権のある選手がいるのは問題>
<ナーゲルスマン監督が不憫でならない>




■2018/06/12 フランス紙、本田圭佑がハリル監督解任の原因と報道 香川真司も日本メディアで名前

 フランス紙『レキップ』は、ハリルホジッチ前監督の解任騒動に言及。本田圭佑の名前を出しつつ、「JFAは監督と選手の狭間で後者を選んだ」と指摘。「日本のスターMFであるケイスケ・ホンダは、ボスニア人を追い込んだ」とまで書いていたそうです。

 なお、ハリルホジッチ監督は、解任されたあとに行った会見で「(1-0と勝利し、W杯本大会出場を決めた)オーストラリア戦のあと、2人の選手が落胆していた。試合に出れず、そのことで落胆していること自体悲しくなった」と話しており、これが憶測を読んでいました。
 本来チームがW杯本大会出場なら喜ぶべきところを、自分のことだけ考えて落胆しているのですから、違和感は当然あるでしょう。わかります。
 この発言を受けて一部メディアが「2人」に関する報道を展開。選手たちがJFA(日本サッカー協会)に解任を直訴したのではないかとの憶測も流れたとのこと。本田圭佑と香川真司の2人のことですかね?
(仏紙、日本代表紹介でハリル解任騒動に言及「ホンダはボスニア人指揮官を追い込んだ」 | Goal.comより)

 ああ、検索してみると、やはり日本のメディアは本田圭佑と香川真司って報じていますね。
 日本サッカー協会はスポンサーの影響も認めていましたし、「忖度ジャパン」と呼ばれてしまっているのも、こういう流れあってのことだと思われます。