2024年8月2日金曜日

14歳の選手を抜擢してブレイクさせたフベロ監督 ジュビロ磐田では苦戦?

■2019/08/27 ジュビロ磐田に来たフベロ監督はおもしろい
■2019/08/27 14歳の選手を抜擢してブレイクさせたフベロ監督
■2019/08/27 大きく開いた両サイドと長身FWがポイントのサッカー



■2019/08/27 ジュビロ磐田に来たフベロ監督はおもしろい

 低迷している真っ最中の立て直しというのは難しく、またタイプとしてもそういうのが得意ではなく、じっくりと長いスパンで見る監督のように見えますので、成功しない気がするのですけど、ジュビロ磐田に来たスペイン出身のフェルナンド・フベロ監督 はいろいろとおもしろいなと思います。
 私はサッカー選手としての良さと、監督としての能力は別だという考え。そういう意味では、優れたサッカー選手出身ではないという時点でおもしろいですね。選手としてトップレベルでプレーした経験を持たないだけでなく、プロ経験すらなし。生まれ故郷のカタルーニャ州の下部リーグでプレーしていた選手です。
 しかし、精神教育学の学位を持つインテリであり、サッカーの仕事はしていました。2003年からは地元のバルセロナBの分析担当や若手選手のオブザーバーを務めています。ただし、小学校教師としても働いていたということで、これまた異色の経歴です。また、2008年にはカタールが国策として取り組むサッカー選手育成組織「アスパイア ・アカデミー」で働き始め、世界中を飛び回って有望なタレントを発掘するスカウトとして活動していました。
(南米からジュビロ磐田へ、フベロ新監督とは何者か? 異色のキャリア、攻撃的戦術を徹底研究 フットボールチャンネル | スポーツ | 2019年08月23日より)
https://pex.jp/point_news/7f729f02a271675aed2fceff53335b83

■2019/08/27 14歳の選手を抜擢してブレイクさせたフベロ監督

 指導者として注目されたのは、2013年になってから。というか、ひょっとしたらそこまで監督経験はなかったのかもしれない、という書き方でしたね。
 前年の2012年からパラグアイ1部のグアラニでスポーツディレクターを務めていたフベロさんは、当時いた監督の退任にともなって暫定的にトップチームの監督に。その後、別の監督が1ヶ月ほど指揮したものの、結局、フベロさんに戻ってくる形で正式な監督となりました。グアラニでは就任してすぐのパラグアイ1部の前期リーグで2位になるなど、上位をキープ。その後のチームでもコンスタントに好成績を残しています。
 監督経験はなかったものの、前述の通り、スポーツディレクターでした。そして、長年若手選手の能力や才能を見極めるエキスパートとして働いてきたというのが強み。若手の才能開花に定評があるそうです。
 すごい例としては、「U-15の練習を見た際に彼と出会い、才能に目を惹かれてトップチームで練習するよう電話した」という当時14歳のフェルナンド・オヴェラールをデビューさせてウィングや2トップの一角としてブレイクに導いたというのがあります。
 精神教育学の学位を持つだけあり、精神面のマネジメントがうまいようでした。強面なんですけどね。



■2019/08/27 大きく開いた両サイドと長身FWがポイントのサッカー

 ピッチ上の戦術が特に奇抜なわけではなく、近年は4-4-2をベースに4-1-4-1なども使い分け、過去には守備時は5バックになる3-4-2-1も採用していました。ボールポゼッションをベースに攻撃的なスタイルで、攻撃力が評価されています。とはいえ、守備のリスク管理も考慮されており、実はこちらの方がポイントかもしれません。
 ここは個人的には好きではないものの、空中戦に強い長身ストライカーがいるというのが特徴の一つ。 2トップの場合、相手は小回りの効くタイプを採用します。
 近年のフベロ監督の戦術では、両サイドバックが大きく開いて高い位置を取り、ピッチの横幅を確保。速攻ではなくボールポゼッションをとるサッカーのようで、そのときには相手守備ブロックに中央を閉じられてしまうことが多いため、崩しのメインはサイドから。サイドをえぐってクロスを供給します。
 このため、ヘディングの強い選手は必須。また、こぼれても逆サイドのウィングか2トップの相方が2次攻撃を狙うということで、ここで大きく両サイドに開く意味が出てきます。
 また、 守備面でもこの大きく開いた両サイドは重要。危険な中央でボールを失うリスクを回避しつつ、サイドアタックで崩すというスタイル。論理的ですね。


■2019/10/12 降格争いの状態でやってきたジュビロ磐田ではやはり苦戦?

 ジュビロ磐田では「成功しない気がする」と書いたように苦戦。まだ降格は決まっていないものの、最下位のままでほぼ降格が確実な感じです。攻守に消極的なジュビロ磐田。2度目のJ2降格はもはや免れないか|web Sportiva(浅田真樹 2019.10.09)という記事も出ていました。
 記事では、「勝てないチームが見せる典型のような試合」を披露していると指摘。
 まず守備では、 しっかりと相手選手に体を寄せ、ボールに向かって足を出す積極的なプレーはなく、距離を取って消極的。勝てない試合が多いため、ボールを奪おうという気持ちより、自分のところでミスをしたくないという気持ちが勝り、結果的にボールを回されて消耗する形になったという意味のようです。
 一方、攻撃では、縦にテンポアップしないまま、サイドからクロスを入れるしかなくなることが多かったとのこと。ただ、これはこの記事でも「フベロ監督が志向するサッカー」と書いていたように、フベロ監督 の望むスタイルですので、選手だけの問題ではないところがあります。