2023年9月25日月曜日

天皇杯でジャイアントキリングが起きやすい理由は主に3つ

■2021/11/30 FC東京昇プロ格逃したユース選手を集めた順大、雪辱を果たす
■2021/11/30 天皇杯でジャイアントキリングが起きやすい理由は主に3つ
■2018/06/07 天皇杯ジャイアントキリング 関西学院大がガンバ大阪撃破など
■2017/06/24 ジャイアントキリング!7部いわきFCがコンサドーレ札幌に勝利
■2017/06/24 伝統の天皇杯の価値低下…セルジオ越後が嘆く
■2017/06/24 ジャイアントキリングは日本だけじゃない 海外でもカップ戦の見どころに
■2017/07/14 いわきFC「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」
■2017/07/14 いわきFCが元Jリーガーを取らない理由
■2017/07/14 スポーツ用品メーカー代理店ドーム社が作り上げたサッカー
■2018/02/20  3部ウィガン、マンチェスターCに勝ちプレミアに無失点3連勝



■2021/11/30 FC東京昇プロ格逃したユース選手を集めた順大、雪辱を果たす

 2020年は新型コロナウイルス問題による変則開催でほとんど参加チームがなくて特殊だったのですが、2021年になって天皇杯名物のジャイアントキリングが復活。J1勢のFC東京、横浜F・マリノス、ベガルタ仙台がなんと初戦で格下チームに敗退しています。
 この関係で、<なぜ天皇杯で“ジャイキリ”が続出したのか…順大がFC東京、Honda が横浜F・マリノスを撃破>(2021/6/10(木) 6:21配信 THE PAGE)という記事が出ていました。最も話題だったのは、順天堂大学 VS FC東京でしょう。Jリーグ初期のファンには懐かしい「清水三羽がらす」対決でした。

<味の素フィールド西が丘で順天堂大学(千葉県代表)と対峙したFC東京は、1-1のまま突入した延長前半終了間際にPKを献上。これをFC東京U-18出身のMF小林里駆(2年)に決められ、クラブ史上で初めて大学生相手に敗れる屈辱を味わわされた。
 1982年度の全国高校サッカー選手権を制した清水東(静岡)の同期生で、大榎克己氏とともに“清水三羽がらす”として一世を風靡した長谷川健太、堀池巧両氏が初めて指揮官同士で対峙した一戦>
https://news.yahoo.co.jp/articles/adaa899a40a0b4b178e72eddf7bd631599b46539

 ジャイアントキリングが起きやすい理由の一つは、プロチームがベストメンバーでないということ。FC東京も全員入れ替えのスタメンでした。ただし、それでもプロに勝つのですから大したもの。また、苦戦したFC東京は途中から主力選手を出してきています。それでも負けたというのが事実です。
 さらに、またしてもドラマがあると思ったのが、順天堂大学には、PKをゴール右隅へ決めたMF小林里駆(2年)をはじめ、DF長谷川光基(4年)、MF寺山翼(3年)と順天堂大の先発メンバーにはFC東京U-18出身者が3人いたということ。全員がトップチームへ昇格できず、悔しさを募らせていた高校卒業時に「4年後に見返そう」と堀池監督から誘われていたそうです。見事に雪辱を果たしました。



■2021/11/30 天皇杯でジャイアントキリングが起きやすい理由は主に3つ

 天皇杯でジャイアントキリングが起きやすい理由は主に3つあると思います。1つは前述の通り、プロチームがベストメンバーでないということ。記事によれば、今回はほとんどJ1チームがメンバーを大幅に入れ替えた戦いだったそうです。
 ただ、そもそもプロに入る選手の方がハイレベルなのですから、これだけでは説明できないですよね。別の理由もあると考えられます。

 1つ目の理由と重なるところがあるのですが、2つ目の理由としては、メンバーの大幅入れ替えにより、コンビネーションに大きな問題が生じるということです。
 サッカーはコンビネーションが大切なスポーツ。有力選手が多数いるのに活躍できないクラブや代表というのはよくある話で、理解しやすいでしょう。

 また、3つ目としては、モチベーションに大きな違いがあること。アマチュアや格下のチームは、プロや格上のチーム相手にチャレンジしよう!という前向きな気持ちで頑張ります。
 一方で、格上チームは勝って当然のため、モチベーションが向上しない上に、「勝って当然」という空気が油断になったり、全く逆でプレッシャーとなったり…とマイナスに働くことも多いです。監督経験者も「やりにくい」という話をしているのを聞いたことがあります。

 メンバーの大幅入れ替えだけでは説明できない…というのは、連覇を目指す川崎フロンターレのまさかの苦戦です。今ダントツで日本一強い川崎フロンターレこそメンバーを入れ替えて大丈夫だろうと思ったのですが、なんとほとんどメンバーを入れ替えませんでした。にも関わらず、J3のAC長野パルセイロ(長野県代表)に敗退寸前まで追い込まれ、最後はPK戦の末に冷や汗ものの勝利を手にしたそうです。天皇杯が怖さがわかる話でした。


■2018/06/07 天皇杯ジャイアントキリング 関西学院大がガンバ大阪撃破など

 2017年に旋風を起こしたいわきFCは2018年も出たものの、 1回戦で宮城県代表のソニー仙台FC(JFL)と対戦し、1―2で敗れて姿を消しました。そのソニー仙台も2回戦で川崎フロンターレに敗れています。
  ただし、2回戦では別のジャイアントキリングが起きました。 関西学院大と対戦したJ1のガンバ大阪は87分に先制されるという大ピンチから2分後に追いついて延長戦へ。こういうとき流れは追いついた方ってこと多いのですけど、延長前半開始直後に勝ち越しのゴールを奪われ、そのまま1-2で敗れる結果に。   
 また、同じくJ1の名古屋グランパスもJFLの奈良クラブに敗戦。1-1で90分間と延長戦を終え、PK戦の末に敗れる結果ということで、やはり接戦でしたが負けは負け。情けないことになってしまいました。
(G大阪、関西学院大に敗戦! 名古屋もJFL奈良に敗れる。天皇杯で“ジャイキリ フットボールチャンネル | スポーツ | 2018年06月06日より)
 https://pex.jp/point_news/09b4020bfba3a4e114b8e6beebda490c


■2017/06/24 ジャイアントキリング!7部いわきFCがコンサドーレ札幌に勝利

 カップ戦の醍醐味は、大番狂わせです。天皇杯がリーグ戦の合間になって、メンバー温存が多くなり、以前よりジャイアントキリングが起きやすくなったかもしれません。でも、やっぱり興奮する話です。
 情けないっちゃ情けないのですが、今年もいろいろとありました。以下は左が勝利チームです。

<2017年6月21日の天皇杯2回戦>
筑波大学 ベガルタ仙台(J1)
いわきFC(福島県社会人リーグ1部。J1から数えて7部相当) 北海道コンサドーレ札幌(J1)
ヴァランラーレ八戸(JFL。同4部相当) ヴァンフォーレ甲府(J1)
AC長野パルセイロ(J3) FC東京(J1)

2017/06/25追記:スコアも追加

ベガルタ仙台 2-3 筑波大学
北海道コンサドーレ札幌 2-5 いわきFC
ヴァンフォーレ甲府 0-1 ヴァンラーレ八戸
FC東京 1-1[PK4-5] AC長野パルセイロ



■2017/06/24 伝統の天皇杯の価値低下…セルジオ越後が嘆く

 一方、サッカー解説者のセルジオ越後さんは、以下のように嘆いていたそうな。

「天皇杯は『こなすだけの大会』になってしまっているのが現実なんじゃないかな」
「時代は変わり、伝統のある大会の魅力は薄れてしまったと言わざるを得ないよ」

  さらに、ネットの反応は以下のような感じ。

「ベストメンバー規定が足枷になってターンオーバーしにくい側面がある」
「Jリーグが大学生に普通に負ける姿は見たくない」
「天皇杯以外に、リーグ戦・ルヴァンC・ACLと全試合に主力選手を出していたら疲弊するだけ」
「ファンもそんなに天皇杯が大事だというなら『天皇杯に向けてリーグ戦のメンバー落とせ』くらい事前に言ってたの? どうせ言ってないんでしょ?」
「Jクラブもやり繰りが厳しい中でも勝ちきった地方クラブ、大学に拍手。 やっぱりジャイアントキリングが天皇杯最大の見どころ」
( サッカー天皇杯はもう不要なのか J1クラブが続々敗北の理由 J-CASTニュース / 2017年6月23日 20時34分より)


■2017/06/24 ジャイアントキリングは日本だけじゃない 海外でもカップ戦の見どころに

  セルジオ越後さんは海外サッカーに疎いでしょうし、ネットの反応でもなかったのですけど、ジャイアントキリングは海外のカップ戦でもおなじみなんですよ。
 以前、うちでやっているJリーグはイングランド5部クラブを見習え!貧乏クラブの大金の使い道で出てきたイングランドの5部クラブがそうでした。この大会ではもう1チーム快進撃をしたところもありましたしね。
 なので、特別日本のサッカー界がおかしいというわけではありません。私はこれで良いと思います。

 ただ、過密日程を問題視して、どの試合も本当のベストメンバーを 組めるように改革するといった、前向きな提案でしたら、検討する価値があると思います。
 そういう反応も上記を見ると、なかったみたいなんですけどね。




■2017/07/13  いわきFCは負けたが、筑波大は2度目の大番狂わせ

 コンサドーレを破った7部相当のいわきFC。

北海道コンサドーレ札幌 2-5 いわきFC

 次の対戦相手である清水は破ることができませんでした。

 いわき 0-2 清水

 ただ、2回戦でJ1のベガルタ仙台に勝っていた筑波大学がまたやってくれました!

ベガルタ仙台 2-3 筑波大学

 今回の対戦相手は、J2のアビスパ福岡。しかし、J2で2位に位置していますので、J1に近い存在。終了間際には1点を返されたものの、FW中野誠也が2ゴールで見事勝利しています。

 筑波大 2-1 福岡
 (天皇杯3回戦でまたも“ジャイキリ”! 筑波大がJ2上位の福岡を撃破 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年07月13日 より)


■2017/07/14 いわきFC「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」

 札幌に勝ったいわきFCってかなりユニークだったみたいですね。いわきFCが示した異質の「フィジカル」。7部相当のクラブ、固定観念に抗う挑戦 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年07月13日 (取材・文:藤江直人)という記事がありました。

   清水エスパルスのキャプテン、FW鄭大世は以下のようにいわきFCを称えたと言います。

「敵ながらあっぱれでしょう。いい時間帯にああいう形で点を取れなかったら、正直、どうなっていたか。いやぁ、いいサッカーでした。本当に強かった。今後を応援したくなりました」

 では、いわきFCがどういうサッカーをやったのか?というと、フィジカルに特徴があるようです。
 そもそも7部のクラブがコンセプトをきちんと掲げている時点で驚きなのですが、このクラブが掲げるコンセプトというのが、「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」という7部らしからぬでかいもの。
 鍛え抜かれたフィジカルの強さを生かしながら、ボールを前へ、前へとしっかりつないでいくスタイルなんだそうです。

 フィジカルと言っても単に高さがあるという意味ではないみたいです。 むしろ高さで劣勢に立たされる展開になりました。
 しかし、背の高さで負ける 選手が、激しく体をぶつけ合って勝つといった場面などを見せて、清水相手に何度もチャンスを作ってみせました。
 記事では、以下のように書いています。

"体をぶつけられても崩れない体幹の強さ。チャンスの匂いをかぎ取るや、「3-4-3」の布陣から誰かれなく飛び出していく走力。ボールを力強く前へ運ぶ推進力も融合され、気がつけば互角の展開となっている"



■2017/07/14 スポーツ用品メーカー代理店ドーム社が作り上げたサッカー

 記事によると、アメリカのスポーツ用品メーカー、アンダーアーマーの日本総代理店である株式会社ドーム(本社・東京都江東区)が、東日本大震災からの復興や地域の活性化を掲げて、2015年12月にいわき市内に物流センター「ドームいわきベース」を竣工させました。
 この ドーム社は同時にサッカークラブを立ち上げると宣言。「株式会社いわきスポーツクラブ」を設立して、既に存在していたいわきFCというクラブの運営権を一般社団法人いわきスポーツクラブから譲り受けました。

 約20億円をかけて建設された商業施設複合型のクラブハウス「いわきFCパーク」には、最新のトレーニング機器が完備。J1でもなかなかお目にかかれない、至れり尽くせりの環境が整っているということで、お金もすごくかけています。
 ここで、ドーム社のノウハウを生かしたフィジカルトレーニングと、専門の栄養士のもとで管理された食事を1日3食しっかり取りながら、肉体を徹底的に強化するといったことをしているようです。練習時間の半分近くを、フィジカルトレーニングにあてているといいます。

 日本サッカー界には、日本人はもともと体が小さいがゆえに、必要以上に筋肉をつけてはいけないとする不文律があったといいます。
 なので、 「日本サッカー界のフィジカルスタンダードを変える」と言えるみたいですね。


■2017/07/14 いわきFCが元Jリーガーを取らない理由

 また、特徴的なのが、 「Jリーグの選手を取ろう、という意欲がない」(大倉智代表取締役)ということ。
 元JリーガーはJFAアカデミー福島から2014シーズンに加入したJ3のAC長野パルセイロで、2試合に出場している22歳の平岡しかいないそうです。
 これは年齢的な問題が大きいみたいです。以下のような説明でした。


「目指していく『90分間ノンストップで倒れない、魂のフットボール』を考えたときに、25歳、26歳の選手を取っても難しいので。どのように選手を育てるかが大事だし、その意味では高卒で(キャンバスが)真っ白な子を見つけていかないと」

 フィジカルガチガチなサッカーは正直好きじゃないのですけど、おもしろいコンセプトのクラブですね。今後に注目です。


■2018/02/20  3部ウィガン、マンチェスターCに勝ちプレミアに無失点3連勝

  セルジオ越後さんのために海外の例を紹介。イングランド3部ウィガンは、FA杯3回戦ではボーンマスを相手に3-0と完勝。続くFA杯4回戦のウェスト・ハム戦でも2-0の無失点で勝利。
 これだけでも驚きなのに、FA杯5回戦では、リーグでダントツ首位のマンチェスター・シティにまで、1-0で勝利。
 ボール支配率83%と圧倒されながらも、わずかな隙を突いて79分にゴール。29本のシュートを打たれながらも耐えきりました。すごいですね。