2023年9月22日金曜日

Jリーグがホームタウン制度廃止は誤報?地域密着を捨てるわけでもない

■2021/12/09 Jリーグがホームタウン制度廃止は誤報?地域密着を捨てるわけでもない



■2021/12/09 Jリーグがホームタウン制度廃止は誤報?地域密着を捨てるわけでもない

 2021年10月、「Jリーグ、ホームタウン制廃止へ」というニュースが出て、サポーターは混乱。ただ、これは誤報に近い感じですし、地域密着を捨てるわけでもないようです。どうも簡単に言うと、「今までは地元以外での活動が制限されやすい状況だったのを、地元以外での活動をして良いと明確化する」といった感じですね。

<地域密着の理念や各クラブが拠点地域に軸を置いて活動する『ホームタウン制度』は堅持しつつ、ホームタウン外でのマーケティング活動をしやすくするための議論をしている、という話だった>

J1鹿島アントラーズを運営するメルカリの小泉文明社長のツイート
<今のレギュレーションではホータウン外でのマーケティング活動が制限されており、例えばスポンサー企業が域外にある場合(J1では大型のスポンサー企業は東京など都市圏)一緒にイベントをすることも出来ないですし、パブリックビューイングなど、かなりの活動が制限されます>

 こうした話があったのは、『ホームタウン離れ』に直面するJリーグ。“地元にいない”サポーターとクラブの距離は埋められるのか | ハフポスト(2021年11月27日 07時00分 JST | 更新 2021年11月27日 10時46分 JST、濵田理央 中村 かさね )という記事。この『ホームタウン離れ』という言葉も恐ろしく聞こえるのですが、これも単に「地元以外のサポーターが多い」という、言い換えてみると、なんてことがない話です。

<Jリーグによると、ホームタウンに住んでいないサポーターの比率は、最も多いクラブで約75%に上る。
来年で開幕から30年目の節目を迎えるJリーグ。『ホームタウンにいないサポーター』の存在が当たり前となった時代に、Jリーグはどう適応し、進化するのか>

 Jリーグの出井宏明パートナー・放映事業本部本部長によると、ホームタウン以外での事業・マーケティング活動を制限するような規約・規定はこれまでもありませんでした。今までも禁止ではなかったのです。ただし、クラブ同士が「紳士協定」や「暗黙のルール」というような形で、遠慮し合う状況が続いてきたといいます。
 また、クラブ間で話し合って決める運用であったため、片方のクラブが拒否されると実現できなかったという説明もありました。わかりづらいのですが、他のクラブのある地域や近隣地域での活動をやろうと思っても、地元クラブに拒否されてしまう…といった感じですかね。ああ、記事でも後半で以下のような話が出ていましたわ。

<川崎市の等々力陸上競技場をホームスタジアムに持つ川崎フロンターレを例に考えてみる。仮に多摩川を挟んですぐの世田谷区で情報発信やイベント協力をしたいと思ったとしても、東京のクラブに遠慮してしまう。このような事象がこれまでは起きていた>

 「地域密着のためにこれはやむを得ない」と考えるのも一応アリかもしれません。ただ、実際のところ、このルールだと大都市有利となり、Jリーグの理念とはむしろ離れてしまいそうな感じ。人口が多い地域で宣伝活動ができない地方のクラブが不利になり、都市部にクラブが集中してしまいそうなルールだと感じました。
 記事の方では、<物理的な『ホームタウン』だけを前提とするファンサービスのあり方では、いまのデジタル時代やJリーグの実態にそぐわない>という書き方。特に新型コロナウイルスの流行のような状態になったとき、デジタルでの活動は重要になるでしょう。地元以外で活動できないとなると、壊滅的な打撃になりかねません。

 あと、そもそも海外のビッククラブの場合、国内の地元以外にファンが多いだけでなく、海外、世界中にファンがいますよね。マンチェスター・ユナイテッドなんかが典型です。このマンチェスター・ユナイテッドの人気が悪いものだと思う人は少ないでしょう。むしろJリーグのクラブも海外ファンを開拓すべきです。
 記事では、人の流動化や都市部への人口流出という社会背景から、“地元にいない”サポーターが増え、クラブのホームタウン外活動の必要性も増したという話もしていました。子供の頃からサポーターであったとしても、引っ越しというのは普通にありますからね。いろいろと現在のやり方では無理があったのかもしれません。