■2018/11/23 V・ファーレン長崎はなぜ奇跡だったのか?
■2018/11/23 高田明社長「大赤字はなんとかなると考えてた」
■2018/11/23 クラブにとって選手や監督以外に大事な意外なこと
■2018/11/23 V・ファーレン長崎はなぜ奇跡だったのか?
1年でのJ2降格が決まってしまったのであれですけど、V・ファーレン長崎の 奇跡のJ1昇格のときの「ジャパネット流改革」で苦境のJクラブが激変:日経ビジネスオンライン(2018年2月14日)という記事を読みました。
J1でも一時4連勝で9位とすごかったんですけどね。結局、長い期間最下位で降格が決定してしまいました。
さて、記事の方へ。なぜ奇跡だったのか?というのは以下のような理由。
・長年にわたって経営危機がささやかれ、前年の16年シーズンはJ2で15位に低迷。
・1試合当たりの観客動員数は数千人規模に落ち込み、累積損失は3億円以上に膨れ上がっていた。
・17年に入ってからはこれらの問題が表面化し、J1昇格どころかクラブの存続すら危ぶまれる状況だった。
・監督も選手も同じチームであり、変わっていなかった。
■2018/11/23 高田明社長「大赤字はなんとかなると考えてた」
記事を読んでまず驚いたのは、ジャパネットHDが100%子会社化していたこと。"村井チェアマンにも「100%にこだわりたいんです」という話をして、「地域に貢献するという方向性が合致していれば、それは大丈夫だ」という理解もいただきました"とのことですけど、本来、Jリーグの理念に合わないでしょう。どうかと思いますね。
さて、再建の話。「従来はスポンサーに無料のチケットをばらまいていたから、チケット単価が600円に届かず、経済的な観点からは大赤字」という状態だった長崎。
ただ、驚いたことに、前ジャパネットたかた社長で、V・ファーレン長崎・高田明社長は、「収支の問題は僕自身の経験からなんとかなると考えていました」とのこと。
そして、試合などで結果を出す上で、「私の役割はむしろ関係者やファンの人たちと向き合い、色々な話をして雰囲気を変えてきたということ」としていました。
この時点でもやっとした話ですけど、その後は理念や理想的な話で、具体的な話はなし。うーん、期待と違う話でした。もっと具体的に何をしたか?というところが知りたかったです。
後半のJクラブ変えたジャパネット、「長崎の夢」創る:日経ビジネスオンラインも読みました。こちらで何をやったか?的なところも以下くらいでした。
・「スポンサーを獲得するためのトップセールスでは、私が就任してから従前の3倍ぐらいスポンサーを増やすことができました」
■2018/11/23 クラブにとって選手や監督以外に大事な意外なこと
なぜ長崎が成功したか?といった話でおもしろかったのは、 Jリーグ・村井満チェアマンの方の話ですね。以下のようなものでした。
・一般的にはチームの人件費が高いクラブが安定的に結果を出すという正の相関がある。
・しかし、中には、お金をかけてないのに勝ち点1あたりの投資コストがすごく低いクラブや、逆に非常に高コストな金満クラブがある。
・スター選手や監督やコーチに投資をしっかりすれば生産性が高くなると思いがちだが、分析によるとそうではない。
・実はフロントの経営レベルがすごく現場の士気に影響を与えている。
「例えば、社長と副社長がけんかをしているといったことについて、選手はすごく敏感なんだそうです。選手というのは個人事業主ですから、経営者や監督が代わってしまうと、自分の人生も変わる可能性がある。あのオーナーは今の監督をどう見ている、こう評価しているといった情報を頻繁に交換していて影響を受けてしまう。そんな心配から解放されて、とにかく結果を出すことに向かっていける鉄板のチームワークを持っているチームは、素晴らしいパフォーマンスを発揮できる」(村井満チェアマン)
なお、「長崎が降格したからこれは嘘だ!」ってのは誤解ですよ。
まず個別事例では、全体の傾向を否定することはできません。
そして、この分析はそもそも、勝ち点1あたりの投資コストを比較したものであり、コストを多くかけることで、強いクラブを作ることは否定していません。経営レベルが低くても、そのデメリットを覆すほどのお金をかけられれば勝てるという話です。