2024年12月3日火曜日

コンサドーレ札幌降格 ミシャ・サッカーの限界が露呈した

■2024/12/03 コンサドーレ札幌降格 ミシャ・サッカーの限界が露呈した



■2024/12/03 コンサドーレ札幌降格 ミシャ・サッカーの限界が露呈した

 私の地元北海道のコンサドーレ札幌ファンの友達が「コンサドーレはJ2優勝回数が多い」と自慢していたのですけど、「それはJ1で成績が悪くて、J2降格が多いからこそでしょ」とツッコミたくなりました。あまり自慢できません。
 そんな風にJ2降格が定番で、J1昇格とJ2降格を繰り返していたコンサドーレ札幌が、ミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督になってから優勝争いするほど強くなった!と思っていました。ただ、改めて戦績を見てみると、良かったのは一年だけで、あとは普通に全部二桁順位。私の勘違いでした。かつてのことを考えると、すぐ降格しなかっただけで好成績ですけどね。

年度    順位
2018    4位(18)
2019    10位(18)
2020    12位(18)
2021    10位(20)
2022    10位(18)
2023    12位(18)

 ということで、なかなか降格しなかったコンサドーレですけど、2024年は久しぶりに序盤から「今年は降格間違いなし」という弱さを発揮。早々に降格決定を予期していたために、思ったより粘りましたが、最終的にはこの予想を覆す復活を見せることもなく、無事に降格が決まっています。やはり強いチームに変わったわけではありませんでしたね。

 この降格に関して、<コンサドーレ札幌が降格したのはなぜか 「ミシャらしい」サッカーの「光と闇」 | web Sportiva (スポルティーバ)>(2024年12月02日 13:52 更新    小宮良之)という記事が目に入りました。
 タイトルの時点で思ったのは、「おもしろいサッカーと勝てるサッカーは違う」ということと、「結局、ミシャサッカーは良い選手を集めないと成立しない」ということでした。

 本文を読んでみると、例えば、以下の部分は、「結局、ミシャサッカーは良い選手を集めないと成立しない」にあたりそうです。

<1点目の失点と得点に札幌の"闇と光"が見えた。
 前半8分、札幌は岡村大八がトルガイ・アルスランをマンツーマンで潰しに行っているが、果断さに欠け、ファウルを取られる。(中略)素早いリスタートから左に展開されると、どフリーからのクロスに、大外の加藤陸次樹のマークも見失い、簡単に合わされていた。
 ミシャが信奉するマンツーマンは、ひとつの綻びで他に混乱が生まれる。対面する選手に負けないことが、戦術運用の絶対条件だが、広島戦の札幌は、各所で個人として負けていた。その局面は敗北に直結したと言える。>
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2024/12/02/post_117/

 一方、以下の光の部分は、ミシャサッカーのおもしろさにあたるでしょう。

<一方、ミシャサッカーの真髄も見せた。
 前半42分、鈴木武蔵の一撃で1-1に追いついたシーンは象徴的だろう。やや勢いが止まった広島を押し込むと、手を緩めない。スローインから短いパスをつなぎ、間合いを測ったパスを、3人目として近藤友喜が裏に走って受け、そのクロスをニアで鈴木が合わせた。攻撃の連続性が感じられ、人とボールが動き、流れがあった。
〈スペースの占拠と撹乱〉
 それをトレーニングから繰り返しているのだろう。(中略)
 ミシャのサッカーは、常にボールにチャレンジし、ボールを運び、イニシアチブをとって相手を凌駕する。それをシステム化し、選手を啓発、覚醒させた。その結果、J1に6シーズンも定着させたのだ。>

 すでに降格が決まったモチベーションを保てない試合であるのと、広島との今季のパフォーマンスの差があり、1-5で大敗。負けて当然ではあります。
 ただ、他の失点も、パスをとられて失点を繰り返していたことが指摘されていました。パスを繋ぐことにこだわったミシャサッカーらしい失点だと感じます。失点が多いサッカーをするという印象がありますね。

 また、記事では今シーズンは選手の離脱が多かった割に補強が弱く、「戦力ダウンは否めず」「37節終了時点で66失点は2番目に多い数字で、守備の脆さは目立つ。しかし、目を引くのは、3番目に少ない42得点のほうだろう。攻撃的スタイルを標榜するチームとしては致命的だ(全34節の昨シーズンは61失点も、56得点だった)。」「極論すれば、得点力のある選手の欠如が響いたか」といったまとめに。
 これは私が書いた「結局、ミシャサッカーは良い選手を集めないと成立しない」ですね。おもしろい魅力的なサッカーではあるものの、弱いチームを劇的に活躍させるようなサッカーではなかったと思われます。
 まあ、前述の通り、なかなか降格しなかった時点で、コンサドーレ札幌の歴代成績としては「史上最高」で「史上最強」でしたので、十分弱いチームを活躍させた気もしますけど…。