2023年10月2日月曜日

サッカーは安易に監督を変えすぎ 名古屋、チェルシー、大宮など

■2014/8/31 サッカーのクラブは安易に監督を変えすぎではないか?
■2022/01/19 名古屋が優勝&5位のフィッカデンティから9位長谷川健太に交代…
■2019/09/25 17年で20人!あのチェルシーも監督を安易に変えすぎという批判 
■2017/01/29 監督変えすぎ!1シーズンで8回の監督交代、今シーズンも3回目のパレルモ
■2017/02/17 15年で何と39回!監督変えすぎたクラブの会長がついに変わる
■2017/03/23 27人中14人が監督になったユベントスの2000/01シーズンプレーヤーたち



■2014/8/31 サッカーのクラブは安易に監督を変えすぎではないか?

 大宮が「21試合負けなしのJリーグ記録を樹立」ってのも未だに信じられないんですが、その後の低迷もすごいですね。<大宮、大熊監督ついに解任!10戦勝ちなし 鈴木統括部長も辞任へ- スポニチアネックス>(2014年8月31日12時48分)という記事が出ていました。

<大宮は12年シーズン終盤から昨季にかけて21試合負けなしのJリーグ記録を樹立。昨季リーグ戦前半戦を首位で折り返しながら、鈴木茂社長は「チーム内の一体感が保てなくなりつつある」として当時のベルデニック監督を8月に電撃解任>
http://news.infoseek.co.jp/article/sponichin_20140831_0091

 "その後、岡本武行GMの暫定監督を挟み、小倉勉TDが後任監督に就任"。しかし、"成績は上向くことなく、シーズン終盤には小倉監督、岡本GM、古矢強化部長の退任"することに。前半で首位だったのに、結局14位で終了するという悲惨な結果になります。
 今季は心機一転、大熊清監督、鈴木徳彦チーム統括本部長が就任、スカウトだった松本大樹氏が強化部長に抜てきという体制だったそうです。ところが、"現在10試合勝ちなしで18チーム中17位"という無残な結果に。降格目前です。

 結果出しているチームで監督(ベルデニック監督時代)を交代させるからこうなるんだ…と思いましたが、Wikipediaを読むと"第16節から第20節まで5連敗を喫すると、第20節の翌日の8月11日に監督を解任された"ということで、負けていた時期ではあったんですね。
 じゃあ、ファンも納得だったのかな?とも思いましたが、Wikipediaを読むとサポーターからフロント批判があったようです。また、<未だ謎多きベルデニック監督解任劇。“一体感”なき大宮が問われるクラブとしての資質>(フットボールチャンネル | サッカー情報満載! 2013年08月18日 text by 上野直彦)という、批判的な記事も見つかりました。

<監督交代となったベルデニック氏は、昨年6月に成績不振で解任された鈴木淳監督の後任として就任。守備を立て直し残留争いからチームを救った。また今季は7連勝と勝ち点を重ね、チームを初の首位へと導く。今年5月には64歳を迎えたJリーグ最年長の名将、サポーターや記者から誕生日をお祝いされるなど、人気の高い監督でもあった。
 13日、大宮アルディージャの鈴木茂社長は会見を行った。連敗中とはいえリーグ上位の成績で、しかもシーズン中の監督交代は異例。クラブのHPでは「一体感が保てなくなった」と語った鈴木社長、その言葉の真意とは何だったのだろうか>
http://www.footballchannel.jp/2013/08/18/post8204/

 会見を終えても 説明不足は否めず、多くの記者から不満が漏れたそうです。フロントの責任問題も指摘されました。そして、<いま最も問われているのは大宮のマネジメント力なのかもしれない。05年の昇格以降、毎年のように残留争い繰り返してきた大宮。組織として、次の段階への脱皮が急がれる>と海底んですよ。
 でも、結局この後もう1回また監督解任して、翌年もまた交代したわけですからね。どうしようもないですわ…。




■2022/01/19 名古屋が優勝&5位のフィッカデンティから9位長谷川健太に交代…

 名古屋グランパスが、カップ戦とはいえ優勝していたフィッカデンティ監督と契約延長せず長谷川健太監督に。リーグ戦も5位ですので悪かったわけではありません。なので、私は批判的な人事です。
 しかも、後任が結果出している監督だというのならまだしも、同じシーズンに成績不振でFC東京を辞任した長谷川健太監督ですから、余計説明ができません。FC東京はリーグ戦で9位で、名古屋の方がずっと良かったです。

 ただ、私がこの反応を見た2つのヤフーニュースの記事はどちらも好意的なコメント。今消えちゃったのであれですが、「守備的だから」みたいな感じだった記憶。バルセロナなど海外のビッグクラブの場合は守備的だと結果を出しても解任はありますが、名古屋はどうなの?という感じです。
 また、「これ以上は望めないから」というのもあった記憶ですが、それこそ戦績が悪かった長谷川健太監督ってのは説明できません。ほとぼりが冷めてからならわかったんですが、速攻で就任ですからね。最後は不振でしたが、長谷川健太監督は過去の実績があるので、間を空けての就任であれば納得してもらいやすい可能性がありました。

 私がこの反応を見た2つのヤフーニュースの記事はどちらも好意的なコメント…と書いたのですが、今見た<J1名古屋のフィッカ監督退任 長谷川監督が後任>(共同通信2021/12/9(木) 19:53配信)では批判的でした。

<この前フィッカデンティを連れてきた大森SDがクビになって今回の監督解任劇・・・・・・・・。いつもの事だが親会社の介入で内紛が起こってるのかもね>
<この成績で解任はないな。金払ってタイトル目指せば良いのに>
<この監督は名将ですよ 勿体ない>
https://news.yahoo.co.jp/articles/d16dfc1fc4339556e817b40a563aae9ff917297b/comments

 記事としては、<急転直下だったJ1名古屋・フィッカデンティ監督の交代劇…いささかの戸惑いも【記者の目】>(2021/12/10(金) 5:01配信)が批判的なコメントながらも、最後には理解を示す内容。やはり「これ以上は望めないから」といったところですね。

<20年に3位、21年に5位とリーグ戦で安定した成績を残し、ルヴァン杯も制した監督の交代は、常識を外れた動き。(中略)その顚末(てんまつ)にはいささかの戸惑いが残る。
 安定感の一方で、手詰まりの空気もどこかにあった。今季、ドロー覚悟で引いて守る相手に、手をこまねく場面も多かった。クラブ内部にも、局面を打開しきれない状態を危惧する向きは、見え隠れしていた>(グランパス担当・渡辺拓海)

 私が見た記事は例外だったのですが、今見ると、<フィッカデンティ監督電撃退任…J1名古屋、山口GMが“異例人事”の経緯説明 「成長しなければいけない」>(2021/12/9(木) 17:48配信 Football ZONE web)の反応もネガティブが優勢。いくつか賛同するものがあったものの、少なめでした。

<交渉が決裂したのなら仕方がない。ただファンの意見としては、理由が知りたい。実はお金がなく大赤字とか、マッシモ監督が高年俸を要求したとか、コロナで入場料収入が激減して大変を通り過ぎているとか、
納得はすべてにおいて優先する。ファンをファミリーと言うのなら発信すべき>
<マッシモでは川崎より上に行けないと判断したというのはわかる。ただ長谷川健太でそれがなし得るのかは甚だ疑問>
<成長しなければならないのは分かるけど長谷川監督へ交代することで「具体的に」どういった面で成長が促されるのか、についても話してくれないと不信感を抱えてしまうサポが多く出てしまうのではないかな?>
<山口GMの言う事は、まぁ勝負の世界では納得。しかしルヴァン杯取った監督を契約満了で手放す理由には少し無理があるかなぁ?それに加えて、次が長谷川健太さんでしょ?!まあ、悪くないとは思うけど、本音を教えて欲しいな!契約延長の条件が厳しかったとか、、、、。>




■2019/09/25 17年で20人!あのチェルシーも監督を安易に変えすぎという批判

  開幕から1分3敗のタイミングで、ワトフォードはハビ・グラシア監督を解任。オーナーのポッツォ・グループは2012年6月にワトフォードを買収した後、監督の首を次々に挿げ替え、7年でのべ10人の監督を使っています。
  2002年、チェルシーを買収したオーナーのロマン・アブラモヴィッチも、この点では負けず劣らずひどいです。17年で20人もの監督を起用しています。カルロ・アンチェロッティ(現ナポリ監督)のようにタイトルを獲っても、守備的すぎるとの理由で解雇の憂き目に遭った者もいるとのこと。
(チェルシーは愚策すぎる監督人事を反省せよ。早期解任に抱く疑問、真のビッグクラブになるためには?【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】 フットボールチャンネル | スポーツ | 2019年09月20日 粕谷秀樹より)
https://pex.jp/point_news/991c8e70a6bedce4e1b13dda38de65b8

 作者は現在評価されているチームや監督の過去の成績について、以下のように最初から良かったわけではなく悪かった時期があったことを指摘していました。ロマン・アブラモヴィッチさんは、忍耐力がなさすぎるということでしょう。

・ユルゲン・クロップ監督(リバプール)の一年目は8位、ジョゼップ・グアルディオラ監督(シティ)は3位に食い込んだものの、首位チェルシーには15ポイントもの大差をつけられている。
・トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督も、チャンピオンズリーグの出場権を得るまでに2年かかった。
・ボーンマスのエディ・ハウ、バーンリーのショーン・ダイシ両監督は、ともに8シーズン目を迎えた。両クラブの上層部は負けが込んでも妙なプレッシャーをかけず、現場を温かく見守ってきた。その結果、ボーンマスはボールを捨てないフットボールで一定の地位を築き、バーンリーのブレイブハートはビッグ6が手を焼くほどだ。


■2017/01/29 監督変えすぎ!1シーズンで8回の監督交代、今シーズンも3回目のパレルモ

 記事そのものは、セリエAのパレルモが、新監督にウルグアイ人のディエゴ・ロペス氏が就任したことを発表した、というもの。パレルモ、恒例行事の監督交代。過去2シーズンで11回目 2,001 YOU フットボールチャンネル | 2017年01月27日というタイトルの記事です。
 ただ、問題なのは、マウリツィオ・ザンパリーニ会長が短期間でたびたび監督の首をすげ替えることで有名なこと。パレルモは、今季も3度目の監督交代となっています。
 もっとひどかった昨シーズンは、実に8度の監督交代が行われました。計6人の監督が、復帰も含めて短期間で目まぐるしく入れ替わったという、めちゃくちゃなことになっていました。

 戦績が悪くて監督を変えているわけなのですが、監督を頻繁に変えることでまた戦績が悪くなるという面もあります。やり方をやっと理解したところでまた変更となるためです。
 なので、パレルモの1シーズンで8回の監督交代ってのは、驚異的な数ですね。あまりにも変えすぎです。パレルモは降格圏なわけですが、「鶏が先か、卵が先か」になっています。


■2017/02/17 15年で何と39回!監督変えすぎたクラブの会長がついに変わる

 …と書いていたら、パレルモの会長さんが変わるんだそうな。15年で39回監督を交代した名物会長がクラブ売却へ。最高記録は1季で8回交代 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年02月16日という記事が出ていました。
  イタリア『フットボール・イタリア』が報じたところによると、パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長は3月3日をもってクラブを売却する見通しだといいます。

 ザンパリーニ会長は2002年にパレルモを買収して以来、何と15年で39回の監督交代を行なっているんだそうな。2015/2016シーズン以外でも交代が多かったんですね。
 ザンパリーニ会長は当シーズンに解任した指揮官を再び呼び戻すことでも有名で、2015/2016シーズンにはジュゼッペ・イアキーニ監督とダビデ・バッラルディーニ監督、ジョバンニ・ボージ監督(下部組織監督)が1シーズンで2回監督に就任していたそうです。

 どう考えても良い会長さんには見えないものの、イタリア3部が主戦場だったクラブをセリエA常連チームに引き上げたという功績はあるとのことでした。



■2017/03/23 27人中14人が監督になったユベントスの2000/01シーズンプレーヤーたち

 2000/01シーズンというのは、ユベントスの黄金世代というわけではなく、ローマと争って優勝できなかったシーズン だそうです。
 ところが、このシーズンにプレーした27人中14人、実に半分以上が監督になっているといるというすごい年になりました。しかも、ジダンやコンテといった大成功している監督も輩出しています。

ジネディーヌ・ジダン レアル・マドリーで昨季チャンピオンズリーグ優勝
アントニオ・コンテ ユーベを率いてセリエAで3年連続優勝、チェルシーで現在1位
フィリッポ・インザーギ ミラン監督
イゴール・トゥドール 母国クロアチアやギリシャの名門クラブ、トルコのガラタサライ
パオロ・モンテーロ アルゼンチンのロサリオ・セントラル
フアン・エスナイデル スペインのコルドバやヘタフェ、J2のジェフユナイテッド市原・千葉
ジャンルカ・ザンブロッタ インドのデリー・ディナモス
チロ・フェッラーラ 中国の武漢卓爾
マルク・ユリアーノ、レッシオ・タッキナルディ、ミケランジェロ・ランプッラ、マルコ・ザンキ イタリアの下部リーグやユースチームなど
エドガー・ダーヴッツ 現役引退前にイングランド下部で選手兼監督
アチルソン 母国ブラジルで監督

 ついでに言うと、当時の監督は、カルロ・アンチェロッティ。現在もバイエルン・ミュンヘンというビッグチームを率いています。
 逆に、現時点でまだ監督の道に進んでいない大物選手としては、アレッサンドロ・デル・ピエーロやダビド・トレゼゲ、エドウィン・ファン・デル・サールが挙げられていました。

監督"14人"を輩出したユーベの2000/01シーズン組。日本で指揮を執る監督も フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年03月22日

 探せばこれ以上の例が出てくるかもしれませんが、これはなかなか象徴的だと思います。
  というのも、現在では落ちぶれたセリエAですが、当時は世界最高の呼び声が高い豪華なリーグでした。そして、その中でも特に豪華なメンバーを揃えていたクラブの一つが、ユベントスです。
 したがって、監督輩出の多さは、当時のリーグやクラブのレベルの高さを示しているものと思われます。