2023年8月22日火曜日

認知症多いサッカー選手、ヘディングが脳に悪影響?子供は禁止の流れ

■2021/04/08 認知症多いサッカー選手、ヘディングが脳に悪影響?子供は禁止の流れ
■2021/10/15 英断!日本が通常の交代以外に「脳振盪による交代」のルールを実施



■2021/04/08 認知症多いサッカー選手、ヘディングが脳に悪影響?子供は禁止の流れ

 だいぶ前に報道あって取り上げた気がしたのですが、ブロウ内検索しても見つからず。また、だいぶ前でもなく研究が出たのは2019年秋だったみたいですね。英グラスゴー大が発表した調査結果では、ヘディングが原因という直接的な因果関係は証明されていないものの、「元選手は一般の人より認知症などを患う可能性が約3・5倍高い」と指摘。脳が発達中の子ども時代からヘディングを繰り返すことの危険性を訴えたそうです。
 この話があったのは、さらに後の2020年3月30日の記事。子どものヘディング、脳に悪影響? 英国では禁止広がる:朝日新聞デジタルというタイトルからわかるように、子どものヘディング禁止の流れが実際に起きているという話でした。

<子どもがヘディングを繰り返すことは発達中の脳に悪影響を与える危険があるとして、イングランドサッカー協会(FA)が練習でのヘディング禁止を打ち出した。11歳以下までのチームは原則禁止とし、年齢が上がるごとに緩和させる>
<指針はあくまで監督やコーチら指導者を手助けする目的で作られ、義務ではない。試合では従来通り認められ、ルール変更もない。それでも頭部への衝撃を和らげるため「ボールの空気圧は基準の最低値を使うように」と記すなど、細やかな配慮がうかがえる。FAは「(指針は)『慎重すぎる』と責められそうだが、脳振盪(しんとう)などのリスクを軽減できるのならば、それでいい」。英国ではイングランドとスコットランド、北アイルランドが採用した>

 指針づくりの参考になったとみられるのが、2016年1月に導入された米国協会のガイドラインということで、アメリカの方が早かったみたいですね。イギリスより厳しい面もあります。

<11~13歳以下は練習時の制限を設定。10歳以下は練習と試合の双方で禁止し、試合中にヘディングした場合はファウルと同じ扱いで間接FKになる、とした。主要な大会では専門医を置き、脳振盪の疑いが出ると一時的な交代が認められるといった規定もある>

 敗訴したものの、米国の親たちが「サッカーをする5万人近い高校生が頭部外傷を負った」として、国際サッカー連盟(FIFA)などを相手取り提訴したことがきっかけとなったそうで、さすが訴訟大国アメリカといった感じ。一方、報道時点では日本の関心は薄いとされていました。これもお国柄、日本らしさといった感じですが、欧米が導入すると倣う傾向もあるため、今後は変わってくると思われます。

■2021/10/15 英断!日本が通常の交代以外に「脳振盪による交代」のルールを実施

 「ヘディング」という話ではありませんが、「脳振盪による交代」ルールの話をここに。
 <育成年代も含むJリーグの公式試合すべてで「脳振盪による交代」ルール実施へ | サッカーキング>によると、Jリーグは「脳振盪による交代」ルールを育成年代も含むJリーグの公式試合すべて及びプレシーズンマッチにおいて導入すると発表していました。
 良い対応だと思いましたが、Jリーグ独自というわけではないみたいですね。「国際サッカー評議会(IFAB)から通達のあった「脳振盪による交代(再出場なし)の追加における試行」について、選手の安全の確保を最大化させることを目的に、育成年代も含むJリーグの公式試合すべて及びプレシーズンマッチにおいて導入することを決定いたしました」とのことです。

<脳振盪は、頭を強く打つなどして、意識が飛んだり記憶を失ったりする脳の障害。これまでも危険な状態ながらプレーを続けるケースも多数あった。
 現行のルールでは、試合中に脳振盪が起こった場合には、選手を動かさず、ピッチ上で診断を行い判断することになっていた。しかし今回Jリーグが導入した脳震盪ルールでは交代が可能となる>
https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20210128/1173138.html

 交代の回数は「『脳振盪による交代』は、『通常の』交代の回数の制限とは別に取り扱われる」というのは良い点。交代枠を使うとなると、チームが交代を躊躇したり、選手が無理をしてプレーをしたりするおそれが高まるためです。
 ただ、「1試合において、各チーム最大1人の『脳振盪による交代』を使うことができる」というのは残念。無制限にすると、「脳振盪による交代」と偽った交代が出るおそれがあるため制限を設けたのだと思われますが、選手の安全重視という観点からは「1人まで」というのは、あまり良いルールではないと言わざるを得ません。