2024年11月30日土曜日

本田圭佑らが突然SVホルンへの投資額を削減し、制裁金などの処分

■2017/10/09 メキシコ地震の寄付わずか300万円の本田圭佑に批判
■2017/10/09 本田圭佑らが突然SVホルンへの投資額を削減し、制裁金などの処分
■2017/10/09 オーストリアでは前代未聞の重大な問題発生
■2021/04/20 8億円集めた本田圭佑らのWEINファンド、内輪もめ対立で解散へ



■2017/10/09 メキシコ地震の寄付わずか300万円の本田圭佑に批判

 私は、有名人に寄付金を出すべきと言うべきだとは思わないですし、金額の多寡を批評するのもゲスだと思います。
 が、メキシコ1部パチューカの本田圭佑)がメキシコでの大地震を受け、メキシコ赤十字社に義援金として寄付した金額が、50万メキシコ・ペソ(約310万円)だったというニュースには、ずいぶん中途半端な金額だなと思ってしまいました。

  この金額のことはこれ以上言わないのですが、この金額が安い!と言われていた2ちゃんねるで、SVホルンに関する書き込みがあったことの方に興味を惹かれました。
 本田圭佑実質オーナー・SVホルン投資詐欺 - パンキナ~ロ本田圭佑まとめwikiにもまとめられていたもので、「本田の悪行~ホルン詐欺~」というタイトルです。

 これによると、 本田選手は、例によってビッグマウス的なほらを吹いていたようです。

「ホルンに関して5年のスパンでこのプロジェクトを考えています」
「1年で3部優勝、2部昇格、3年以内の1部昇格と優勝タイトル」
「そして5年以内のUEFAチャンピオンズリーグを目指します」

「小学生の子供たちのスクール、中学生年代対象のジュニアユース、幕張自社グラウンドで
高校生年代のユースチーム、 ベースとなるサッカースクールを三角形の底辺として、
ジュニアユース、ユースと上がっていき、ホルンを頂点として海外でプロ選手目指せる道筋を作ります。」

 Wikipediaによれば、買収というのは誤解だそうですが、こちらでは、理事会の過半数をホンダ・エスティーロ側の人間で占め決定権があり、実質オーナーだと説明。本田側が49%出資して、クラブの有限会社が設立されたそうです。
 地元報道によればホルンの予算は約200万ユーロ(約2億6,000万円)でした。

■2017/10/09 突然SVホルンへの投資額を削減し、制裁金などの処分

 ただ、地元での反応は賛否が分かれています。クリエ紙が本田の経営参加についてウェブ上でアンケートを行ったところ、「悲観的」という回答(32.1%)が、「素晴らしい」(29.8%)を上回りました。

 ある初老のサポーターは、「もし今年2部に上がれなかったり、近い将来1部に上がれなかったりすれば、途中で投げ出すに決まっている。 私は(ボランティアの人たちの援助で運営してきたこのチームに)日本人が関わることに反対なんだ」と言っていた(書いていた?)そうです。

 そして、こちらによると、実際にその悪い予感が的中した感じ。
 2017年4月27日、本田側が運営するSVホルンの公式HPで一方的にHONDA ESTILO株式会社からのSVホルンに対しての投資額(3年契約の残り一年分)が2017年夏から大幅に減ることを発表。
 また同時にサッカースクールのSVホルンを頂点とした組織図や進路説明がまるごと削除されたとのこと。

 深刻なのが、運営費用が足りなくなるといった財政難により、財政面に関する資料の不備が起き、提出期限をオーバー。50万ユーロまでの制裁金、勝ち点減点処分など懲戒戒告処分が下されたとのこと。
 決定権が旧経営陣に戻されボランティアの方々の協力を得ながら対応に追われているとされていました。


■2017/10/09 オーストリアでは前代未聞の重大な問題発生

 上記は出処が怪しいので、とりあえず、Wikipediaを見たのですが、 マスコミなどでも報じられており、大体正しいようです。

 まず、2017年4月27日、SVホルンのドイツ語公式HPをはじめオーストリアの各メディアがHONDA ESTILO株式会社からのSVホルンに対しての投資額が2017年夏から大幅に減ること、HONDA ESTILO株式会社がオーストリア・ブンデスリーガの厳しい規定を完全にクリアーすることは不可能という見解を示したことなどを発表。

 同時に、SVホルンはドイツ語公式HPで、HONDA ESTILO株式会社との業務提携前まで存在した経営面と組織面におけるクラブとしての自立を再び取り戻し、ボランティアなどの以前のクラブの強みを再び発揮できるように自省すると公表しました。取り繕った言い方ですが、要するに手を引いて以前の形にするということですね。

  懲戒処分があったのも事実で、財政面に関する資料の不備と刻限を過ぎての提出をオーストリア・ブンデスリーガのリーグ機構が根拠付けたことも発表されています。

 しかも、オーストリア・ブンデスリーガ・リーグ機構のヘロヴィツ取締役はSVホルンの状況について、前代未聞だと説明しています。

「これほど重大な提出期限の遅延はこれまで一度もなかったため、このような形で懲戒手続きが行われるのは前例の無いケースである、処罰措置としては戒告処分から50万ユーロまでの制裁金、勝ち点の減点まで考えられる。もし勝ち点の減点が決定した場合は来シーズンに該当する」

 うーん、日本への印象が悪くなっちゃいますね…。


■2021/04/20 8億円集めた本田圭佑らのWEINファンド、内輪もめ対立で解散へ

 その後実際に解散したというニュースはまだ見ていないのですが、本田圭佑や高岡浩三・ネスレ日本前社長らが立ち上げたスタートアップ投資ファンド「WEIN挑戦者ファンド」が解散すると報じられていました。今回に限って言えば、本田がそれほど悪いわけではない可能性があるのですが、本田が絡むものってトラブル多いですね。本田の対応そのものが悪いこともありますが、「えっ、それに手を出すの?」ということもやるので、見る目がないというのもあうんじゃないかと思われます。

 この「WEIN挑戦者ファンド」ですが、Wikipediaによると、「孤独・退屈・不安」といった21世紀の課題を解決するスタートアップや起業家への投資するのが目的とされていました。国内スタートアップ向けにウェルビーイングやオープンイノベーションに特化した投資を手掛けているともあります。カタカタばかりでよくわかりませんね。中身がなくてすっからかんっぽい感じがあります。
 ただ、魅力に感じる人も多かったようで、「WEINファンド」解散へ 起業家不在の混乱: 日本経済新聞(2021年2月25日)によると、約10の投資家から8億円の資金を集めていたそうです。

 ところが、前述の通り、解散する流れに。理由は、2020年末からファンドの運営を巡って代表パートナー間の対立が先鋭化していたためだとのこと。前述の本田圭佑と高岡浩三・ネスレ日本前社長が、健康管理アプリのFiNCテクノロジーズ創業者の溝口勇児さんにファンドを運営するWEINグループの経営から退くよう要求。溝口さんは拒否して、他の人が全員退任するという異常事態に。さらに、混乱をきっかけに、ファンドに出資した投資家も全会一致でファンドの解散要求しましたので、この時点で事実上の崩壊でしょう。
 WEINはそもそもこの溝口勇児さんが中心であった模様。ただ、溝口勇児さんにパワハラやマンションの改装費用など不透明な支出があり、それにより金融機関からの資金調達が難しくなっている…と他の人らが主張。一方、溝口さんはどちらも事実無根としており、真っ向対立。さらに、社内の連絡ツールを使えなくなって困ったとしており、暗にクーデターだと言いたいような感じでもあります。(日経新聞では一切名前が出てこないのですが、本田さん側に会社の乗っ取り経験者がいるため、一部で話題になっていました)

 言い分が食い違っており、どちらが悪いかは不明。ただ、これだけ対立してしまうこと自体が問題。大企業でも対立して大混乱はよくある話で、WEINだけの問題ではないですが、今回のケースは「対立して倒産(のような状態)」という混乱の極みまで行ってしまいました。日経新聞は「金儲け優先でガバナンス置き去り」といったまとめをしており(もちろん遠回しでそこまではっきりは書いていないのですが)、まさにそんな感じ。よく考えずホイホイ手を出してしまったこと自体が間違いだと思います。

2024年11月28日木曜日

大量補強は失敗する?マンチェスターユナイテッド、ACミラン、ジェフ千葉の例

■2018/12/21 サッカーの大量補強は逆効果 マンチェスター・ユナイテッドも失敗?
■2018/12/21 2年連続でガンガン補強してしまったファン・ハール監督
■2018/12/21 マンチェスター・ユナイテッド失敗の理由はいろいろ…
■2019/06/29 マンUのダメ監督が出てくる広告に、ファンの批判が殺到し削除
■2017/10/07 中国資本買収のACミラン苦戦、大量補強はサッカークラブを強くしない?
■2016/3/29(2020/10/21再投稿) 前代未聞の全員新加入スタメンのジェフ千葉 31人中24人退団で主力放出、19人加入
■2016/7/25 主力選手総入れ替えというジェフ千葉の実験は大失敗 関塚隆監督更迭で幕を閉じる
■2021/03/23 開幕スタメン11人中7人が新加入!大胆に変えたクラブとは…?


■2018/12/21 サッカーの大量補強は逆効果 マンチェスター・ユナイテッドも失敗?

 マンチェスター・ユナイテッドであまりうまく行かなかったファンハール監督。過去の記事を見ていると、うまく行かなかった理由の一つとして、私の持論である「選手変えすぎ」問題に絡むものが挙げられていました。

"新たな監督がチームに梃入れしようとする場合、選手の顔ぶれは変えずにシステムだけを変更するか、システムは従来のものを踏襲して選手を替えるか、いずれかの方法を採るケースが多い。理屈で考えれば選手を入れ替えつつシステムも組み替えるやり方もあるが、あまりにもリスクが大きいため、この方法を選択する監督は少ない。そして、ファンハールが選んだのは、この最もハードルの高い方法だった"
(ファンハールが見誤ったものは何か。システム変更、選手補強、プレミア。 - Number Web - 田邊雅之 2014/10/02 10:40より)

 なお、これ以外に、センターバックの補強を軽視したことを指摘されていました。

"選手の入れ替え方にも問題がある。ファンハールは攻撃的な選手としてファルカオやディ・マリア、中盤ではエレーラやブリント、ディフェンスラインにルーク・ショーやロホなどを獲得している。一見すると満遍ない補強に映るが、実はバランスは良くない。チームに残留しているメンバーを加えて考えれば、攻撃的な選手ばかりが多く、中盤以降は能力的にも経験値的にも明らかに見劣りする"

■2018/12/21 2年連続でガンガン補強してしまったファン・ハール監督

 ただ、Wikipediaでは、「既存の戦力が機能し4位でシーズンを終え、来季とチャンピオンズリーグプレーオフへの出場権を獲得した」として、2014-2015シーズンは及第点の評価。あと、選手の獲得は上記よりさらに多かった感じです。


"2014年夏の移籍市場において、選手の補強費用に約260億円を投じた。ワールドカップブラジル大会で準優勝に輝いたアルゼンチン代表DFマルコス・ロホとMFアンヘル・ディ・マリアを、ファン・ハール監督のオランダ代表監督時代の教え子のダレイ・ブリント、アスレティック・ビルバオからアンデル・エレーラ、サウサンプトンFCからルーク・ショー、移籍期限ギリギリになって、ASモナコからラダメル・ファルカオを獲得した"

 そして、2015-16シーズンにまたガンガン選手を入れていました。

"PSVアイントホーフェンから2014 FIFAワールドカップでオランダ代表の3位入りに貢献し、ファン・ハール監督の教え子でもあるメンフィス・デパイを始めとし、ASモナコからフランス代表FWアントニー・マルシャル、バイエルン・ミュンヘンからドイツ代表MFバスティアン・シュヴァインシュタイガー、サウサンプトンFCからフランス代表MFモルガン・シュネデルラン、UCサンプドリアからアルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロ、トリノFCからイタリア代表DFマッテオ・ダルミアンを獲得した"

 チャンピオンズリーググループステージ敗退、ヨーロッパリーグベスト16で敗退、リーグでも来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を逃すなどの成績不振で解任。FAカップでは優勝しているのですけど、良くない結果と判断された模様です。


■2018/12/21 マンチェスター・ユナイテッド失敗の理由はいろいろ…

 上記のように下書きしていたのですけど、このタイミングでモウリーニョ監督まで解任に。まとめられていた記事を見ると、失敗の理由はいろいろといった感じでした。

<デイビッド・モイーズ>
  モダンなサッカーを目指したファーガソン時代から一変、サイド攻撃一辺倒とも言える時代遅れのゲームプランで前時代的な戦術にシフトし崩壊。
<ルイ・ファン・ハール>
  2014/15シーズン夏に積極的な補強。まずまずの1年だったが、2015/16シーズンにも積極的な補強。Aカップこそ優勝を飾ったが、新規メンバーが振るわず、解任。
 <ジョゼ・モウリーニョ>
  2年目はまずまずの成績を収めたが、3年目はチームとして目指すべきサッカーが明確になっておらず、アイデンティティが完全に失われ崩壊。
(モウリーニョまでも…。マンUはどのように崩壊したのか。栄光からの転落を5つの時代で辿る【編集部フォーカス】フットボールチャンネル | スポーツ | 2018年12月20日より)
https://pex.jp/point_news/8fda518df4b195b596c5724b29dc094b


■2019/06/29 マンUのダメ監督が出てくる広告に、ファンの批判が殺到し削除

 ファン・ハール時代であり、彼を含めた以降の監督の失敗を踏まえていませんが、ファンとしては顔も見たくない? マンU前監督モイーズを使用した広告に苦情殺到、削除へ | (フットボールチャンネル 2014年07月24日)という記事がおもしろかったので紹介。
 マンチェスター・ユナイテッドの公式TV「MUTV」が、プレシーズン最初の番組で導入部の広告にデイビッド・モイーズ前監督を使用したことで、ファンから批判を受けて削除するということが起きたそうです。
 ただ、持ち上げていたわけではなく、「モイーズが王朝を崩壊させ、(引用者注:当時の監督である)ファン・ハールとギグスが再建を図るという内容」でした。これはこれで趣味悪かったですね。
 で、そのファン・ハールさんもさんざん。今でしたらファンは誰が一番失敗した監督だと選ぶのでしょう?




■2017/10/07 中国資本買収のACミラン苦戦、大量補強はサッカークラブを強くしない?

 中国資本による企業買収は、意外にうまく行っています。日本ではバッシングされることが多いものの、欧米の経済誌や新聞などは高い評価を与えていることが多いです。
 セリエAの名門ACミランも中国資本に売却されていました。そして、中国資本を使って大量補強。私は別にふーんくらいのもので、興味はなく紹介もしていませんでした。

 ただ、よく考えると、私はサッカークラブの大量補強はチームを壊してしまうとして、ネガティブな見方だったのでした。すっかり忘れていました。
 中国資本による買収を企業が歓迎する理由の一つは、こういう風にお金だけ出して好きなことをやらせてもらえるためなのですが、サッカーの大量補強の場合は従業員を総とっかえするようなもの。そんなんで、チームワークなんか良いはずがありません。
  日本ではジェフ千葉が、ACミランより極端な変更を行って、派手に失敗したことがあります。

 私がACミランの失敗について読んだのは、ミラン、未熟さ露呈し2連敗。大量補強の反動。モンテッラ監督の立場は厳しく フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年10月02日 という記事。
 この時点で、大量補強を図ったはずのミランは2連敗。この日は途中まで良かったものの、運動量が落ちた時間でガタガタっと崩れました。これが連携の問題ではないかと、作者の神尾光臣さんは見ています。

  以下のように、監督は早くもピンチだそうな。

"試合後、地元メディアは早速モンテッラ監督の苦境を伝えている。大量の新戦力を短期間のうちにまとめる作業はどの監督にも簡単ではないはずで、同情の余地はある。機能するまでには時間も必要だろうが、強大補強で期待を膨れ上がらせた周囲は待ってはくれない"

 ただ、 私は監督ではなく、補強したフロントの問題だと思います。大量補強でチームがまとまるはずがないのは、わかりきったことですからね。


■2016/3/29 前代未聞の全員新加入スタメンのジェフ千葉 31人中24人退団で主力放出、19人加入

  うまくいくかどうかは別として、嫌いなやり方だなと思いますね。<「24人退団19人加入」ジェフ千葉の実験はどう転ぶか|SPORTS セカンド・オピニオン|ダイヤモンド・オンライン  相沢光一 [スポーツライター] 2016年3月29日 >という記事が出ていました。
-----引用 ここから-----
 千葉は昨オフ、前代未聞のチーム大改造を行った。昨季の登録選手31人中、24人が移籍や契約満了、引退などでチームを去ったのだ。チームの4分の3がいなくなったことになる。それも出場機会に恵まれない若手ではなく、多くが主力としてプレーした選手。

 J2リーグは42試合が行われるが、そのうち39試合に出場して14ゴールをあげたネイツ・ペチュニク(大宮に移籍)をはじめ、39試合出場のキム・ヒョヌン(福岡)、36試合のパウリーニョ(湘南)、中村太亮(磐田)、35試合の大岩大貴(仙台)、金井貢史(横浜Fマリノス)などが退団。

 その代わり、19人が新たに加入した。主力をほぼ総入れ替えしたようなものだ。当然、試合に出場するメンバーは昨年とは一変した。開幕戦の徳島戦のスタメンは11人中、9人が新加入選手。第2節の岡山戦はそれが10人になり、第3節の横浜FC戦ではついにスタメン全員が新加入になった。
http://diamond.jp/articles/-/88642

-----引用 ここまで-----

 同じクラブから取ってきたわけでもないので、前所属クラブバラバラ。川崎が二人いるだけです。

 ただ、気に食わないことに、"5試合の成績は3勝1敗1分"。好調なのです。"多くが昨年J1のクラブに所属し、実力は認められていたものの層の厚さから出場機会に恵まれなかった選手"であることは指摘されていました。また、"日本代表だって寄せ集めだ"ともありました。とはいえ、代表だって少しずつチームを作っているわけですからね。毎年ゼロからやり直すわけじゃありません。

 一方、筆者はネガティブな指摘も二つ。

・クラブとして長いリーグ戦を勝ち抜くには選手同士が互いのプレースタイルや個性などを熟知している方がベター。
・サポーターにはクラブそのものを愛する思いとは別に選手に対する愛着もある。

 ただ、後者に関しては、"ホームゲームの平均観客動員数は昨年は10725人、今季は10013人と、そう大きく減っているわけではない"とのこと。誤差範囲ですね。おもしろくないものの、うまくいってしまうかもしれません。



 ■2016/7/25 主力選手総入れ替えというジェフ千葉の実験は大失敗 関塚隆監督更迭で幕を閉じる

 ジェフはむしろ好きな方のチームだったのですが、メンバー総入れ替えは気に食わなかったのでほら見ろ!という感じです。

  ジェフ千葉は考えられないメンバー総入れ替えということをやっています。主力とタイトルで書いたものの、本当ごっそり買えました。31人中24人ですからね。

 ジェフ千葉は昨年までも低迷していたので、このバカな補強方針のせいで低迷とも言いづらいものの、少なくともうまく行かなかったとは言って良いでしょう。

-----引用 ここから-----
J2千葉はなぜ昇格できないのか 降格後6年半で7人目の指揮官誕生 ― スポニチ Sponichi Annex サッカー
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/07/25/kiji/K20160725013034350.html

J2千葉は25日、関塚隆監督(56)が退任し、後任監督として長谷部茂利コーチ(45)が指揮を執ると発表。小倉勉ヘッドコーチ(50)と里内猛フィジカルコーチ(59)の退任も併せて発表した。

 クラブはリリースで「監督を交代する」という言葉を使ったが、関係者によると、関塚監督は3―4で敗れた24日の清水戦(フクアリ)後に「休養」という表現で事実上の解任を通告されており、44年ぶりのベスト4進出を果たした2012年ロンドン五輪でも関塚監督のもとでコーチを務めた小倉、里内両コーチは25日午前に解任通告を受けたという。

 勝負は結果がすべてだ。14年7月から千葉を率いていた関塚監督は、3年目を迎えた今季もここまで8勝9分け8敗でJ1昇格プレーオフ圏外の9位に低迷。最近10試合でわずか2勝にとどまっており、目標である8年ぶりのJ1昇格に向けて順調だったとは言い難い。[ 2016年7月25日 15:43 ]
-----引用 ここまで-----

 ただ、他のコーチらまでセットで解任というクラブの方針もよくわかりませんね。人いなすぎじゃありません? 記事では、潤沢な資金にも関わらず昇格できないなど、フロントも問題だとしていました。まだしばらくは千葉の昇格はないかもしれません。



■2021/03/23 開幕スタメン11人中7人が新加入!大胆に変えたクラブとは…?

 J1開幕スタメン、昨季最終節と比べてみました 11人中7人も変えた“超”大胆クラブは…【全20クラブ布陣図つき】 - Jリーグ - Number Web - ナンバー(2021/03/06)という記事があったので、「大量補強は失敗する」説を確かめるために、事前チェックして見ようかな?と思いました。ただ、「昨季最終節と比較」というのは微妙。開幕はベストメンバーであることが確実ですが、最終節は消化試合となって若手を起用して経験するなど、ベストメンバーでないことも多いためです。
 そういった細かいところは抜きにして、とりあえず、大量補強したチームの話を。浦和・名古屋は、「新監督招聘or大型補強も、昨季在籍組が健在」という形。大量補強で失敗パターンはきちんと定義していないのですが、このケースはそこまで大崩れしないんじゃないですかね。とはいえ、変化ありきで拙速に変えていく中で崩れていく…という可能性はあるかもしれませんね。崩さずに変えていけるかどうかは、監督の腕の見せ所でしょう。
 わかりやすく変化していたチームとしては、「選手も監督も布陣も変化/代表例:清水・仙台」となっていました。エスパルスの場合、公式戦初戦でスタメンに並んだ新戦力はなんと7人だったとのこと。新しい選手ですから、間違いなく変わりました。ただ、「GKの権田修一から最前線のチアゴ・サンタナまで、よくぞ2カ月でチームとして仕立てたものだと感じた(さらに成熟させるのだろうけど)」としており、記事の評価はたいへん高い評価。失敗しそうにない感じですね。


2024年11月26日火曜日

青森県出身のサッカー選手は少ないが、柴崎岳がいる

■2021/02/18 青森県出身のサッカー選手は少ないが、柴崎岳がいる



■2021/02/18 青森県出身のサッカー選手は少ないが、柴崎岳がいる

 Wikipediaの青森県出身選手を見ると、少なすぎてびっくり。だいぶ漏れているんじゃないですかね。私が想定していた有名選手は、日本代表の柴崎岳。柴崎岳と同じく鹿島にいて、タイプは全然違いますがポジションもほぼ同じ熊谷浩二も青森県出身だったみたいですね。熊谷浩二はすごく期待した選手でかなり好きでした。
 ベスト11を作ろうとすると困るポジションはたいていGKなのですが、なぜか青森県は余裕。最初、目についた櫛引政敏を持ってこようとしたのですが、もっともっと活躍した飯倉 大樹もいました! ただ、飯倉 大樹のページを見ると、出身地は神奈川県横浜市となっており、青森県とも青森市とも記載がありません。検索してみると、公式情報などで青森市出身の記述が見られます。キャリアの最初の小学生時点ですでに神奈川なので、神奈川県出身と言っているときもあるのかもしれません。「出身地」というのは、このように解釈の幅がありますからね。
(2023/06/14:一部選手の情報を追加)

GK    飯倉大樹(ヴィッセル神戸、青森市) J1     255
LSB    佐藤昌吉(元大宮アルディージャ)J     24 JFL     30 J2     13
DH    熊谷浩二(鹿島アントラーズコーチ、十和田市)J1     116     日本代表候補
DH、SH    柴崎岳(鹿島アントラーズ、野辺地町)J1     174 スペイン     29 代表49


GK    櫛引政敏(モンテディオ山形、青森市) J1     59
MF    手倉森誠(V・ファーレン長崎監督、サッカーU-23日本代表監督、五戸町)JSL1部     15 JFL     47
    手倉森浩(元モンテディオ山形コーチ、五戸町)
    下平隆宏(横浜FC監督、元日本代表、五戸町)
    古川毅(横浜FCコーチ、五戸町)
    原崎政人(V・ファーレン長崎ヘッドコーチ、藤崎町)
    田端秀規(元ジュビロ磐田、現ソニー仙台FC監督、十和田市)
    小原由梨愛(アルビレックス新潟レディース、十和田市)
    小林悠(川崎フロンターレ)
    高橋勇菊(元東京ヴェルディ、現カターレ富山U15監督、五戸町)
    成田星矢(コバルトーレ女川、七戸町)
 DF   繁田康平(ラインメール青森、弘前市) JFL    0
MF    石ヶ森荘真(ヴァンラーレ八戸、八戸市)J3     3
MF   中村有(大分トリニータヘッドコーチ、ベルマーレ平塚)J    0
不明    武藤覚(アビスパ福岡アシスタントコーチ、選手としては筑波大学)

2024年11月23日土曜日

松木安太郎氏のサッカー解説は好き?嫌い?意外な調査結果に

■2021/02/24 松木安太郎氏のサッカー解説は好き?嫌い?意外な調査結果に
■2017/02/16 一番うまい解説者は岡田武史、岡野俊一郎元JFA会長が語る


■2021/02/24 松木安太郎氏のサッカー解説は好き?嫌い?意外な調査結果に

 うまい解説者で検索したら、“居酒屋応援スタイル”の松木安太郎さん 「ふざけたロスタイム」は心の叫び - スポーツナビ(2020年8月13日)という記事がヒットしました。
 松木安太郎さんは、同じ読売(ヴェルディ川崎、東京ヴェルディ)の後輩・都並敏史さんがラジオ番組で「自分の前の読売クラブの宴会部長」といった発言をしていた明るいキャラクター。都並敏史さんはラジオと違って、サッカー解説ではむしろ他の人より生真面目な固い解説で驚いたのですが、松木安太郎さんは解説でもおちゃらけたキャラ。そのキャラがわかっているので私は許せますが、サッカーファンにはむしろ嫌われている解説だろうと思いました。私も正直好きではないですね。どちらかと言われれば、嫌い…といったくらいです。ただ、地上波とそうじゃないところである程度解説スタイルを変えているというファンの評価を聞いたことがあるので、一般の視聴者には好かれるかもしれませんけどね。
 …とタイトルを見た時点でここまで思ったのですが、本文読んでびっくり仰天。サッカーファンが選ぶ「好きなサッカー解説者ランキング」で2位に輝いたのこと。えっ、マジで!? むしろサッカーファンにも人気なのか…と驚きました。ちなみにスポーツナビでは1位が明記されておらず、探しても発見できない状態。無料では見せていないのかもしれませんが、見つけたら追記しますね。

 さて、記事の内容ですが、やはりアンチが多いという私の理解による質問がされていました。<松木さんの解説は視聴者の代弁と言いますか、“応援スタイル”と言われています。2位という結果からも分かるように、多くの方から支持されていますが、一方で、「あんなの、解説じゃない」という声を耳にすることもあるのでは?>とインタビューアーが質問しています。
 松木安太郎さんも「もちろん、いっぱいありますよ(笑)」とこれを肯定。「ただ、僕は常々思っているんですけど、世の中、10人が10人、良いと言ったら、疑ったほうがいい。4人くらいは嘘をついているんじゃないかと。評価してくれるのは嬉しいですけど、アンチの人も必要。僕は5対5くらいがちょうどいいと思っているんです」とのことでした。

 解説スタイル的には、もともと書いていた話(後述)の岡野俊一郎さんが登場。岡野さんは偉大でしたね。<子どもの頃にダイヤモンドサッカーで岡野俊一郎さん(故人)の解説を聞いていたので、サッカー解説がどんなものかはイメージ>していたといいます。ただし、何しろサッカー後進国の日本は、解説もそもそも手探り状態。当時はJリーグが誕生したばかりで、サッカーについて詳しい人が少なかったですから、こんなに素晴らしい競技があるんですよ、みなさんも楽しんでください、という気持ちだった…といいます。そして、今も「万人に伝わるように」というのがベースだとのこと。なので、ああいう賛否両論あるスタイルになったようです。
■2017/02/16 一番うまい解説者は岡田武史、岡野俊一郎元JFA会長が語る

  元JFA会長の岡野俊一郎さんは、レベルの低い解説者に対して苦言を呈していました。

 岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー(その3)TV中継に何が必要で、何が欠けているのか? | フットボールチャンネル | サッカー情報満載!
2014年07月23日(Wed)10時46分配信
text by 藤江直人

 一方で、ブラジルW杯で「さまざまな解説者が日本の試合に登場していましたけれども、一番上手かったのは岡田武史ですね」と評価していました。

「Jリーグも20年を超えて、中継数に比例するように解説者の数も増えてきた。各々に個性があり、語り上手な人も多い。その中でも岡田は圧巻だった。監督の心情やチームの雰囲気といった点を実に的確に解説していた。W杯のベスト16を戦った監督のものの見方の素晴らしさと言えばいいのか。本質的な部分を勉強して、経験を積むことで、成果というものが出てくる」

 金子勝彦アナウンサーは、「韓国の洪明甫監督の心中に触れた言葉には、思わず胸を熱くさせられました」としていました。
 その前の部分で、岡野さんは、「自分がどのような経緯で解説者を務めているのかということを、いま一度考えて欲しい」「自身の立場を十分に理解していれば、体験に基づいた解説もまた違ってくる」と言っていました。
 なので、監督経験者としての気持ちを伝えられるってのが良いという意味かな?と。必ずしもテクニカルなことを求めているわけではないようです。
 ちなみに、初めてサッカーの解説を務めたときに、デットマール・クラマーから試合前にもらったアドバイスは、「センテンスは短く、しゃべりはチャーミングに」だそうです。

2024年11月21日木曜日

15歳でゴール、森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの

■2020/03/14  15歳でJリーグ最年少デビューと最年少ゴールの森本貴幸
■2020/03/14 セリエA・カターニアでも結果を出したのは計算通りだった
■2020/03/14 森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの
■2021/03/17 森本貴幸がパラグアイで飲酒運転でひき逃げし逮捕される



■2020/03/14  15歳でJリーグ最年少デビューと最年少ゴールの森本貴幸

   川崎フロンターレの試合のテレビの解説で、三好康児について10代でこれだけできるってすごい!といった感じで、褒められていたことがありました。これに異存はなかったのですけど、複雑な気持ちになったのが、同じ試合のフロンターレのベンチに森本貴幸がいたこと。彼はもっと若いうちから活躍していた選手でした。それがその後は…といった感じで、伸びずに消えてしまいましたからね。日本ではよくあります。ただ、森本貴幸の場合はそれが海外で起きました。

  Wikipediaによると、神奈川県川崎市宮前区出身でヴェルディジュニアユースに所属していた森本貴幸は2004年、オズワルド・アルディレス監督(当時)によってトップチーム帯同へ。そして、中学卒業直前の3月13日、Jリーグ公式戦のジュビロ磐田戦(アウェイ)に後半6分から出場し、当時Jリーグ史上最年少の15歳10ヶ月6日で公式戦出場を果たしました。
 さらに5月5日の第8節のジェフ市原戦で途中出場から決勝点を決め、15歳11カ月28日というJ1最年少得点の記録保持者(当時)となりました。
 その後、シーズン終了までに計4得点を挙げ、同年のJリーグ最優秀新人賞を獲得。これも史上最年少(16歳)での受賞となっています。


■2020/03/14 セリエA・カターニアでも結果を出したのは計算通りだった

 その後すぐダメになったわけではなく、セリエAのカターニア移籍後も良かった時期がありました。代表にはほとんど呼ばれなかったものの、私はもっと評価されて良い選手だと思っていました。好きなタイプではないんですよ、正直。ただ、前線でも体を張るなどしてしっかりとしたプレーができて、シュートの場面でも年に似合わない落ち着きも感じられました。
 Wikipediaによると、カターニアへの移籍後しばらくの間はユースチームでプレーしていて、そこでゴールを量産したことが認められ初出場。いきなりゴールを決めています。
 06年、森本貴幸。完璧だった怪物への道、突如暗転…若き天才の芽はなぜ潰えたのか | フットボールチャンネル(2019年07月05日(Fri)10時56分配信)によると、クラブが久々にセリエAに復帰して戦う中、急成長を続け主力にもなる彼は、地元出身の選手であるかのように人気を集めたとのことでした。

 また、実績を挙げた選手が海外に移籍する、というこれまでの日本人選手のヨーロッパ移籍パターンと森本貴幸が異なっていたのには、カターニア側の狙いがありました。
「今まで来た日本人選手は、日本のサッカーのルールの中で研鑽を積み、完成された状態でやってきた選手たちだ。それはリスペクトすべきものだが、そこから全く違うイタリアサッカーに順応するのは難しくなる。ならば才能のある選手を若いうちに獲得し、順応への時間を与えることが成功の道につながると我われは考えた」(入団会見で、ピエトロ・ロ・モナコGM)



■2020/03/14 森本貴幸は早熟?大成しなかった理由として考えられるもの

 では、なぜ森本貴幸はダメになったのでしょう。記事では、 <度重なるケガに泣かされたこと、またエースの重圧に苦しんだことなどに左右された>としていました。
 ただ、怪我に関して言えば、1回目も2回目もの怪我復帰後は良い結果を残しています。まず問題だったのは、後者の精神面のようでした。

<監督は森本をエースとして使うが、チームとして結果が出なくなる。すると、その責任を森本が背負いこむようになってしまった。実際彼自身もシュートチャンスを外してしまい、試合に勝ちきれない原因となってしまう。すると試合後地元メディアに対して「勝てなかったのは僕のせいだ」と言い出した。自責の念が強いのは日本人として自然なところではあるが、イタリア人にとっては衝撃と取られた。。チームもクラブもメディアも、森本のことを心配するようになってくる>

  そこでチームは「森本を休ませるため(ロ・モナコGM)」として、マキシ・ロペスを獲。ところが、マキシ・ロペスが活躍しすぎて、森本貴幸の居場所がなくなってしまいました。
 さらにその後は 再び故障にも悩まされるようになってきます。怪我はここからが問題でしたね。靭帯のケガは筋力のバランスを崩し、様々なところに影響を及ぼすといわれるそうですが、その通りのことが森本に起こったとのこと。2011年1月には膝を手術しましたが、その後、キレが戻ることもありませんでした。
 また、「ケガをしても痛いと言わない。だからこちらから止めないと彼はプレーをやめない」と監督をはじめクラブ関係者は常々心配していた時代もあったとのこと。これは再び精神面の話ですね。本人の責任感の強さが裏目にでるような顛末になったことを、カターニアの人々は今も残念がっているとされていました。



■2021/03/17 森本貴幸がパラグアイで飲酒運転でひき逃げし逮捕される

 32歳となった森本貴幸選手は今、サッカーのパラグアイ1部スポルティボ・ルケーニョに所属しているみたいですね。で、そのパラグアイの首都アスンシオン市内で車を運転中にひき逃げ事件を起こし、警察に逮捕されたとのこと。アルコールも検出されており、飲酒運転だったようです。

 地元メディアは森本選手側が医療費などの賠償を申し出ていると報じたものの、そもそもひき逃げ事件ですので、最初から潔い態度であったわけではありません。森本選手の車はバイクと衝突し、バイクの運転手は負傷したものの、森本選手は救護せずに現場を去り、その後、目撃情報などで逮捕された…という経緯だとのこと。なお、在パラグアイ日本大使館によると、保釈金を支払ってすでに釈放されたそうです。
(サッカーの森本選手、ひき逃げ容疑で逮捕 パラグアイ: 日本経済新聞 2021年3月17日 より)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC1721N0X10C21A3000000/

 日本のサッカー選手では交通事故を起こした後、以前の輝きを取り戻せなかった選手が何人かいたことも気にかかります。とはいえ、下手すれば相手を死なせていた可能性があり、反省なしでケロッと良いプレーを続けられてもそれはそれで複雑な気持ちになりますけどね。日本のクラブでは、こうした不祥事というのは解雇となるのですが、パラグアイの場合はどうなのでしょうか。

2024年11月20日水曜日

サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督

■2021/02/28 サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督
■2017/02/22 男子プロ初のリーグ優勝女性監督チャン・イェンティン 香港のイースタンを率いる
■2017/03/18 世界の女性監督 パトリシア・パニーコ、コリンヌ・ディアクル
■2017/05/15 チャン・ユエンティン氏、監督就任の経緯
■2017/05/15 科学的で研究の裏付けがある指導法のチャン・ユエンティン監督
■2017/05/15 イースタンSCと川崎フロンターレの感動のエピソード
■2017/06/24 ドイツ一部で初の女性スカウトと初の女性主審 ヘレナ・コスタ元仏2部監督とビビアナ・シュタインハウス氏


■2021/02/28 サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督

 JFL・Jリーグを含めて、「日本サッカー史上初めて」という言い方がされていますが、日本初の外国人女性監督は、鈴鹿アンリミテッドのスペイン人女性のミラグロス・マルティネス・ドミンゲス監督。招聘当時まだ33歳であり、これまではスペイン国内で指導してきたとのことで、実績があったわけではなさそうなんですけどね。
 これを紹介した記事JFLで史上初の外国人女性監督が誕生…世界で実績を残してきた女性たち | サッカーキング(2019/3/16)では、他の女性監督も紹介していました。うちでもともと書いていたチャン・ユエンティン監督以外の人を短めにまとめて引用します。

コリーヌ・ディアクル 国籍:フランス
<現役時代にフランス女子代表DFとして121試合に出場し、キャプテンまで務めたプレーヤー。(中略)2014年6月にリーグ・ドゥ(フランス2部)のクレルモン・フットの監督に就任。欧州のプロサッカーリーグで初めて、男子のクラブを率いて公式戦を戦った女性になった。すると就任初年度はリーグ12位、2年目は7位という好成績を残し、『フランス・フットボール』誌が選出する2015年のリーグ・ドゥ最優秀監督にも選出された。この活躍が高く評価され、2017年8月からはフランスの女子代表チームを指揮>

エレナ・コスタ 国籍:ポルトガル
<ベンフィカの男子ユースチーム、カタール女子代表、イラン女子代表などで指揮官を務めたあと、2014年5月にクレルモン・フットの監督に就任。欧州の男子プロサッカー界で初めて監督に任命された女性とあって、当時は世界中から大きな注目を集めた。しかし、(引用者注:シーズン開幕の)わずか1カ月でクラブとの契約を解除。(中略)ブンデスリーガ初の女性スカウトとしてフランクフルトに入団>

イムケ・ビュッベンホースト 国籍:ドイツ
<ドイツサッカー史上初めて、男子チームを率いる女性監督がイムケ・ビュッベンホーストだ。U-19世代の欧州王者に輝いたこともある彼女は、ドイツ5部リーグに在籍するBVクロッペンブルクの女子チームで選手兼コーチとして活躍していた。だが、男子チームの監督が他クラブへ“移籍”したため、昨年12月から後任を務めることに>

パトリツィア・パニーコ 国籍:イタリア
<約20年間にわたってイタリア女子代表でもプレー。同国女子代表の最多出場記録と最多得点記録を保持する、(中略)2016年の現役引退後、イタリアU-16男子代表のアシスタントコーチに就任。翌年には監督に昇格し、イタリア男子サッカー界初の女性指揮官となった。昨年8月からは同U-15男子代表の監督を務めており、“カルチョ”の復権に向けて日々尽力している>

■2017/02/22 男子プロ初のリーグ優勝女性監督チャン・イェンティン 香港のイースタンを率いる

 そういえば、女性監督とかコーチとかって、全然聞いたことなかったですね。
 残念なことに、サッカーにおいては、ときどき性別的な役割などについて時代錯誤な主張をする人がいます。指導者の性別の偏りもそういったものなのかもしれません。

ACL初の女性監督、名将フェリポンに挑む。3月に川崎Fと対戦 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年02月21日

 記事そのものは、2017年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、大会史上初の女性監督が誕生するというもの。
 ただ、香港のイースタンを率いるチャン・イェンティン監督は、それ以前に勲章を持っています。

 「男子プロサッカーチームをトップリーグで優勝に導いた初めての女性監督」としてギネス世界記録です。

 記事によれば、2008年から13年にかけて女子香港代表選手だったチャン監督は、2015年12月にイースタンの監督に就任。そして、2016年4月には、チームを香港プレミアリーグ優勝に導いたとされていました。

 就任から優勝が短いですね。途中交代での就任でしょうか?

 ここらへんの経緯を知りたかったものの、全然情報なし。
 あと、これを調べていて「イースタン」というシンプルな名前は現地だと「東方」という表記っぽいことがわかりました。これまたシンプルです。
 ただ、「イースタンSC」の表記もあります。「SC」はサッカークラブだと思ったら、「Eastern Sports Club」みたいです。
 そして、こちらは漢字表記だと、「東方體育會」みたいです。えらく難しく見えますが、たぶん日本では旧字とされているものというだけで、現代の日本語表記だと「東方体育会」。結局、シンプルでした。


■2017/03/18 世界の女性監督 パトリシア・パニーコ、コリンヌ・ディアクル

 本来イタリアU-16代表を指揮するダニエレ・ツォラート監督がU-19代表の欧州選手権予選に帯同するための代理という形ですが、イタリアU-16代表対ドイツU-16代表の親善試合で、パトリシア・パニーコ氏がイタリアの監督としてベンチに座るそうです。
  イタリアで世代別を含めて男子の代表チームを女性が率いるのは初めて。ただ、それだけでなく、 ヨーロッパ強豪国の男子代表チーム初の女性監督のようです。

 彼女は、1975年生まれの42歳。元選手であり、イタリア女子代表として204試合に出場して110ゴールを挙げ、同国の女子代表最多得点記録を保持、2015年にはイタリアサッカー殿堂入りも果たしたレジェンドでした。

 女性がイタリア男子U-16代表監督に! ドイツとの親善試合でベンチ入りへ フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年03月17

 記事では他に前述のチャン・ユエンティン監督の名前がありました。さらに、フランス2部のクレルモン・フット63でコリンヌ・ディアクル監督が辣腕をふるっており、女性指導者が男子トップレベルの選手を指導するケースは増えてきている、ともありました。

 ビジネスや政治や研究などがそうであるように、女性が活躍できないということはありませんから、今後こういったことは増えていくでしょう。
 国際的な学力テストの成績や大学進学率を見ると、 女性が上回っていることが一般的であり、むしろ女性の方が能力が高いかもしれません。

 ただ、前回書かなかったネガティブなことも書いておきます。同じ功績、あるいは、同じ失敗であったとしても、それが男性か女性かによって、大きく評価が変わることが多くの研究からわかっています。
 全く 同じ内容であっても、女性の方が男性より低い評価しかもらえない上に、問題があった場合は激しく叩かれ厳しい罰を与えられるのです。
 スポーツの世界は特に遅れていますので、女性監督らの未来はかなりの困難が予想されます。


■2017/05/15 チャン・ユエンティン氏、監督就任の経緯

  チャン・ユエンティン監督のインタビュー記事がありました。

ACL初の女性監督が語る指導者論。28歳の新米監督が乗り越えた困難、そして川崎への感謝 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年05月10日(取材・文:舩木渉)

 「それまで監督をした経験はなかった」というチャン・ユエンティン監督。2010年頃から2013年まで別のチームのデータアナリストや下部組織のコーチを務め、2015年夏にアシスタントコーチになったばかりの新米指導者でした。

 そんな彼女が2015年12月にチームの監督になったのは、前任者であるた楊正光(ヨン・チンクォン)前監督が中国2部の梅州客家に引き抜かれたため。元々はアシスタントコーチだったチャン監督は、前任者と梁守志(ピーター・リョン)GMの強い推薦によって、シーズン途中からイースタンSCを率いることになりました。

 女性への評価が厳しくなることが研究でわかっていると以前書いたように、当初は懐疑的に見られていたようです、瞬く間にチームをまとめ上げて優勝。イースタンSCはなんと21年ぶりのリーグ優勝だったというから立派です。

 ただ、昨年のシーズンオフに、長年クラブに投資してきたオーナーが支援撤退を表明。昨年8月に新しいスポンサーが見つかって、リーグ戦やACL出場辞退は免れたものの、あまり良い状態ではなかったようです。



■2017/05/15 科学的で研究の裏付けがある指導法のチャン・ユエンティン監督

 チャン監督は女性という点が注目されがちですが、若すぎることもまた非常に難しいことになっています。"自分よりも年上の選手たちが多いチームを団結させるには相当な困難"があるというのが、一般的なはずです。

 選手との信頼構築において彼女が最も重要視していたのは、正攻法である綿密なコミュニケーションでした。元々データアナリストだった経験を生かし、数字に基づいて選手個人と対話を重ねることで互いの信頼を深めていったとのこと。科学的ですね。

 実際、元香港女子代表選手でありながら、香港中文大学の大学院を修了という異色の経歴。専攻は運動医学や健康科学分野で、「データによる分析や知識は選手たちを強くします」と語る通り、サッカーにおけるスポーツ科学の重要性を理解している人物なんだそうです。

「データ分析は自分のことを理解し、相手のことも理解することができます。データによる証明は選手たちに自信を与えることにもつながります。チームに問題があればそれを伝え、選手たちはその問題を理解する。そうすれば解決法も見つかり、チームとして成長することができるんです」

 また、以下のようなことも言っていました。

「私と選手たちは互いをリスペクトしています。素晴らしい経験やフットボールに関する優れた知見を持っている選手もいますし、私が彼らの話に耳を傾けて知識を得ることもあります。監督は固定観念に縛られてはいけないと思っています。互いから学ばなければならない。そうすれば彼らも監督という仕事を理解して常に敬意を払ってくれ、私の決断についてきてくれます」

 若さや女性出ることは舐められる要因になるものの、部下である選手たちを理解しようという行動を起こしやすくなるのかもしれません。ビジネスや子供の教育の場合、このように相手を理解するということが重要だとわかっています。サッカーでも同様でしょう。


■2017/05/15 イースタンSCと川崎フロンターレの感動のエピソード

 なお、香港は男女平等が進んでいる特殊な国だということを指摘していました。

「(女性のコーチが出てくるかは)その土地の文化しだいだと思います。香港では男女平等が進んでいます。それによって女性でも監督になれるチャンスがありました」

 あと、ACLグループステージ第2節、川崎FがアウェイでイースタンSCと対戦した試合、チケットは地元ファンによって即完売となり、当日券を求めて渡航した多くのフロンターレサポーターのために、チャン監督が、クラブから余っているチケットを自腹で買い取ってフロンターレサポーターに配ったという噂について。

 これは自費というのは間違いであるものの、チケット配布は本当だそうです。すごい話ですね。

「私は一銭も払っていませんよ(笑)。チケットをクラブから手に入れてきただけです。クラブがアウェイファンのためのスペアのチケットをいくらか持っていて、それを配布すると決めたということです。日本のファンの皆さんは、遠いところから飛行機で、相当なお金をかけて来てくださいました。そういった方々がスタジアムの中で試合を楽しむべきだと思いましたし、実際に観戦できたと聞いて私も非常に嬉しく思います」

 前述のエピソードが広まっていたからかフロンターレサポーターは、9日に行われたイースタンSCとの試合前に感謝のメッセージが書かれた横断幕を掲げたとのこと。良い話でした。


■2017/06/24 ドイツ一部で初の女性スカウトと初の女性主審 ヘレナ・コスタ元仏2部監督とビビアナ・シュタインハウス氏

 今年5月、2ブンデスリーガ1部の審判員として、リーグ初の女性主審となるビビアナ・シュタインハウスさんが登録されたことが発表されていました。
 そして、今度はブンデスリーガのクラブでは初の女性スカウトが誕生というニュース。

 1部のフランクフルトのスカウトに任命されたのは、ヘレナ・コスタさん。ポルトガル出身で、監督経験があります。
  2014年にフランス2部クレルモンの監督に就任し、フランスの男子プロクラブで初、また欧州主要リーグの2部以上のクラブで初の女性監督となっていました。ただ、その際はクラブとの衝突から、シーズン開幕を待たずして退任になっています。
 過去にはベンフィカの下部組織での指導や、女子のカタール代表、イラン代表の監督を務めた経験もあります。国際経験も豊富なようです。



2024年11月17日日曜日

シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに

■2021/01/26 シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに



■2021/01/26 シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに

 布部 陽功(ぬのべ たかのり)のWikipediaを読んでいて、そうだったっけ、忘れたな?と思ったのが、アマチュアからプロへとなるに至ったシンデレラストーリーの話です。まず、以下は大学までの話。プロ注目という選手ではなかったようですが、いきなり目覚めてブラジルに行っています。

<1989年北陽高校(引用者注:大阪市にある学校。現:関西大学北陽高校)サッカー部に入部。1年生から3年生までレギュラーとして全国大会に5回出場した。卒業後、1992年近畿大学サッカー部に入部。翌年の1993年大学2年時にプロになることを決意し、単身ブラジルに留学を決める>

 1994年ブラジルのアマチュアチーム(経歴では「ヒョーゴFC」との記載)に所属。このときは全然プロではありませんでした。ただ、このブラジルのアマチュアチームが大会で優勝して来日。ここで当時は超強豪だったヴェルディ川崎のコーチの目に留まったことが転機になります。本当、ドラマチックなものがありますね。

<来日し日本のチームと対戦した際に、ヴェルディのコーチに声をかけられ練習生としてチームに参加。当時ヴェルディ川崎の監督であったネルシーニョに発掘される。1995年全盛期のヴェルディ川崎に逆輸入選手として入団。シンデレラボーイと報道された。同年ゼロックススーパーカップでデビューし、同点ゴールを奪いプロ初ゴールを決める>

 ただし、ヴェルディ川崎にいたのは3年のみ。最後の1997年シーズン途中でジュビロ磐田にレンタル移籍しています。その後、ヴィッセル神戸に行っており、私はこのイメージが強かったのですが、こちらも4年のみでまた移籍。次のセレッソ大阪の5年の方が長いですね。ついでにいうと、FW、MF、DFとオールラウンドプレーヤーとして出場していたというのも忘れていましたわ。

 ちょこちょこ移籍していたとはいえ、J1     234試合出場は立派な戦績。多くのチームで主力となっていたことを示しています。あと、布部 陽功を見出したネルシーニョ監督と再会してまたともに戦うことになった…というのも、ドラマチックなものがありました。

<2006年アビスパ福岡に完全移籍。翌年の2007年からキャプテンとして2年間チームを牽引した。2009年指導者の道を選びアンバサダー兼コーチとして、アビスパ福岡に残りS級ライセンスを取得。同年8月、レイソルカップでアビスパ福岡U-14を引率した際、当時柏レイソルの監督であったネルシーニョと再会。
 翌年の2010年1月からネルシーニョのコーチとして柏レイソルに移る。2010年J2リーグ優勝、1年でJ1リーグに復帰。2011年Jリーグ初となるJ1昇格1年目でのJ1初優勝。2012年天皇杯優勝。2013年ナビスコカップ優勝。5年間ネルシーニョのコーチとしてチームに貢献した。
(中略)2019年シーズン、師と仰ぐネルシーニョを再度監督に招いてJ2優勝。1年でJ1復帰を達成する>


2024年11月16日土曜日

ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため

■2014/9/27  セレッソ大阪の方針・岡野雅夫社長 香川真司など海外移籍は積極的?
■2014/9/18 セレッソ大阪のフォルラン獲得は儲けるため 資金回収は順調すぎるほど
■2014/12/2  セレッソ大阪降格の原因は岡野雅夫社長 強化に口出しして崩壊
■2014/12/4 ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため
■2014/12/6 セレッソ岡野雅夫社長「Jリーグではほとんどデータを使っていない」


■2014/9/27  セレッソ大阪の方針・岡野雅夫社長 香川真司など海外移籍は積極的?

 セレッソを運営する大阪サッカークラブの岡野雅夫社長へのインタビューから。
 もともとタイトルになっている海外移籍の話を知りたくて読んだのですが、めちゃくちゃその部分は短かったです。

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――選手の移籍に関してはどう考えていますか。

世界で通用する選手を育てる、というのが私たちの育成の方針です。なので、世界で勝負できる選手の移籍を止めることはしたくないと思っています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 どんどん外に出す…ってことか。すごいなぁ…と思ったら、次の部分では違う感じ。

-----引用 ここから-----
しかし、育成には当然お金がかかります。アカデミー出身選手が移籍する際は、それなりのお金を残していく必要があると考えますし、選手たちもそれは分かっていると思います。
-----引用 ここまで-----

 これ、どういう意味なんですかね? 規定以外にお金を積ませるってのは、何らかの違反になるのでは? 気になりますが、具体的に何を想定しているかは不明でした。
 次も海外移籍について、むしろ消極的なのでは?という発言。

-----引用 ここから-----
また、一度海外に移籍して、通用しなかったからすぐに戻って来るということは認めていません。自分が世界で活躍できるかどうかをしっかり考え、移籍をする際はそれなりの覚悟を持って望んでほしいと思います。
-----引用 ここまで-----

 さっきの「それなりのお金を残していく」の話、規定されているクラブに入るお金は移籍金しか思いつきません。
 しかし、契約満了時には普通移籍金は発生しないはずです。Wikipediaでもその問題が書かれていました。

-----引用 ここから-----
近年、日本の場合、本田や長谷部、岡崎など有力選手がJクラブと長期契約(複数年契約)を結ばず、契約満了後に移籍金なしで海外のクラブに国際移籍をするケースが相次ぎ、Jクラブ経営への打撃を懸念する声が出ている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%BB%E7%B1%8D%E9%87%91
-----引用 ここまで-----

 クラブへの打撃は問題であるのはわかるんですが、違反するようなものはやはりダメです。岡野雅夫社長は何を想定していたのでしょうか?




■2014/9/18 セレッソ大阪のフォルラン獲得は儲けるため 資金回収は順調すぎるほど

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――今年、セレッソ大阪は、2010年ワールドカップで最優秀選手に選ばれたウルグアイのディエゴ・フォルラン選手を獲得して話題になりました。フォルラン選手の獲得には、経営者としてどのような戦略がありましたか。

(略)フォルラン選手を獲得する上で考えたのは、「獲得にかかった資金を回収できるかどうか」ということです。彼がセレッソに加入すれば、観客が入り、グッズが売れる。スポンサー企業が増えることも予想できました。回収の見込みがない投資は行いません。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 チームが勝つことによる儲けも増加するのですが、それよりは周辺のものを意識していたような言い方です。

-----引用 ここから-----
――実際に回収はできていますか。

現状では順調です。観客が増えることで入場料が増え、それに比例して物販も増える。これだけで6~7割は回収できる計算です。
-----引用 ここまで-----

 これだけでもすごいです。しかし、もっとすごいのはスポンサーです。

-----引用 ここから-----
残りの3割を占めるのはスポンサーです。スポンサーは金額が大きく、非常に重要な収入源です。フォルラン選手が加入してから、スイスの高級時計メーカーであるタグ・ホイヤーなどスポンサーが10社以上も増えました。
-----引用 ここまで-----

 しかし、フォルラン効果は岡野雅夫社長の想定以上でした。

-----引用 ここから-----
さらに凄いのは金額です。フォルラン選手が加入してからスポンサーの金額が、それまでと1桁変わることもあります。これには私も驚きました。

既存のスポンサーの出資額も増えています。もしかすると私たちフロントは、「まだフォルラン選手をビジネス的にうまく活用できていないのかもしれない」と思うほど、彼のインパクトは大きいのです。
-----引用 ここまで-----

 よく日本選手の海外移籍はジャパンマネー獲得だと言われます。しかし、それを否定する情報も多く、そちらの方を信頼していました。
 しかし、日本のクラブが海外の有名選手を獲得する際のメリットは確実にあるようです。これは意外でした。

 一方、岡野雅夫社長は東南アジアの選手について以下のように言っています。

-----引用 ここから-----
――東南アジアの選手がJリーグに加入していますが、セレッソ大阪は選手の獲得にも前向きなのでしょうか。

正直に申し上げると、今は獲得するつもりはありません。レコンビン選手やイルファン選手が日本でプレーしていますが、セレッソではスタメンとして出場できないと思います。

また、ビジネスとして獲得し、トップチームに入れるのは選手に対して失礼だと考えます。
-----引用 ここまで-----

 上の話からすると、意外ですね。完全に金だけでもないようです。




■2014/12/2  セレッソ大阪降格の原因は岡野雅夫社長 強化に口出しして崩壊

 インタビューを受けていた岡野社長ですけど、セレッソ大阪降格の原因とされていました。

-----引用 ここから-----
C大阪、J2降格を斬る(2)強化に口出し…体制崩壊させた社長 ― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 常に記者に囲まれ、自信満々に語っている姿を見ながら、C大阪のクラブ関係者は不満を漏らした。「ウチの社長は、社長兼GM兼強化部長だから…」。本来の業務である経営だけでなく、強化にも携わった岡野雅夫社長(61)。(略)
 レヴィー・クルピ監督らブラジル人のスタッフや選手と契約を延長せず、強化費を捻出してウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(35)を獲得。超大物の補強成功に世間から称賛を浴びたことで、これを追い風に自ら手腕を振るう行動が目立つようになる。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/12/02/kiji/K20141202009383410.html
-----引用 ここまで-----

 フォルラン獲得に関しては、上記で出ています。やはり自信満々でした。
 安易な監督交代に私は批判的ですが、この後、さらに監督交代もします。

-----引用 ここから-----
 ポポヴィッチ監督を6月に解任すると、社長は世界の主流であるドイツ流を植え付けるため、親しい代理人にリストアップを依頼。推薦されたペッツァイオリ監督を招へいした。これまでのC大阪とまるで違う戦術は機能せず、解任されるまでの通算成績は0勝4分け5敗と不振を極め、ピッチ外では信じられない事件まで発生した。
-----引用 ここまで-----

 そして、さらに素人っぷりを発揮。

-----引用 ここから-----
 メディアが試合前に報じる先発メンバーは公開練習を見て予想しているのだが、指揮官は日本人スタッフが情報を漏らしていると勘違い。「スパイじゃないのか」と疑いをかけたのだ。外国人スタッフと日本人スタッフの関係に亀裂が走り、決定的な溝ができた。
-----引用 ここまで-----

 "岡野社長が元ドイツ代表FWカカウの獲得に乗り出していた8月"には、勝矢寿延強化部長(53)が"同じFWの川又(現名古屋)にオファー"するなど、強化体制は崩壊していたようです。




■2014/12/4 ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため

 再びセレッソを運営する大阪サッカークラブの岡野雅夫社長へのインタビューからの話を。

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――アジア市場への進出を考えていますか。

セレッソ大阪は12年9月にタイのバンコク・グラスFCとパートナーシップ契約を結んでいます。主に育成部門や指導部門での人材交流が目的です。

この契約の締結により、セレッソもアジア進出を果たしたわけですが、私たちのアジア進出は、スポンサーであり母体企業であるヤンマーのためです。(略)

ヤンマーはアジアを重要な市場だと考えています。しかし、アジア進出に関しては、ライバル企業のクボタに遅れをとってしまっています。その差を埋めるために、セレッソ大阪というブランドを活用しようと考えたわけです。

今の時代、商品力で他の企業と大きな差をつけるのは難しくなっています。特に、アジア市場では企業の名前を知ってもらうことが重要なので、サッカーチームを利用するのは効果的な戦略だと考えています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 これは前時代的で驚きました。未だに企業の広告塔としてのサッカーチームという形が残っているようです。

-----引用 ここから-----
――具体的にどのようにヤンマーをPRしているのですか。

(略)私たちは、販売数を伸ばしたい地域の農協の方に声をかけ、ヤンマー主催のサッカースクールを開催しました。

すると地域の子どもたちが集まります。そこで優秀な子どもがいるとバンコクに連れて行き、バンコク・グラスFCのユースと試合をさせます。地方の子どもたちが、タイのプロチームのグラウンドで試合ができるのです。

さらに上手な子どもには、ヤンマーの創業者である山岡孫吉が創設した山岡育英会の奨学金を寄付し、より良い環境でプレーさせます。実はその中から、タイのユースに選出された選手もいて、取り組みは成功しています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 企業ありきのサッカー経営で困るのは、スポンサーの方針ありきで採算の合わないことをやってしまうことです。
 放漫経営になってしまうと、不況時などお金がなくなったときに途端にダメになります。普段からきちんと採算を考えながらやっていないといけません。何か心配になりますわ。


■2014/12/6 セレッソ岡野雅夫社長「Jリーグではほとんどデータを使っていない」 

 ダイヤモンド・オンラインでは、選手を放出する質問だけでなく、「逆に選手を補強する際は、どのように獲得していますか」という質問も出ていました。おもしろかったのが、これに加えて「データに基づく指標などは使われていますか」という質問もしていたことです。
 これについて、セレッソ岡野雅夫社長は「データを使うことはほとんどありません」との回答。ただ、他のJリーグのチームでも、「データを使っているチームはほとんどないのではないでしょうか」としていました。多くのクラブはスカウトマンの感覚で選手を獲得しているだろうといった予想です。
 さらに、試合中の戦術に関してもあまりデータは使っていないといいます。例えば、セレッソの戦術の中で、両サイドバックが高い位置をとって、ボールを持ったらできるだけ早くニアサイドにクロスを入れる、というものがありますが、これも、何回蹴ったら1回入る、などと統計的に分析はなし。監督は肌感覚でやっていると思いますとしていました。
 ただ、昔ながらで、えらく前時代的な感じがします。本当に「Jリーグのチームでデータを使っているチームはほとんどない」んですかね。データを使いこなせていないだけじゃないですかね、これって? 信じられませんわ。

2024年11月15日金曜日

よくある過去最大の補強でむしろ低迷…FC岐阜の場合は降格

■2019/12/21 よくある過去最大の補強でむしろ低迷…FC岐阜の場合は降格
■2019/12/21 スポンサーから補強を渋ったと批判!でも本当の問題は…



■2019/12/21 よくある過去最大の補強でむしろ低迷…FC岐阜の場合は降格

 短期的には活躍や不振に陥ることがあるのですけど、長期的に見た場合、最も重要なのはフロントではないか?という見方に最近注目しています。岐阜のJ2降格について書いた"
<緑の落城 FC岐阜 12年目の降格> (中)選手獲得の手腕弱く "という記事も、そういった話を思わせるものでした。
https://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20191118/CK2019111802000003.html

 2019年のFC岐阜はむしろ過去最大の補強に成功していたとのこと。J1経験が豊富な元日本代表のFW前田遼一選手、ガボン代表のMFフレデリック選手らを獲得しました。
 ただ、私は大きく選手を 入れ替えるクラブもダメだという見方。岐阜はこの点でも問題があった感じで、大木武前監督の体制で昨季飛車角級の活躍をした選手はクラブを離れていました。

 しかも、彼らは新天地で活躍。昨季8ゴールを挙げたMF田中パウロ淳一選手は、今季レノファ山口で活躍。昨季最終戦で「来季は岐阜のエースとして活躍したい」と決意を語ったものの、「新人選手よりも年俸が安い。立場がなく、移籍するしかなかった」と告白して移籍しています。フロントに問題を感じる話でもありますね。


■2019/12/21 スポンサーから補強を渋ったと批判!でも本当の問題は…

 また、補強した外国人選手も大外れ。近年、また今季途中義父が獲得した外国人選手はほとんどが未活躍ということで、これまたクラブの問題を感じます。良い選手でも合わないということがあるので、他のクラブで活躍しているかどうかだけではわかりません。壊滅的に見る目がないようです。
 スポンサー企業からは、投資を渋ったと苦言を呈された模様。一方、クラブ側は反論していますし、実際に補強には使われていました。予算規模の小さなクラブにも負けています。補強にかけたお金の大小は、本質的な問題ではないでしょう。

 より問題なのは、チームに合う選手を手放し、合わない選手をつれてくるフロントです。記事では、 投資しようにも適切に資金を投入できないと指摘。選手獲得を担う強化担当のスタッフはわずか二人で、林幹広地域振興グループリーダーも「J2では少ない」「将来を見通した補強は難しい」と認めていました。
 また、良い指摘だと思ったのが、継続性に欠けるという指摘ですね。十二シーズンで、監督を務めたのは実に九人。監督の変えすぎも悪いクラブの特徴です。さらに、フロントも数年で入れ替わる県と地銀二社の出向組が部長級でいる一方、プロパーの部長は一人にとどまっており、中長期的なビジョンは描けないと指摘していました。
 


2024年11月13日水曜日

Cロナウド名言「なぜ笑うんだい?」の子、高校サッカーで優勝

■2021/01/22 Cロナウド名言「なぜ笑うんだい?」、ネットでネタになる
■2021/01/22 「なぜ笑うんだい?」の子、高校サッカー山梨学院で優勝



■2021/01/22 Cロナウド名言「なぜ笑うんだい?」、ネットでネタになる

 名言というかネタ扱いっぽかったのですけど、なぜ笑うんだい?とは (ナゼワラウンダイとは) [単語記事] - ニコニコ大百科では、2014年7月22日、美容機器メーカーMTGの新商品発表イベントで、憧れのクリスティアーノ・ロナウドを前にして極度に緊張しながらも一生懸命にカンぺを読んで質問しようとする一般のサッカー少年の拙いポルトガル語に、会場から失笑が漏れる中、以下の発言をして話題になったとしていました。

「どうしてクスクス笑ってるんだい? 少年のポルトガル語は立派だよ、とっても! 素直に喜べばいいじゃないか、少年が果敢に挑戦してくれてるのをさ。そうだろ?」

 「会場から失笑」とされていたものの、悪意ある笑いだったかは不明。ただ、クリスティアーノ・ロナウドはそう捉えて、真面目に対応したということですね。ニコニコ大百科によると、以上のことが聖人エピソードとして取り上げられ、少ししてから何故かなんJでも話題となったものの、主に全力を尽くしているが結果がついてこない人間への煽りなどに使われるとのことで、ネガティブな使われ方をしていたようです。



■2021/01/22 「なぜ笑うんだい?」の子、高校サッカー山梨学院で優勝

 で、その子・岩岡遼太が成長して、山梨学院メンバーとして高校サッカーで優勝したというのですから、できすぎた話です。

 「なぜ笑う?」Cロナウドが神対応した少年が高校サッカーで優勝し、誓った恩返し(安藤隆人) - 個人 - Yahoo!ニュースによると、ロナウドファンだった息子のために父が応募。3人いて、質問はポルトガル語である必要はなかったそうですが、父の提案でポルトガル語に。「ロナウド選手のことが大好きで、一緒にプレーしたいので、どうやったらプロなれますか?」を、当時通っていたフットサルのスクールにいた日系ブラジル人のコーチに翻訳してもらったそうです。

 選ばれた時点ですでに緊張していたそうで、本番は当然大緊張。そのときの様子を記事では「前の2人の質問は全く頭に入ってこず、足が震えながらもただ目の前にいるカッコ良くて、いい匂いのするロナウドを見つめていた」と書いていて笑いました。ロナウドはいい匂いがするんですね。

言葉に詰まってしまったという書き方。そこで笑いが起こり、「どうして笑うんだい?彼のポルトガル語は素晴らしいよ。一生懸命やっているのに笑うことはないだろう」と言ったとのこと。この書き方だと、暗記していたのが途中で止まった感じですかね。

 緊張しすぎて当時はなぜみんなが笑っているかもわからず。その後の大きな拍手が起きた時も「ロナウド選手が何か面白いことを言ったのかな?」と思っていたそうです。

 なお、ロナウドの回答は「信念を持ち、努力を重ねて、チャンスを逃さないことだよ」というもの。岩岡遼太も苦労をしていて、中学時代は強豪として知られるFC多摩ジュニアユースでプレーしたものの、プロが見えてくる市立船橋と流通経済大柏のセレクションを受けて不合格に。山梨学院でも2年でやっとAクラス、3年では最初レギュラーだったところから陥落。選手権の25人の登録メンバー入りもギリギリ。さらに本番もレギュラーの怪我があっての出場でした。ここでやっとスタメンになるも、今度は自身が怪我をしてそこから脱落し、準々決勝以降はメンバー外。大活躍で優勝となると、さらにドラマチックでしたが、そこまではうまくいかず。ただ、山梨学院大に進学し、4年後のプロ入りを目指しているそうです。

 

2024年11月12日火曜日

反則覚悟ファール上等の喧嘩サッカーのパナマ、W杯では通用せず

■2018/06/25 反則覚悟ファール上等の喧嘩サッカーのパナマ、W杯では通用せず



■2018/06/25 反則覚悟ファール上等の喧嘩サッカーのパナマ、W杯では通用せず

ロシア・ワールドカップ(W杯)グループG イングランド 6-1 パナマ
【イングランド】ストーンズ(前8)ケイン(前22[PK])リンガード(前36)ストーンズ(前40)ケイン(前46[PK])ケイン(後17)
【パナマ】バロイ(後33)

 パナマは初戦ベルギー戦でメモしていなかったので項目を作っていませんでした。見ているときは忘れていたのですけど、ここはファール上等のサッカーをするところなんだそうな。その解説ではラフとは言われていなかったものの、けが人が心配でした。ただ、幸いベルギー戦は大丈夫。5,6人かな、やっぱりイエローカードたくさん出ていましたね。今日のスタメンの横が真っ黄色になっていました。あと、ベテランが多すぎるというのも好みではないチームです。
 紹介を見ても見たいタイプの選手がいない イングランドは初戦を見送りました。2戦目もパナマなので見るつもりなかったので途中経過も見ちゃったのですけど、前半終了時点で5-0、さらに後半もう1点というところ。そこまで行ってから、暫定ベスト11を決める上でも見ておかないといけないかと思い、いつもより多く早送りしながら見ました。その後は1点しか決まらなかったんですね。
 パナマは失点後もがたっと崩れたわけではなく、シュートまで行けており悪くはありません。ただ、セットプレーの守備が悪いんですよね。そして、ファール上等のプレーをするチームとはいえ、やっちゃいけないところでファールしまくって失点。PKが2本もありました。この喧嘩サッカー(?)だと審判の相性が大事だと言われていたように、取られる審判だとこうしてボロクソになります。予選は得失点差マイナスなのに3位になったというのも、試合によって差が大きかったのかもしれません。ちなみにゴールラインを割っていないという疑惑のゴールもあったそうな。
 イングランドは6点差だとベルギーを得失点差で上回るというところだったのですけど、そこで失点。ベルギーと総得点含めて全くいっしょになり、守りに入りました。
 一方のパナマは初出場で初ゴールが決まり、観客大盛り上がり。チームとしても満足した感じで、敗退が決まったのに両方いいムードになっていました。
GK
1 ハイメ・ペネド 6
 DF
2 マイケル・ムリージョ 6
5 ロマン・トーレス 6
4 フィデル・エスコバル 5.5
15 エリク・デイビス 5.5
 MF
6 ガブリエル・ゴメス 5.5(69分OUT)
8 エドガル・バルセナス 6(69分OUT)
11 アルマンド・クーパー 5.5
20 アニバル・ゴドイ 5.5(62分OUT)
21 ホセ・ルイス・ロドリゲス 6
 FW
7 ブラス・ペレス 5.5
 交代選手
FW19 リカルド・アビラ 5.5(62分IN)
 DF23 フェリペ・バロイ 6(69分IN)
 途中交代で出た彼も37歳という大ベテラン。フリーだったとは言え、FKでよく滑り込んでいき泥臭いゴール。パナマの歴史に刻む記念すべき初ゴールとなりました。
 FW16 アブディエル・アロヨ 5.5(69分IN)
(メンバー・採点は、【イングランド 6-1 パナマ|W杯選手採点】歴史的大勝を飾ったイングランドは軒並み高評価! | サッカーダイジェストWebより)


2024年11月10日日曜日

弱い鹿島の予兆どれ?脱ブラジル・鈴木満氏退任・メルカリ買収

■2022/01/18 弱い鹿島の予兆どれ?脱ブラジル・鈴木満氏退任・メルカリ買収
■2022/08/12 心配をよそに好調スタートの新生鹿島だが、一時不調ですぐ監督交代

■2022/02/03 終盤にJリーグ月間優秀監督賞で高順位の相馬直樹監督を変える謎
■2018/11/28 控え2軍以下でキルギス代表に勝利、もう鹿島が日本代表でいいのでは?
■2019/01/06 レオ・シルバ不在の影響の大きさを感じた鹿島のスコアレスドロー
■2019/01/06 2年でレギュラーがガラリと変わった鹿島、クラブW杯に戻ってくる
■2019/01/06  鹿島の2年ぶりのレアル・マドリー戦は全く違う試合展開に… 



■2022/01/18 弱い鹿島の予兆どれ?脱ブラジル・鈴木満氏退任・メルカリ買収

 ここ数年鹿島アントラーズはパッとせず、何度も降格争いに巻き込まれています。とはいえ、途中で立て直して終わってみるとむしろ上位…というのがパターン。「強い鹿島」は戻ってきていませんが、「弱い鹿島」ではありません。とはいえ、鹿島ファン的には、弱くなりそうな予兆的なものは感じており、心配なところです。
 とりあえず、現在、鹿島アントラーズは変革の時期にあたるのは確か。企業でも変革が必要な時期というのはあり、それ自体は悪くありません。世代交代的なものは絶対に必要であり、むしろ遅らせるとダメなこともあります。ただし、手段が目的化して変革ありきとなって失敗…ということもよくある話。ちょっと鹿島はこの悪いパターンくささがあって、心配なんですよね。

 変革のキーワードとしては3つ。直近のキーワードである「脱ブラジル」と「鈴木満氏退任」でふたつ。そして、ちょっと古い話になりますが、「メルカリ買収」というのも私は当時から不安だったものでした。

 このうち「脱ブラジル」ですが、ネットの反応を見ると好意的。そもそもブラジルが今最高のサッカーじゃないのだからブラジルを目指しても仕方ない…というコメントには、私も納得してしまいました。一理あります。
 ただ、鹿島が強かった理由の大きな一つが、ブラジルカラーがはっきりしていたことだったんですよね。どういうことか?と言のは、チームカラーのはっきりしないチームを思い浮かべると良いでしょう。こうしたチームは、監督交代などでガラッと変わってしまうことがるため、主力メンバーが突如変わるなどしてしまいます。
 これの何が悪いか?と言うと、選手としても不安定なので魅力あるチームだと思われないということ。海外の日本人選手でも移籍したら監督交代で条件が全く変わり合わなくなる…というのはあるあるでしょう。継続性があるということは、それだけで魅力があるのです。
 そういう意味では、近年の鹿島は主力メンバーが安定していないですし、以前うまく行っていた移籍選手も使いこなせずに放出…という失敗例が多くなっています。大量補強した時期もあり、この大量補強のデメリットももろに出た感じ。選手層を厚くしてアジアでも勝つ…という目標があったので仕方ないところがあり、私も理解できたやり方だったのですが、こういうリスクがあるんですよね。海外のビッグクラブですら失敗することがあります。

 上記らへんは鈴木満さんの責任も大きいところですが、強化責任者である鈴木満フットボールダイレクター(64)が退任というのもキーポイント。鹿島が強かった理由のひとつは、強化担当者が長年変わらなかったというのも言われています。これも結局さっきのと同じで、継続性・安定性の問題ですね。
 いつかは変わらなくてはいけませんし、年齢的にも良いところではあります。企業のカリスマ経営者なんかは後継者を作るのがむしろ下手で80歳とか90歳とかになってから「良い後継者がいない」なんてアホ丸出しなこと言っているので、鈴木満さんの引き際は素晴らしいですね。
 ただ、やはりリスクであることは間違いないですし、担当者が変わると前述したような「手段が目的化して変革ありきとなって失敗」が起きがち。「何か新しいことをしなくちゃいけない」とか「自分の権力を示すために前任者のカラーを消さなきゃいけない」とか思っちゃう人が、社長や上司でもよくいますよね。良い後任を選べていると良いんですけど…。

 あと、これらよりは古い話である「メルカリ買収」もやはり「変化」という共通点がありますね。資金力があるクラブの方が普通に強いため、メルカリ買収そのものはプラス面も大きいです。ただ、お金があってもあまり強くないクラブやお金がなくてもかなり強いクラブがあり、その原因はクラブ運営者の安定性だと指摘されていたんですよ。鹿島はむしろ買収前にうまくいっていたところなので、この変化そのものがリスクになります。
 メルカリはあまり口出さないみたいなことを言っていたので、私は安心したのですが、下手にお金があったせいで失敗…ってこともありますからね。前述した大量補強による失敗がまさにそのパターン。資金力が増してしまうのはデメリットもあるな…と心配だったのですが、今のところあまりうまく行っているようには見えませんね…。

 以上のようにキーワードの「脱ブラジル」「鈴木満氏退任」「メルカリ買収」はすべて変化するというもの。途中でも書いたように変わらなくちゃいけない時期ではあるものの、鹿島が強かった理由がことごとく変わってしまうため、後から見ると「弱い鹿島へ変化するキーポイントだった」なんてことになりかねません。
 鹿島ファンとしてはもちろん、そうならないことを願っています。



■2022/08/12 心配をよそに好調スタートの新生鹿島だが、一時不調ですぐ監督交代

 初のヨーロッパ人監督を迎えるなど、変化の見られた2022年の鹿島アントラーズは、私の心配をよそに一時は首位になるなど好調スタート。しかし、その勢いがかげると早くも監督交代。以下の記事の解説によれば、「好転の兆しが見えないため」という説得力ある理由です。
 ただ、監督交代が多い・やることを次々変えて安定しないというのは、不調に陥るクラブの黄金パターンであり、心配ですね。ファンとしては、やはり弱くなる予兆ではないか?と心配になります。

・鹿島ヴァイラー監督の更迭はなぜ起きた? 広島スキッベ体制と“共通項”も、「好転のきっかけ」を掴めなかった訳(2022/8/8(月) 12:40配信 FOOTBALL ZONE)

<鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督が解任された。一時は首位だったのが第24節では5位まで後退してしまっている。
 鹿島では初のヨーロッパ人監督ということで注目されていた。今季のJ1はサンフレッチェ広島がミヒャエル・スキッベ監督、FC東京はアルベル監督を招聘して、ちょっとしたヨーロッパ人監督ブームだったわけだが、シーズン初めから指揮を執っていな中ではヴァイラー監督が解任第1号となったわけだ。
 ヨーロッパの監督といっても三人三様。ただ、ヴァイラー監督とスキッベ監督はハイプレスと縦に速い攻撃を掲げていた点で共通している。ドイツを中心に流行しているプレースタイルだ。
 スキッベ監督の広島は開幕から躓いていた。ビルドアップの上手いチームとの対戦が続いたこともあり、ハイプレスが空回りしていたのだ。しかし、その後は持ち直して第24節時点では6位。好転のきっかけになったのはボールポゼッションだった。
 後方からしっかりボールをつないで押し込むことで、その後の敵陣でのプレスが効くようになり、奪ったら速く攻め込むこともできるようになった。本来はあまり後方のパスワークに時間をかけたくないはずなのだが、そこである種の妥協をしたことでやりたいプレースタイルを実現できている。
 鹿島の場合は、プレースタイルを実現するためのカギが見つからないままだった気がする。もともと球際に強く、シンプルな攻め込みにも迫力があり、新監督の戦術的な指向性は相性が良さそうだった。ところが、飛躍的に好転するきっかけは遂に掴めないままヴァイラー監督解任となっている。特に夏場で気温と湿度が上がってくると、強度を重視したプレースタイルは厳しいものがある。ヨーロッパで70~80分ぐらいまで維持できる強度が、Jリーグだと15分ぐらいしかもたない。体力差もあるかもしれないが、気候の問題が大きいのではないかと思う>
https://news.yahoo.co.jp/articles/e9918ba7d9e6088b64938a15b48ad858a94d727e

 ヤフーニュースのコメント欄では、選手からの手腕への信頼が失われたためでは?というのが一番人気でした。たしかに不可解な監督交代であり、可能性を感じるものです。

<鈴木優磨の試合後コメントとか、ヴァイラーの鹿島は好んで住みたい街ではない発言とか、噂話の類まで含めると、広島のスキッベが見せてる求心力の様なものは出せてないと感じてはいた。
 順位や成績は悪くないし、チーム状況がいいのならば、信じて任せられる段階だったはず。なのに解任したのは、戦術とか結果とか、そう言う話以前にチーム状況の悪化があったのでは?と想像してる>

 2番人気以降は本題から外れた話もちらほら。ただ、私の心配と似たフロントにも問題あり…というものもありました。その他の方向性のコメントを含めて、人気ベスト10の中から、いくつか気になったところを引用しておきます。

<新監督を連れて来て、1年で優勝出来る算段でいた。まず、そこを思い違い。鹿島はもう5年間リーグ優勝から遠ざかっている。それだけ力が落ちているクラブをチームの基盤を1年で突貫工事して優勝させるのは簡単では無い。
 1年目は土台作り、2年目にはあわよくば優勝を狙い、3年目は勝負のシーズン。そんな風にフロントが考えていれば、こんな失敗は無かった。半年でヴァイラーを解任したのは、あまりにも我慢が足りないと言わざるを得ない。
 欧州のトレンドというか常識を持ち込んで、鹿島のサッカーを世界基準に新しく作り変えてくれる折角の機会を、ヴァイラーを招聘したフロントが自ら台無しにした。岩政監督に代えて今シーズンの結果が6位より下だった場合、辞めるのは岩政監督ではなく、フットボールディレクターの吉岡宗重さん、あなた達です>

<解任にはビックリはしたけど、決して良い状況には見えなかった。(中略)
 ただ、公認が岩政の内部昇格ってのは短絡的すぎる気がする。ヨーロッパ化するんじゃなかったの? ってか、クラブにとっての「ヨーロッパ化」とは何なのだろうか?>

<そもそもヴァイラーの合流が遅れている間の岩政体制が調子良かったから「このままで良くね?」という風潮はあったよね。通常今の順位であればシーズン後の解任でも不思議ではないけど、比較的早めに切れたのは序盤の岩政アントラーズがあったからだね>

<1シーズン通して好調を維持するのは難しい
だからといって一ヶ月勝ててないから解任というのは元々クラブも監督を信用していない証だろうし、監督も途中でCFいなくなるようなクラブに愛想が尽きたのかもね
鹿島にはドイツ語の通訳もいないらしいし…>



■2023/04/25 「メルカリになってから弱くなった」 不当な安値で買って売却か?

 以前書いた「弱い鹿島の予兆どれ?脱ブラジル・鈴木満氏退任・メルカリ買収」の最後、メルカリに関連する記事を発見。<J1鹿島また敗戦でファンから痛烈ツッコミ「メルカリになってから弱くなってるな」>(23/4/19(水) 22:31配信 東スポWEB)という記事が出ていたんですよ。
 鹿島アントラーズが序盤につまずくのはこのところ恒例行事であり、メルカリ買収以前ですらちらほらあったので、挽回は十分あり得るのですけど、2023年も猛烈にコケました。リーグ戦では4連敗で15位と低迷した上に、ルヴァンカップでも敗戦しています。

<ネット上では「この30年間で、これ程迄に弱い鹿島は初めて見るぞ。したたかさ、勝負強さは何処に行った? 今の鹿島にジーコ御大何を想う」「鹿島はメルカリになってから弱くなってるな」と悲痛な声が出ている>
https://news.yahoo.co.jp/articles/1fc6c5c731a289ba11e989544484a87e0bc10f66

 もう一つメルカリがタイトルに入った記事を見かけたのでアクセス。アクセスするまで全体タイトルは見えなかったのですけど、<神様ジーコが激怒した!メルカリが鹿島アントラーズを「買い値の3倍超」で売却情報 | アサ芸プラス>(2023年4月23日 09:58)という記事でした。ただ、タイトルは「釣り」っぽく、ジーコが売却に怒ったわけではないようです。

<鹿島の小泉文明社長は、メルカリの会長でもある。(中略)クラブの成績低迷については具体的な改善策を示さず、試合後に自身のツイッターで「申し訳ない」と配信するばかり。チーム強化より「いかに稼ぐか」に心血を注ぐ日々のようだ。
 コーチやテクニカルディレクターとしてチーム強化を支えきたジーコとはコミュケーションが上手くいかず、ジーコは「もう鹿島から離れる」と激怒。慌てたクラブ側が「アドバイザー」という名誉職のオファーを出す形で、なんとか引き留めている。
 そんな鹿島には、水面下で「クラブ売却」の噂が絶えない。多くのJリーグ関係者が「耳にしている」と話すのだ。
 メルカリは16億円で鹿島を購入しているが、Jクラブの売値は少なくとも40~50億円が相場。元日本代表監督の岡田武史氏などは「あまりに不可解な値段」と首をひねっていた。しかし今、その売値については「50億円」との情報が。「16億円で買っておいて、なぜそんな金額が出てくるのか」と、ファンのみならず、サッカー関係者の間でも、鹿島に対する不信感は募っている>
https://www.asagei.com/excerpt/257106

 私はメルカリ買収は資金的にはプラスに一方、他の面ではマイナスの可能性あり…と私は書いていました。が、そもそも激安の価格で買っていたというのは知らなかったので驚き。こうなると、金儲けありきだった可能性があり、豊富な資金力うんぬんという話になりません。
 また、不正があったとは断定しないものの、適正な価格での売買ではなかったとなると、少なくともコンプライアンスの面でも問題があった可能性は出てくるでしょう。こうしたクラブの不安定さは、以前も書いたように、失敗するクラブの特徴です。
 うーん、鹿島の強さの秘訣はクラブの安定感だったのですが、それが失われてしまっていたのかもしれません。



■2022/02/03 終盤にJリーグ月間優秀監督賞で高順位の相馬直樹監督を変える謎

 私は他のクラブでも「監督変えすぎ」「結果出している監督を変えるのはおかしい」といった話を繰り返し書いています。そういう意味でも鹿島アントラーズの相馬直樹監督退任も違和感がありました。
 正直過去はそれほど実績なかったので期待していなかったのですが、鹿島での成績はめちゃくちゃ良かったですからね。降格の可能性があったチームを立て直して、上位争いの4位まで持ってきました。

<20年から鹿島のトップチームのコーチに就任。今年4月に前監督のザーゴ氏が解任され、相馬氏が監督に昇格していた。(中略)
 一方、Jリーグは同日、11月・12月の月間優秀監督賞を発表。相馬監督は5月に一度受賞しており、今月2度目の受賞となった>
(鹿島が相馬直樹監督の退任を発表、11月・12月はJリーグ月間優秀監督賞を受賞も…今季は無冠で終了 2021/12/5(日) 17:47配信 ゲキサカより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7007caeb6586a2f559fae93ca3161c84090eae5c

 ここらへんは<弱い鹿島の予兆どれ?脱ブラジル・鈴木満氏退任・メルカリ買収>のところで書いた変革ありき…ってところがあるのかもしれません。
 同じ記事によると、鹿島はトップチームの奥野僚右コーチ、パシェココーチ、テクニカルスタッフのウェリントン氏の契約満了も発表しているということでした。とにかくメンバーを変えようって感じですね。社長が変わった途端に旧幹部を排除する…みたいな感じで、感じ悪いんですけど…。

 ただし、ヤフーニュースコメント欄での反応は好意的なものもあるようで、<4位に上げてもタイトルをとれなかったらダメというのが鹿島らしいプライドだろう。他の記事でも相馬退任を支持しタイトルを獲れる新監督を望むサポが意外なほど多い>というコメントもありました。
 この記事そのものではあまりそういったものがなく、<こんな名将を切る鹿島が理解できない…>といったものや、感謝や手腕を褒めるものばかり。ただ、私も消えちゃった別記事では「退任で当然」みたいな反応をかなり見たんですよね。
 うろ覚えですが、「メンバー固定しすぎ」とか「攻撃の形が見えない」とかだったような気がします。だからと言って結果出している監督を変える理由にはなりませんけどね。とりあえず、終盤5試合でスタメン出場数が多かったメンバーを載せておきます。

GK 1 クォン スンテ
DF 32 常本 佳吾
DF 33 関川 郁万
DF 28 町田 浩樹
DF 2 安西 幸輝
MF 20 三竿 健斗
MF 21 ディエゴ ピトゥカ
MF 7 ファン アラーノ
MF 11 和泉 竜司  (アルトゥール カイキ)
FW 18 上田 綺世
FW 13 荒木 遼太郎 (土居 聖真)



■2018/11/28 控え2軍以下でキルギス代表に勝利、もう鹿島が日本代表でいいのでは?

 スタメン全員日本人でレアル・マドリーを追い詰めたときにも言われていましたが、鹿島が日本代表でいいのでは?とまた言われそうな試合が。
 国際親善試合で日本代表と対戦する予定だったキルギス代表が、控え組中心の鹿島と練習試合を行い、0―2で敗れたとのこと。ただ、内容的に「控え組中心」というレベルですらないのです。

 まず、前半は、ACL決勝・ペルセポリス戦に先発出場したメンバーを全員ベンチ外。これは「控え組中心」というレベルでした。しかし、キルギス代表はボールをはね返すことで精いっぱい。前半だけで13本のシュートを浴び、セットプレーから失点。DFの小田逸稀がゴールしています。

▽鹿島前半 GK川俣慎一郎、DF小田逸稀、犬飼智也、町田浩樹、安西幸輝(C)、MF永木亮太、久保田和音、遠藤康、田中稔也、山口一真、FW金森健志

 問題は後半。鹿島は、ユース所属の高校生5人が出場。実質“2・5軍”だったにも関わらず、得点を奪えず、逆に追加点を取られてしまいました。しかも、鹿島ユースのMF前田泰良に決められています。

▽鹿島後半 GK沖悠哉、DF小田逸稀、MF久保田和音、田中稔也、前田泰良、ユース所属5人
(キルギス、鹿島控え組に完敗…組織的な攻めなく実力に疑問符 : スポーツ報知
https://www.hochi.co.jp/soccer/world/20181117-OHT1T50265.html
、【鹿島】キルギス代表に容赦なき完勝!DF安西「鹿島が強くなるためには若手が頑張らないと」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181118-00000074-sph-socc
より)

 これで日本代表が苦戦したらおもしろかったのですけど、結果4-0で控え組の鹿島より良いスコアでした。鹿島アントラーズとの直接対決が望まれますね。




■2019/01/06 レオ・シルバ不在の影響の大きさを感じた鹿島のスコアレスドロー

明治安田生命J1リーグ 第34節 2018年12月1日 鹿島 0-0 鳥栖
    GK 1 クォン スンテ 34歳
前半良い位置のFKで、日光で見づらいところをよく反応。このプレーでポストに激突してしばらくその後気にしている。また、直後のCKは出ていって触れない危ういプレーに。ヘディングが高く浮いてバー。危なかった。
 検索しても褒められていないが、バックパスからのダイレクトキック含めてキックミスがあまりなく、しっかりしている印象。今日の解説では、攻撃に繋がっていると少し褒められていた。
    DF 22 西 大伍
    DF 5 チョン スンヒョン
    DF 3 昌子 源
    DF 16 山本 脩斗
    MF 6 永木 亮太
    MF 40 小笠原 満男 90+4' 39歳
久々に見ました。レオ・シルバ・三竿健斗ともに怪我のために出たみたい。立ち上がりにファール気味にガツンと行くというらしいプレーあり。さらにフェルナンド・トーレスからうまく奪い取るプレーをして、イラッとしたのかトーレスが後ろから行くプレーも。
 鹿島の20冠のうち、17冠に関与しているとのこと。すごすぎますね。そんなに早くからいたという覚えはありませんでした。
 後半、低いところからやわらかく浮かせてサイドに出したボールが通って、前へと繋げていきました。しびれるボール。
 ただ、ミスも多かったですね。もともとミスのないタイプではないものの、チャレンジするパス以外でもミスが多くありました。さすがに年齢を感じさせます。
 また、レオ・シルバ不在は痛いなぁというところを感じました。レオ・シルバは守備で良いところに顔を出しますし、奪うプレーがうまく、さらに攻撃も得意。キープ力があり、前への推進力があり、良い仕事もできます。また、ファールのもらい方がうまく、流れの悪いときなどは痛がって時間を稼ぐこともよくやってくれていました。
 今日の鹿島は、カウンターが出ず、パスがとにかく繋がらずで、長く押し込まれる時間帯があり、流れを全然変えられず。レオ・シルバの存在の大きさを思わせる試合になりました。
    MF 25 遠藤 康 65'
    MF 32 安西 幸輝 82'
    FW 18 セルジーニョ
    FW 9 鈴木 優磨
    交代
    MF 11 レアンドロ 82'
    MF 30 安部 裕葵 90+4'
    MF 8 土居 聖真 65'



■2019/01/06 2年でレギュラーがガラリと変わった鹿島、クラブW杯に戻ってくる

  2018/12/15 クラブワールドカップ準々決勝 鹿島アントラーズ(日本)3 - 2グアダラハラ(メキシコ)
    【49分】MF 6 永木 亮太    【69分】MF 18 セルジーニョ    【84分】FW 30 安部 裕葵
    【3分】FW 14 サルディバル    【94分】MF 4 レオ シルバ(オウンゴール)

 グアダラハラはメキシコにしては、守備に重きがあるチームとのこと。前半は囲まれて取られるところが多く、ほとんど良い形が作れず。また攻撃陣に代表選手が多く、ドリブルも効いていました。鹿島がプレスをかけるものの、かいくぐられて崩されるという形が何度も。前半開始3分の早々の失点もそういった形。
 鹿島はリーグ最終戦勝てずに3位でフィニッシュ、天皇杯も準決勝敗退と冴えない中でしたが、グアダラハラは前期後期制の前期を11位で終えており、鹿島の方がマシだと思ったのが予想外。
 ただ、後半選手交代で鹿島がやり方に対応。交代で入った安部は個人としてもドリブルが効いていました。グアダラハラは浮足立ち崩壊し、さらに2点。最後に1点返されて1点差ですけど、スコア以上に差がありました。
 あと、鹿島は2年前のクラブワールドカップとはガラッとメンバーが変わりましたね。同じスタメンは、昌子・山本・永木・土居・遠藤のみ。本来は西や鈴木がレギュラーなので2人増えますが、それを言い出すと永木・遠藤のところは、本来三竿健斗と安部が入ります。鈴木も2年前は確かサブでしたよね。安西も非常に良い選手ですし、獲得した選手がうまく機能しています。

    GK1クォン スンテ
 前回キックを褒めたら、今日はキックミスがいくつか。ただ、全体としてはむしろ素晴らしかったですね。テレビやメディアが言うビッグセーブ連発とは思わなかったものの、ビッグセーブと言えるものがあった他、枠へのシュートによく対応していました。弾いたボールを詰められて味方が触ってオウンゴールとなったものの、2失点目のPKも反応しています。見事でした。
 私が一番良いと思ったのは、キックミスもあったというキックのところ。FWまで一気に渡す素晴らしいフィードでカウンターに。これだけで賞賛に値するのですけど、このカウンターから同点ゴール。マン・オブ・ザ・マッチ級でした。
    DF2内田 篤人
 好きな選手でしたが、長い怪我が痛かったですね。鹿島復帰後私が見た試合はいつもイマイチです。立ち上がりの失点は鹿島の上がった左サイドを完全に崩されており、サイドバックの彼がFWに対応しなくちゃいけない状況となったわけで、彼だけの責任ではありません。ただ、ファーに流れた相手FWとは対照的に、前に進んでいってジャンプ。おそらくボールの高さを見誤ったのでしょう。届かなかったのと逆方向に動いたせいで、どフリーにしてしまい失点します。
 一度中に入ってから開いて裏を狙う攻撃も見せたのは良かったです。ただ、攻撃でも物足りなさを感じました。やはり怪我と年齢の問題でしょう。仕方ないですね。
     3昌子 源
     16山本 脩斗
     35チョン スンヒョン 24歳
 今日もよくヘディングで跳ね返していました。危ないところで足を出すプレーも。特に後半アディショナルタイムに見せたスライディングは素晴らしかったもの。彼も最も良かった選手の1人です。
    MF4レオ シルバ
     6永木 亮太
     11レアンドロ
→FW 30 安部 裕葵 19歳
 ドリブルに良いもの感じますが、そこまですごいとは思っていなかった選手。しかし、今日は後半開始に入ってからいきなり良いドリブルを見せてチームのリズムを変えました。その後も良いドリブルを見せていた他、守備でも貢献。中へ入ったり、右まで流れるプレーなどもありました。1点目には直接関わっていないものの、この時点で最高クラスの活躍をしていました。
 さらに土居が下がってFWへ。FWでは初めて見たのですけど、素晴らしいポストプレーでカウンターにつなぐところ。さらに左サイドで安西とともにパス交換しながら上がっていき、2人だけで完全に崩した上、右上狙いすまして完璧なゴールで3点目をゲット。他の選手も良かったのですけど、普通に選ぶと彼がマン・オブ・ザ・マッチでしょうか。
     25遠藤 康
→DF 22 西 大伍
FW 8土居 聖真
 あと一歩なにかほしいなと思っていた選手ですけど、代表入り。ただ、最近は若い選手が出てきてうかうかしていられない感じですね。守備ができるので、使いやすい選手ではあります。
 後半、左の裏カウンターで受けてから少し迷ってしまい、シュートチャンスをふいに。ただ、これが結果的に良い方に転びます。結果的に2人をひきつけて、逆サイド長く走った永木に合わせてアシスト。さらにペナルティーエリア内で足がかかったプレーでPKももらい、2点目にも絡みました。
→DF 32 安西 幸輝 23歳
 ユーティリティなプレーヤーでいろんなポジションをこなせるためか、私が見た試合では、便利屋的な感じで途中出場が多いです。ただ、ドリブルは安部とともに非常に良いものを持っているように見えて、個人的にはすごく期待している選手です。
 今日はLSHに入り、その安部と2人だけでパス交換で上がりながら、左サイドを完全に崩して3点目に。アシストを記録しています。またあわや4点目というシュートも見せていました。
     18セルジーニョ 23歳
 彼はCKがいつもイマイチなのが気になってしまいます。テクニックは感じるものの、ずば抜けたものでもありません。ただ、結果的には仕事をすることが多い不思議な選手。今日も非常に重要な仕事をしました。
 GKからの素晴らしいフィードを、相手をひきつけて、振り返りながら出した裏へのボールが素晴らしかったです。同点ゴールのアシストの1つ前のプレーになりました。また、PKもきっちり決めて逆転に成功しています。



■2019/01/06  鹿島の2年ぶりのレアル・マドリー戦は全く違う試合展開に…

FIFAクラブワールドカップ UAE 2018 準決勝 2018年12月19日(水)
鹿島アントラーズ 1-3 レアル・マドリード
78分     土居 聖真 44分     53分     55分     ガレス ベイル

 だいぶ日にち経ってうろ覚え…。スロースターターのレアル・マドリーは相変わらずゆるいスタート。ミスパスも取れているし、やらせてもらっている。この時間帯に1点ほしいと思ったが取り切れず。特にコーナーキックでのビッグチャンスは決めておきたかった…。
 逆に凌ぎきったレアル・マドリーは、30分すぎからワンタッチプレーが出てきて良くなってきた。さらに前半の終盤に先制点まで。1-0スタートは確か2年前と同じですが、2年前はすぐに点が入りだらけてしまった形。今回は悪い時間帯を耐えてからのペースアップでゴールまで。全く意味合いの違う1-0。鹿島にとっては苦しい形に。
 そして、後半は精神的に影響が大きいバックパスのミスからの失点。その後追加点を取られたあとやっと1点返したものの、2点目の時点で勝負がありました。
GK     1     クォン スンテ
DF     22     西 大伍
56分     → 安西 幸輝
DF     35     チョン スンヒョン
 裏の危ないところ。間に合わないかと思ったが、ギリギリのところスライディングで素晴らしい守備。昌子がワールドカップの後怪我をしてパフォーマンス戻らない中、守備ではずっと彼の頑張りが効いている感じです。
DF     3     昌子 源
DF     16     山本 脩斗
 決定的なところカバーに入って、失点を防ぐ場面あり。ただ、その後すぐイエローカードをもらってしまう。さらにDFライン裏への素晴らしいパスのような質のバックパスを出してしまって失点。ミスからの失点であり、チームにとっては精神的にきついもの。これで試合が決まってしまった。
MF     4     レオ シルバ
MF     6     永木 亮太
46分      → 内田 篤人
MF     25     遠藤 康
81分     → レアンドロ
MF     30     安部 裕葵
 ジョーカーとしての使い方と迷うかと思ったが先発。レアル・マドリーがゆるかったせいもあり、今日も最初はいい感じ。落ち着いていて堂々とプレーして、ドリブルが通用していた。ただ、流れが悪くなった中では、それを覆すところまでの個の力はなかった。
FW     8     土居 聖真 26歳
 ヘディングでの折返しに飛び込んでドリブルしながらシュート。やっと1点返したと思ったらまさかのオフサイド判定。だが、VARでゴール認められる。パスを出したところではなく、どうも最後に逆サイドにいた選手をプレーに関与したと誤解したっぽい感じ。最後に旗が上がっていた。
 守備ができて運動量が多くポジショニングが良くて、戦術理解度が高そうな選手。攻撃も水準以上。監督に重宝されそうなタイプ。一方、爆発的な良さは感じなく、個人的には物足りなく思っていた。でも、今日のゴールは低くてGK取りづらい良いものだった。コンスタントにこれを出せるとありがたいんだけど…。
FW     18     セルジーニョ

2024年11月9日土曜日

実績ない監督で失敗 日本代表のザッケローニやイングランド代表

■2019/05/04 実績ない監督で失敗 日本代表のザッケローニやイングランド代表
■2014/7/5 本番になって完全に自信を失ったザッケローニ監督
■2014/7/5 日本はなぜザッケローニを代表監督にしたのか?経歴を見た疑問
■2016/7/21 イングランド代表監督、また実績ないサム・アラダイスに ロイ・ホジソンで懲りなかった
■2019/05/04 イングランドが成功の年代別代表監督の昇格、日本の森保一監督も?



■2019/05/04 実績ない監督で失敗 日本代表のザッケローニやイングランド代表

 代表監督は、クラブの監督とは違う戦い方をしなくてはならず、同じ能力ではいけないとの指摘があります。
  ただ、一般論で言えば、代表監督は通常のクラブでの監督よりレベルが高くなるでしょう。ビッグクラブの監督であれば、代表監督以上のレベルということはよくあるものの、クラブでは実績のない監督も多数います。全体で見ると、代表監督の方が高くなり、代表監督はおろかクラブレベルで実績のない人が選ばれるということは珍しいと思われます。そういった監督が選ばれるのは、不可解なところがあります。
 ただ、そういった不可解なケースというのはいくつかあり、日本で言えばザッケローニ監督、イングランド代表監督の ロイ・ホジソンやサム・アラダイスがそうじゃないかと思っています。失敗すべくして失敗した感じですね。
 以下、ザッケローニさんに関しては他のページでも載せているものですけど、話の流れこちらも載せておきます。


■2014/7/5 本番になって完全に自信を失ったザッケローニ監督

  前回のワールドカップ以来見ていなかった日本代表。2014年のブラジルワールドカップがザッケローニになって初めてのゲームです。
 前回大会は本番になってしぶとく守るサッカーに切り替えて成功。今まで通りパスサッカーで行くのか、我慢強く守るチームで行くのか?と楽しみにしていましたが、攻撃的なパスサッカーとのことで期待が高まりました。
 しかし、先発メンバーを見た瞬間から違和感を覚えました。

6月15日(日) グループC
キックオフ:10時00分/ 試合会場:アレナ ペルナンブーコ / 主審:エンリケ オセス

コートジボワール     2-1     日本
 得点
本田 圭佑(前半16分)
ウィルフリード ボニー(後半19分)
ジェルビーニョ(後半21分)  

日本
GK    1    川島 永嗣
RSB    2    内田 篤人  
RCB    6    森重 真人  
LCB    22    吉田 麻也  
LSB    5    長友 佑都  
RDH    17    長谷部 誠    後半9分
LDH    16    山口 蛍    
RSH    9    岡崎 慎司
OH    4    本田 圭佑  
LSH    10    香川 真司    後半41分
FW    18    大迫 勇也    後半22分
 交代
MF    7    遠藤 保仁    後半9分
FW    13    大久保 嘉人    後半22分
FW    11    柿谷 曜一朗    後半41分

グループC第1節 コートジボワール vs. 日本 - 試合詳細 - ブラジルワールドカップ特集 - スポーツナビ
<a href="http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/result/?gid=2014061403" target="_blank">http://brazil2014.yahoo.co.jp/game/result/?gid=2014061403</a>
 ポジションはテレビ由来。

 どうもあまり使われていなかったらしい森重、山口、大迫というところをスタメンに起用。私は世代交代できないチームは苦しむというのが持論なんですけど、それは長いスパンをかけて世代交代という意味で。本番前にいきなり変更という意味ではありません。誰が入っても大丈夫なチーム作りというのもあるんですが、ザッケローニさんはそういうやり方でもしてこなかったと聞いています。
 この試合以降の選手起用、選手交代を見ても、ことごとく違和感がありました。数人変わった選手を入れた以外は、むしろ不調でも使い続けて「レギュラー選手との心中」といった批判もありました。続けるべきところをいじって壊して、変えるべきところを変えられずに泥沼にハマった感じ。
 典型的だったのが、3戦目のコロンビア戦で抜擢したボランチ青山敏弘。攻撃ではある程度見るところがあったのに交代。守備が崩れてそちらを気にしたのでは?と言われていましたが、やることなすこと裏目に。自分の采配に自身が持てない印象を受けました。


■2014/7/5 日本はなぜザッケローニを代表監督にしたのか?経歴を見た疑問

 不思議だったのは私はザッケローニ監督が代表監督に選ばれたときに、セリエAで優勝経験のある実績ある監督だと聞いていたため。にもかかわらず、あまりにも未熟に見えます。で、Wikipediaで経歴を見てみました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B6%E3%83%83%E3%82%B1%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B

 "1983年、30歳で当時セリエC2のチェゼナティコの監督に就任。その後、指導者として経験を積み、ウディネーゼ"の監督になります。

●1995年 ウディネーゼ
 "1995年から1998年まで率いたウディネーゼでは、大胆な攻撃サッカーを展開。得点王となったビアホフやアモローゾを擁して1997-1998シーズンを3位という好成績で終え、UEFAカップ出場権を獲得した。この実績が認められ、翌シーズンからACミランの監督に就任することになった"

●1999年 ACミラン
 "ウディネーゼから移籍させた教え子のビアホフやヘルヴェグに加え、ズボニミール・ボバンらを中核として優勝争いを展開。終盤に失速したラツィオを逆転しスクデットを獲得する"

 Wikipediaを読むと、確かにここまでは素晴らしいです。しかし、この後がひどいのです。

 "しかし、翌1999-2000シーズンのCLでは最終節でガラタサライに逆転負けを喫し1次リーグで敗退。選手層の薄さもあってリーグ戦も3位に終わる。翌シーズンは自らのシステム3-4-3を貫こうとしたことで、4バックを標榜するベルルスコーニ会長と対立。チームも低迷(CL2次リーグ敗退)したことにより、シーズン途中で更迭され、後任にチェーザレ・マルディーニが就任した"

●2001年 SSラツィオ
 "2001-2002シーズン序盤にCLでの敗戦により解任されたディノ・ゾフの後任としてSSラツィオの監督に就任。ミラン時代とは異なり4バックも用いる柔軟な采配を見せたものの、CLではグループリーグの突破に失敗。ローマダービーで1-5の惨敗を喫するなどリーグ戦も6位と低迷。最終節にインテルの優勝を阻止する勝利(4-2)を挙げ意地を見せたが、シーズン終了後に解任された"

●2003年 インテル
 "2003-2004シーズンの途中、エクトル・ラウル・クーペルの解任を受けてインテルの監督に就任。当初は無敗で快進撃を続けたが、CLはグループステージで早々に敗退。ホームのアーセナル戦では1-5の大敗を喫した。リーグ戦も4位に終わり、翌シーズンのCL出場権は確保したものの、モラッティ会長の信頼を得られずシーズン終了後に辞任。後任候補にロベルト・マンチーニが浮上していた中での実質的な解任であった"

●2006年 トリノFC
 "2006年9月、セリエAに昇格したシーズン開幕3日前にカイロ会長と対立したジャンニ・デ・ビアージが退任したトリノFCの監督に急遽就任する。
チームは下位に低迷、2007年2月のACキエーヴォ・ヴェローナ戦では、エースのアレッサンドロ・ロジーナを外して惨敗するなどリーグ6連敗し、途中解任された"

●2009年 ユヴェントス
"2009-2010シーズン途中より、成績不振で解任されたチーロ・フェラーラの後任としてユヴェントスの監督に就任した。契約期間はシーズン終了までの4ヶ月。しかし、チーム状態の改善に失敗し、ELでは、決勝トーナメント2回戦の第2戦でフラムFCに1-4と大敗を喫して敗退。また、リーグ戦は7位に終り、CL出場権も逃した。率いたリーグ戦17試合の成績は6勝4分7敗と負け越しであった"

 優勝した後は全く結果を残していないんですよね。優勝どころか、好成績すらありません。きつい言い方してしまうと、過去の栄光にすがっているような戦績です。
 日本代表監督就任後は結果を出していたようですけど、そもそもなぜ日本サッカー協会がザッケローニさんを選んだのか?というのは不思議になる経歴でした。




■2016/7/21 イングランド代表監督、また実績ないサム・アラダイスに ロイ・ホジソンで懲りなかった

 懲りませんね…。
 ロイ・ホジソン監督が史上最低のイングランド代表監督と言われて、過去の戦績を見たものの、そもそもこれといった実績がなく、驚きました。
 日本代表監督のザッケローニもセリエAで大昔に一度成功した程度で、過去の実績はひどかったので、なぜ?と思ったのでよく似ています。

 で、イングランドは今度はビッグサムことサム・アラダイス監督にしたらしいのですが、これまたこれといってぱっとしないんですよ。
 イングランド人どうのこうのと言っていたので、国籍を重視したのかもしれません。EU離脱の国民投票同様に、民族意識重視で理性を欠いた決定です。

 以下は紹介ですけど、長く監督をやっているというだけ。降格ギリギリといった戦いをしています。以前のウェスト・ハムでも二桁順位でした。

-----引用 ここから-----
次期英代指揮官は“ビッグ・サム”へ。英メディア、24時間以内に正式発表と報道 | フットボールチャンネル | サッカー情報満載! 2016年07月21日(Thu)8時11分配信
http://www.footballchannel.jp/2016/07/21/post164879/

 かつてボルトンやニューカッスル、ウェスト・ハムなどのクラブを率いた経験があるアラダイス監督は、昨季に指揮官へ就任したサンダーランドで残留争いに巻き込まれながらも残留圏内となる17位に導いた。同クラブは先週、公式サイトでFAとの交渉の場を設けることを許可している。(中略)
 現在61歳のアラダイス監督は、これまでプレミアリーグでアレックス・ファーガソン氏、アーセン・ヴェンゲル監督、ハリー・レドナップ監督に次ぐ4番目に多い試合数となる467試合で指揮を執って来た監督だ。
-----引用 ここまで-----

 ウェスト・ハムなんかはアライダス監督が退任した途端に活躍していますからね。

 最近では2015-2016のプレミア7位が最高ですが、アライダス監督が退任した後の話。理解できない人選です。


■2019/05/04 イングランドが成功の年代別代表監督の昇格、日本の森保一監督も?

 アライダス監督は、戦績以外の理由で解任されてしまい、良し悪しはよくわからないことに。ロイ・ホジソン前監督やイギリス王室を侮辱したこと、加えて選手の移籍で架空契約を結ぼうとしていた事などが明るみに出て、わずか2か月で解任されています。
 その後、 U-21代表監督だったガレス・サウスゲート監督に。クラブ監督と代表監督では求められるものが異なるということを考えると、こうした人事は悪くない人選でしょう。日本でも森保一監督が近いパターンです。
 そして、サウスゲート監督の場合、結果的には大成功。期待が高くなかった若手中心のチームを、組み合わせに恵まれたとはいえ、ワールドカップベスト4に導いています。

 ユース代表経験のある代表監督としては、アルゼンチンU-20で3度優勝しているホセ・ペケルマン監督を思い出します。アルゼンチン代表監督としては2006年のワールドカップ準々決勝敗退で批判されたものの、死の組を1位突破し、最終的に3位となったドイツにPKで敗退というもので悪い内容ではないでしょう。協会側も留任を説得していました。
 さらに、その後のコロンビア代表監督ではブラジル大会でチーム初のベスト8、ロシア大会でも連続でベスト8に導いています。



2024年11月7日木曜日

ラ・コルーニャだけじゃない!デポルティーボつくクラブ多すぎ…

■2020/06/22 ラ・コルーニャだけじゃない!デポルティーボつくクラブ多すぎ…



■2020/06/22 ラ・コルーニャだけじゃない!デポルティーボつくクラブ多すぎ…

 私がリーガ・エスパニョーラを見ていた頃強かったデポルティーボ・ラ・コルーニャ。私は「ラ・コルーニャ」という名前のイメージが強かったのですけど、確か映像で使われている現地映像では、「デポルティーボ」を略称に使っていた気がするんですよね。
  本拠地は、スペイン・ガリシア州・ア・コルーニャであり、「Deportivo(デポルティーボ)」はスペイン語で「スポーツの」という意味を持つため、Deportivoの名を冠したスポーツクラブは世界各地に多数存在するということで、やはり略称は「ラ・コルーニャ」の方が良さそうな感じ。
 ただ、ウィキペディアによると、 一般的にこのクラブが「デポル」、「デポルティーボ」の略称で呼ばれるとされていました。やっぱり「デポルティーボ」の方が使われる感じです。

 世界各地の「デポルティーボ」が列記されているデポルティーボ - Wikipediaでは、スペインが特に数が多く、17クラブもありました。有名クラブも多数ありますね。

デポルティーボ・ラ・コルーニャ
CDアルコヤーノ - Club Deportivo Alcoyano
デポルティーボ・アラベス
RCDエスパニョール - Reial Club Deportiu Espanyol de Barcelona
レバンテUD - Levante Unión Deportiva
RCDマヨルカ - Real Club Deportivo Mallorca
ヘレスCD - Xerez Club Deportivo
CDヌマンシア - Club Deportivo Numancia de Soria
UDラス・パルマス - Unión Deportiva Las Palmas
ロルカ・デポルティーバCF
UDサラマンカ - Unión Deportiva Salamanca
CDテネリフェ - Club Deportivo Tenerife
UDベシンダリオ - Unión Deportiva Vecindario
SDポンフェラディーナ - Sociedad Deportiva Ponferradina
UDアルメリア - Unión Deportiva Almería
CDカステリョン - Club Deportivo Castellón
CDクエンカ (スペイン) - Club Deportivo Cuenca

 ただ、こちらでは、先程以上に明確にデポルティーボ・ラ・コルーニャが「デポルティーボ」と呼ばれるという話を明記していました。

<これら全てのスペインのチームはデポルティーボ(あるいはデポルティーバ)の名が付けられているが、レアル・クルブ・デポルティーボ・ラ・コルーニャのみがデポルティーボの略称で知られており、愛称のデポル (Depor) やスーペルデポル (SuperDepor) でも呼ばれている>


2024年11月5日火曜日

若手最高選手は16歳のライアン・チェルキ、久保建英は何位?

■2020/10/26 若手最高選手は16歳のライアン・チェルキ、久保建英は何位?
■2017/06/15 有望若手選手 久保建英、ソランケ、イ・スンウ、バルベルデ、オルソリーニ、エレーラなど
■2017/06/21 フットボールチャンネル選出のベスト11でもソランケ、バルベルデ、オルソリーニ、エレーラなど 



■2020/10/26 若手最高選手は16歳のライアン・チェルキ、久保建英は何位?

  2020年05月10日の記事なのですが、ベルギーの『Football Talent Scout』は「2001年1月以降に生まれた10代プレイヤーTOP50」を紹介した何と16歳が“現10代最高”プレイヤー 久保、ロドリゴらより上と評される才能[映像アリ]|theWORLD(ザ・ワールド)という記事について。

 日本が気にするMF久保建英は27位にランクイン。ファンのアンケート調査では、同年齢で世界一だったので、かなり評価が違う感じですね。同年齢のみの調査ですからあれですが、それで1位なら全体でのベスト10クラスだったはずです。

 上位は普通に有名プレーヤーが多く、は8位にバルセロナFWアンス・ファティ(17歳)、6位アーセナルFWガブリエウ・マルティネッリ(18歳)、5位レアル・マドリードFWロドリゴ・ゴエス(19歳)、3位マンチェスター・ユナイテッドFWメイソン・グリーンウッド(18歳)、2位レンヌMFエドゥアルド・カマビンガ(17歳)などといった感じでした。

 ただ、1位は当時リヨンのトップチームで結果を残し始めているにすぎなかったリヨンに所属する16歳のMFライアン・チェルキでした。16歳という年齢とともに驚きがあります。攻撃的MFからウイングまでこなすプレイヤーで、左右両足を巧みに使ったドリブルが最大の持ち味で、フットサル選手のようなボールの触り方をするとのこと。おもしろそうな選手で、私が好きそうなタイプ。ただ、この説明だけを見ていると、他のプレーも要求される現代サッカーではどうか?って感じもしちゃいますが…。



■2017/06/15 有望若手選手 久保建英、ソランケ、イ・スンウ、バルベルデ、オルソリーニ、エレーラなど

スペイン紙『マルカ』が、「U−20ワールドカップの“宝石”20選手」とのタイトルで、FIFA U−20ワールドカップ韓国2017に出場した将来有望な20選手を選出。日本人では、FC東京U−18のFW久保建英が選ばれました。
 ただ、「今大会の最年少(15歳)だった。TAS(スポーツ仲裁裁判所)の処分によりバルセロナを去った。純粋な魔法だ。1アシストを記録。だが、日本のMVPはもちろんドーアン(堂安律)だった」とのコメント。その堂安律は入っていないという妙なことになっています。将来性の問題でしょうか?
 あと、久保が最年少というのは誤解で、もっと若い選手が出ていたというニュースも見た気がします。

 さて、選出の20選手の紹介。どうやって見るかはいろいろ考えられ、ポジションごとでも良いのですけど、地域ごとに見ていくことにしました。でも、順番も関係あるかもしれませんので、とりあえず、そのまんまのものを最初に。

FWジャン・ケヴィン・オギュスタン(フランス/パリ・サンジェルマン)
FWニコラス・デ・ラ・クルーズ(ウルグアイ/リベルプールFC)
MFルカ・デ・ラ・トーレ(アメリカ/フルアム)
FWディオゴ・ゴンサウヴェス(ポルトガル/ベンフィカ)
MFキーラン・ダウエル(イングランド/エヴァートン)
DFエドソン・アルバレス(メキシコ/クラブ・アメリカ)
GKウイケル・ファリニェス(ベネズエラ/カラカス)
FWアンドレア・ファヴィッリ(イタリア/アスコリ)
MFヤンヘル・エレーラ(ベネズエラ/ニューヨーク・シティ)
FW久保建英(日本/FC東京)
FWラウタロ・マルティネス(アルゼンチン/ラシン・クラブ)
FWイ・スンウ(韓国/バルセロナ)
FWアデモラ・ルックマン(イングランド/エヴァートン)
MFロナルド・ルセナ(ベネズエラ/サモラ)
FWリッカルド・オルソリーニ(イタリア/アスコリ)
MFアダルベルト・ペニャランダ(ベネズエラ/マラガ)
FWファッション・サカラ(ザンビア/スパルタク・モスクワ)
FWジョッシュ・サージェント(アメリカ/セント・ルイス・スコット・ギャラガー)
FWドミニク・ソランケ(イングランド/チェルシー)
MFフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ/レアル・マドリード)
(久保建英、U20W杯で輝いた“宝石”20選手に選出…スペイン紙「純粋な魔法」 06月14日 06:00 SOCCER KINGより)

 では、地域ごとに。まず、アジアからですが、2人のみでした。

<アジア>
FW久保建英(日本/FC東京)
FWイ・スンウ(韓国/バルセロナ)

 初優勝のイングランドが3名など、やはりヨーロッパが多くなっています。特にフランスやイタリアは主力をかなり温存してのメンバーでしたからね。それでも、注目選手がいるということです。
 イングランドのドミニク・ソランケは、4得点を挙げて大会MVPのゴールデンボールを受賞しています。
 記事にはなかったものの、同ゴール数の場合アシスト数が加味される、アシスト数も同じ場合はプレー時間が加味されるという、得点王にあたる賞として、ゴールデンブート賞があります。
 今大会は、5ゴール0アシストで、イタリアのリッカルド・オルソリーニが該当しています。
 同じヨーロッパでは、 ジャン・ケヴィン・オギュスタンが、4ゴール0アシスト218分プレーでブロンズブートでした。
 最優秀GKであるゴールデングローブ賞は、イングランドのフレディー・ウッドマンですが、選外。GKはベネズエラのウイケル・ファリニェスのみですね。

<ヨーロッパ>
MFキーラン・ダウエル(イングランド/エヴァートン)
FWアデモラ・ルックマン(イングランド/エヴァートン)
FWドミニク・ソランケ(イングランド/チェルシー)
FWアンドレア・ファヴィッリ(イタリア/アスコリ)
FWリッカルド・オルソリーニ(イタリア/アスコリ)
FWジャン・ケヴィン・オギュスタン(フランス/パリ・サンジェルマン)
FWディオゴ・ゴンサウヴェス(ポルトガル/ベンフィカ)

 もう一つサッカーが強いのは、何と言っても南米。準優勝のベネズエラからは今大会最多の4名が選ばれるということで、南米としてはお馴染みではないベネズエラが多くなりました。
 あと、記事にはなかったものの、ウルグアイのフェデリコ・バルベルデがシルバーボール、ベネズエラのヤンヘル・エレーラがブロンズボールに選ばれています。

<南米>
GKウイケル・ファリニェス(ベネズエラ/カラカス)
MFヤンヘル・エレーラ(ベネズエラ/ニューヨーク・シティ)
MFロナルド・ルセナ(ベネズエラ/サモラ)
MFアダルベルト・ペニャランダ(ベネズエラ/マラガ)
FWニコラス・デ・ラ・クルーズ(ウルグアイ/リベルプールFC)
FWラウタロ・マルティネス(アルゼンチン/ラシン・クラブ)
MFフェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ/レアル・マドリード)

 最近力をつけている印象の中南米からは3人。アメリカのジョッシュ・サージェントは、4ゴール1アシストでシルバーブートでした。

<中南米>
FWジョッシュ・サージェント(アメリカ/セント・ルイス・スコット・ギャラガー)
MFルカ・デ・ラ・トーレ(アメリカ/フルアム)
DFエドソン・アルバレス(メキシコ/クラブ・アメリカ)

 アジアとともに最弱を競うアフリカは1人ということで、この選出ですとアジアが勝ちました。

<アフリカ>
FWファッション・サカラ(ザンビア/スパルタク・モスクワ)




■2017/06/21 フットボールチャンネル選出のベスト11でもソランケ、バルベルデ、オルソリーニ、エレーラなど

 フットボールチャンネルがU-20ワールドカップのベスト11を選んでいました。
 スペイン紙『マルカ』の「U−20ワールドカップの“宝石”20選手」にも選ばれている選手には、「※」をつけておきます。
 また、何らかの賞を受賞している場合にも注記します。

 <U-20W杯のベストイレブン>

▽GK
ウイルケル・ファリニェス(ベネズエラ)※

▽DF
ジョンジョ・ケニー(イングランド)
フィカヨ・トモリ(イングランド)
サンティアゴ・ブエノ(ウルグアイ)
マシアス・オリベラ(ウルグアイ)

▽MF
ルイス・クック(イングランド)
フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ)※ シルバーボール
ヤンヘル・エレーラ(ベネズエラ)※ ブロンズボール

▽FW
リカルド・オルソリーニ(イタリア)※ ゴールデンブート(得点王)
ドミニク・ソランケ(イングランド)※ ゴールデンボール(MVP)
アンドレア・ファヴィッリ(イタリア)※

 U-20W杯ベストイレブン。世界の舞台で輝いたスーパースターの卵たち[ftp_del]【編集部フォーカス】[/ftp_del] フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年06月18日
 ※…スペイン紙『マルカ』の「U−20ワールドカップの“宝石”20選手」

 マルカは攻撃の選手ばかりでしたので、DFは全員向こうでは選外でした。というか、DFは1人も選出されていなかったんですね。かなり偏っていました。

 ジョンジョ・ケニーは、イングランドの右サイドバック。全試合フル出場で、なおかつ「恐るべき運動量」。しかも、"決勝のベネズエラ戦で周りの選手たちが連戦の疲労を見せる中、そんなものどこ吹く風と涼しい顔で走り回ったタフさ"を発揮したそうです。
 左サイドバックからは、 マシアス・オリベラ(ウルグアイ)。ただ、あまり具体的な説明はなく、タイプがよくわからず。"3位決定戦まで全7試合にフル出場し、2度の延長戦も走り抜いた"ということで、やはりタフさが魅力でしょうか。

  センターバックは、フィカヨ・トモリ(イングランド)とサンティアゴ・ブエノ(ウルグアイ)。DFの4人は、2カ国で半々ですね。
 ブエノはバルセロナU-19で、プレースタイルはバルセロナの先輩ジェラール・ピケに似ているとのこと。高さと強さだけでなく正確なフィード能力も武器にしています。
 トモリは、屈強な肉体で、空中戦でも地上戦でも無類の強さを誇る選手。いかにもイングランドのセンターバックらしいタイプです。

 MF・FWでは、ルイス・クック(イングランド)のみがマルカで未選出。イングランドのキャプテンで、目立たないと言いつつ、以下のような点が褒められていました。

"常に体を張った守備で中盤を引き締め、安定したパスワークで攻撃を組み立てる。周りの選手たちを鼓舞する姿は頼もしかった。小柄でも当たり負けしない強さと、根性は特筆に値する"

 FWでは、主力を何人も外されていたイタリアから2人。層の厚さを感じさせます。オルソリーニなんかは、得点王に輝きました。
 また、 MVPだったソランケも、実は"U-21欧州選手権に出場するU-21イングランド代表から外れ、U-20代表で戦うことになった"という経緯だとのこと。
 やっぱり世界の強豪国は、レベルが桁違いですね。


2024年11月3日日曜日

有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン

■2023/03/30 有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン
■2023/03/30 選手実績ない異色の監督ナーゲルスマン、有力選手の反乱で解任か?
■2018/06/12 フランス紙、本田圭佑がハリル監督解任の原因と報道 香川真司も日本メディアで名前




■2023/03/30 有力選手と確執・選手内で派閥争い…チーム崩壊・監督解任のパターン

 監督と有力選手の確執・選手内で派閥争いといったものは、チーム崩壊のよくあるパターン。ただ、必ずしもチームが悪い結果となるわけではなく、それでも良い成績を出すことはあるにはあります。
 また、この成績の関係では、有力選手を優先し、「戦績はそれほど悪くないのになぜ?」といった不可解な解任になるというのも、またよくあるパターンのひとつです。
 ということで、それ専用に1ページ用意することにしました。

■2023/03/30 選手実績ない異色の監督ナーゲルスマン、有力選手の反乱で解任か?

 ユリアン・ナーゲルスマン監督は異色の監督。選手で結果を残して監督へ…というパターンではなく、結果を出しまくって成り上がってきた監督であり、すでに現在の結果だけでも素晴らしい監督であることは間違いないでしょう。

<現在35歳のナーゲルスマン監督は若くしてドイツで指導者キャリアをスタートさせた。2016年2月にはブンデスリーガ史上最年少となる28歳でホッフェンハイムの指揮官に就任。2015-16シーズンはチームを17位から15位に押し上げて奇跡の残留を達成しただけでなく、翌2016-17シーズンはブンデスリーガで4位、2017-18シーズンはブンデスリーガ3位とチームの大躍進を演出し、クラブを史上初のCL出場にも導いた。2019年夏にライプツィヒの監督に就任すると、初年度の2019-20シーズンはブンデスリーガ3位とクラブ史上初のCLベスト4入りを達成。翌2020-21シーズンは2位でブンデスリーガを終えていた。2021年夏にバイエルンの指揮官に就任。初年度となった2021-21シーズンはクラブをブンデスリーガ10連覇へと導き、自身は史上2番目の若さでブンデスリーガを制覇した指揮官となった。一方、DFBポカールは2回戦、CLは準々決勝で敗れていた>
(“3冠”狙うバイエルン、指揮官を電撃交代 ナーゲルスマン解任とトゥヘル就任を発表 | サッカーキングより)
https://www.soccer-king.jp/news/world/ger/20230325/1751330.html

 ただ、今回は選手としての実績がないことが悪く響いた模様。元名選手の監督が有力選手と揉めるのもよくある話ですが、元名選手がカリスマ性で個性派選手を掌握したらうまく行く…ということもサッカーではよくあります。特にナーゲルスマン監督は若いために、舐められたのかもしれません。

 <名門バイエルンの「政治」に敗れた稀代の戦術家…ナーゲルスマン解任の10の理由 - footballista | フットボリスタ>( 木崎 伸也2023.03.28 )は、有料記事で読める理由はふたつだけ。第一の理由は、良いときは良いが、悪いときは悪すぎるという不安定さの問題。しかし、第二の理由が選手との確執。「要因の大半はピッチの外にあり」としており、さもありなんといった感じです。

2.選手たちからの不信感
<(引用者注:バイエルンスポーツディレクターの)サリハミジッチが会見で「ナーゲルスマンはロッカールームの掌握を失った」と語ったように、選手たちから信頼を失ったことが解任の最大の理由とされている。『ビルト』紙によれば、特に「幹部クラス」の選手が戦術に不信感を抱いていたという。
 ただ、ヨシュア・キミッヒとレオン・ゴレツカは「(引用者注:監督の)ユリアンとは何の問題もなかった」とサリハミジッチの発言に反論しており、不満を抱えていたのはセルジュ・ニャブリ、レロイ・ザネ、そしてトーマス・ミュラーというのが有力な説だ>
https://www.footballista.jp/special/156881

 上記では名前がなかったものの、別記事<バイエルンFWマネ、チームの前で指揮官怒り爆発…ナーゲルスマンの対応も解任理由の一つか>(GOAL)では、マネの名前が出ていました。若くて選手実績のない監督が舐められた…という印象を強くするエピソードでもあります。

<昨夏にリヴァプールから加入したセネガル代表FWマネは昨秋に右腓骨を負傷し、カタール・ワールドカップ欠場が決定。今年2月末に復帰を果たし、3月8日のチャンピオンズリーグ・16ラウンドでのパリSGとの2戦目(2-0でバイエルンが勝利)までリーグ戦2試合に途中出場していた。
 しかし、そのパリSG戦ではナーゲルスマン前監督はマネを82分からしか起用せず。そしてドイツ誌『シュポルト・ビルト』によると、アタッカーはその試合直後に怒りが爆発し、チームの前で監督を怒鳴りつけたという。ナーゲルスマン監督が動揺している様子を目にしたチームメイトたちは、次のリーグ戦でマネが先発起用されたことでその弱気な印象がさらに固まったと伝えられている>

 記事では、<前監督の下では対立派と擁護派と派閥ができていたと伝えられる>ともされており、派閥争いもあった模様。チームがうまく行かないパターンの典型となっています。

 ところで、パフォーマンスが不安定…という話があったものの、不安定というだけで悪かったわけではないんですよ。先程の<名門バイエルンの「政治」に敗れた稀代の戦術家…ナーゲルスマン解任の10の理由 - footballista | フットボリスタ>( 木崎 伸也2023.03.28 )では、以下のように解任の不可解さを指摘していました。

<あまりにも不可解な解任劇だった。(中略)
 バイエルンは決してスランプだったわけではなく、3月19日にアウェイでレバークーゼンに2-1で敗れてブンデスリーガ2位に転落したとはいえ、CLベスト16ではパリ・サンジェルマン(PSG)に勝利して準々決勝へ駒を進めていたのだ。通常ではあり得ないタイミングの解任だろう。
 『ビルトTV』の取材に応じたサポーターのひと言がすべてを表している。
 「4月1日のドルトムント戦で勝利すれば再び首位に戻れるのに、なぜこのタイミングなのか? まったく馬鹿げている!」>

 このため、バイエルンスポーツディレクターのサリハミジッチさんが「戦績が理由の解任」と説明した<ナーゲルスマン解任はなぜ?招聘は失敗だったのか…バイエルンSDが徹底説明>(3/27(月) 16:00配信 GOAL)では、逆にスポーツ以外の理由が原因となったのでは?というヤフーニュースの反応になっていました。

<少なくともこの記事を読む限り,説明(言い訳?)の内容がものすご~くフワフワしているような…?
もちろんメディアに語る情報が全てではないんでしょうが,あの成績かつあのタイミングでの解任となると,どうしたって周囲の理解は得られないでしょうね>
<ビッグクラブって基本的にレジェンド選手みたいなのと上手くやるのが1番の仕事だからね
戦術云々とかはその次よ
それをナーゲルスマンは出来なかった(選手時代の実績も監督としてのカリスマ性も皆無)
年齢も若いし選手に舐められてもしょうがないっちゃしょうがないよな>
<まだ3冠の可能性残ってるんだし、説明聞けば聞くほど続投でいいじゃんて思うけどw>
<青年監督。もう少し我慢すればよかったのに。どうせラップトップ監督に対するミュラーやノイアーの反乱でしょ。監督より発言権のある選手がいるのは問題>
<ナーゲルスマン監督が不憫でならない>




■2018/06/12 フランス紙、本田圭佑がハリル監督解任の原因と報道 香川真司も日本メディアで名前

 フランス紙『レキップ』は、ハリルホジッチ前監督の解任騒動に言及。本田圭佑の名前を出しつつ、「JFAは監督と選手の狭間で後者を選んだ」と指摘。「日本のスターMFであるケイスケ・ホンダは、ボスニア人を追い込んだ」とまで書いていたそうです。

 なお、ハリルホジッチ監督は、解任されたあとに行った会見で「(1-0と勝利し、W杯本大会出場を決めた)オーストラリア戦のあと、2人の選手が落胆していた。試合に出れず、そのことで落胆していること自体悲しくなった」と話しており、これが憶測を読んでいました。
 本来チームがW杯本大会出場なら喜ぶべきところを、自分のことだけ考えて落胆しているのですから、違和感は当然あるでしょう。わかります。
 この発言を受けて一部メディアが「2人」に関する報道を展開。選手たちがJFA(日本サッカー協会)に解任を直訴したのではないかとの憶測も流れたとのこと。本田圭佑と香川真司の2人のことですかね?
(仏紙、日本代表紹介でハリル解任騒動に言及「ホンダはボスニア人指揮官を追い込んだ」 | Goal.comより)

 ああ、検索してみると、やはり日本のメディアは本田圭佑と香川真司って報じていますね。
 日本サッカー協会はスポンサーの影響も認めていましたし、「忖度ジャパン」と呼ばれてしまっているのも、こういう流れあってのことだと思われます。


2024年11月2日土曜日

ヴェルディ社長らが辞任、今後ゼビオ批判をしないという宣誓取り付け

■2020/12/24 東京ヴェルディ、今度は経営危機で株主のゼビオと対立
■2021/01/16 ヴェルディ社長らが辞任、今後批判をしないという宣誓取り付け
■2021/01/16 「過剰な経費利用」「不透明な取引」…経営陣の闇を指摘



■2020/12/24 東京ヴェルディ、今度は経営危機で株主のゼビオと対立

 読売時代は強く名門だった東京ヴェルディですが、強くなくなってからは、何かとごたごたの多いクラブというイメージ。新型コロナウイルス問題で経営危機になり、なおかつ株主と対立ということになっています。ヴェルディ側としては増資したいものの、株主のスポーツ専門店のゼビオがこれを拒否するということになっているそうです。

<J2の東京ヴェルディが来年1月にも資金繰りが立ち行かなくなる可能性があることが15日、分かった。コロナ禍もあって経営が苦しくなり、クラブは約10億円の増資を目指して投資企業を募り、増資のめどが立った。しかし、影響力のある株主のゼビオホールディングス(本社・福島県郡山市、以下ゼビオ)が、新たな投資家の出現を望まないとして、クラブと対立していることが判明した>(東京V来月資金ショートも 株主ゼビオが増資に難色 - J2 : 日刊スポーツ[2020年12月16日5時1分]より)

 今季だけで約5億円の赤字の見通しであり、来年である2021年1月末までに運転資金が底をつく可能性が出てきいるとのこと。しかし、株式の保有割合に合わせて交付を受けられる新株予約権などの権利を持つゼビオ側が増資には否定的。Jリーグ幹部も「今の体制を一新して、ゼビオが経営するのがスムーズ」とし、ゼビオが新株予約権を行使して、経営の主体となって東京Vを立て直すしかないのではないかと指摘しているそうです。

 ただし、ゼビオの株価にはマイナスの影響があり、こちらも険しい道。「より現実的な選択はゼビオが新株予約権を行使して東京Vの現経営陣を一掃した上で、タイミングを計り、他の企業へ転売することだろう」と指摘する声もあるそうです。なお、記事では企業による私物化は、Jリーグの理念に反するという指摘もしています。




■2021/01/16 ヴェルディ社長らが辞任、今後批判をしないという宣誓取り付け

 上記を書いたすぐ後、 12月25日に東京ヴェルディは、6人いる取締役のうち、羽生英之社長を含めた3人の取締役の辞任を発表。羽生英之社長らにより、東京ヴェルディは、増資を目的とした臨時株主総会の開催を12月27日に予定していたのですが、直前になって突然の辞任です。そして、大株主のゼビオホールディングス(HD)が東京ヴェルディの子会社化に踏み切り、臨時株主総会も急遽取りやめとなりました。

 また、辞任発表では、辞任した取締役3名から「弊クラブの信用や評価を毀損する行為を辞任以降行わないことの宣誓」を取り付けている、との異例の注意書きがあるという異例のものでした。ゼビオは何も悪いことをしておらず、羽生社長らやサポーターがおかしいという反論もあるのですが、ここらへん異様さはあります。

 ただ、 Jリーグ事務局長から就任したという異例の社長だった羽生英之体制が失敗だったというのも事実でしょう。1度もJ1に昇格できなかっただけでなく、10年間の観客動員数は伸びずに平均以下。経営状況も良くなかった中での、新型コロナウイルス問題直撃でした。

 

■2021/01/16 「過剰な経費利用」「不透明な取引」…経営陣の闇を指摘

 社長やサポーターなどからゼビオ批判があった件ですが、東京ヴェルディを子会社化した「ゼビオ」の深謀 (東洋経済オンライン 遠山 綾乃 緒方 欽一 : 東洋経済 記者 2020/12/27 6:00)はこれに反論する内容。信じてよいのかわかりませんが、羽生社長が「元凶」と批判した新株予約権のスキームはもともと経営陣を守り、買収から守るものだとのこと。ゼビオが買い叩いたということもなく、むしろ支援し続けてきたとされていました。東京ヴェルディにこれまで投じてきた金額は、スポンサー料や新株予約権、人的支援も含めると10億円程度だといいますから、これについては確かに安くないと感じます。

 ところで、ゼビオは、今までの経営方針も批判しています。有望なユース選手を放出し大物選手を獲得していたため、短絡的だったと批判。また、経営が悪化した要因として、「過剰な経費利用等が常態化」「複数の不透明な商取引」があったとも指摘しています。これらが事実ならかなりヤバイところですね。黒いところがあります。

 また、中長期的には、女子チームやヴェルディの抱えるバスケットボールなどを含めた総合型スポーツクラブとしての強化を進めるとのこと。これが事実なら最初書いたときに予想されていたような短期の売却はなく長期保持ということになりますが、果たしてどうなるでしょうか?