2024年11月20日水曜日

サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督

■2021/02/28 サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督
■2017/02/22 男子プロ初のリーグ優勝女性監督チャン・イェンティン 香港のイースタンを率いる
■2017/03/18 世界の女性監督 パトリシア・パニーコ、コリンヌ・ディアクル
■2017/05/15 チャン・ユエンティン氏、監督就任の経緯
■2017/05/15 科学的で研究の裏付けがある指導法のチャン・ユエンティン監督
■2017/05/15 イースタンSCと川崎フロンターレの感動のエピソード
■2017/06/24 ドイツ一部で初の女性スカウトと初の女性主審 ヘレナ・コスタ元仏2部監督とビビアナ・シュタインハウス氏


■2021/02/28 サッカーの女子監督 日本ではミラグロス・マルティネス監督

 JFL・Jリーグを含めて、「日本サッカー史上初めて」という言い方がされていますが、日本初の外国人女性監督は、鈴鹿アンリミテッドのスペイン人女性のミラグロス・マルティネス・ドミンゲス監督。招聘当時まだ33歳であり、これまではスペイン国内で指導してきたとのことで、実績があったわけではなさそうなんですけどね。
 これを紹介した記事JFLで史上初の外国人女性監督が誕生…世界で実績を残してきた女性たち | サッカーキング(2019/3/16)では、他の女性監督も紹介していました。うちでもともと書いていたチャン・ユエンティン監督以外の人を短めにまとめて引用します。

コリーヌ・ディアクル 国籍:フランス
<現役時代にフランス女子代表DFとして121試合に出場し、キャプテンまで務めたプレーヤー。(中略)2014年6月にリーグ・ドゥ(フランス2部)のクレルモン・フットの監督に就任。欧州のプロサッカーリーグで初めて、男子のクラブを率いて公式戦を戦った女性になった。すると就任初年度はリーグ12位、2年目は7位という好成績を残し、『フランス・フットボール』誌が選出する2015年のリーグ・ドゥ最優秀監督にも選出された。この活躍が高く評価され、2017年8月からはフランスの女子代表チームを指揮>

エレナ・コスタ 国籍:ポルトガル
<ベンフィカの男子ユースチーム、カタール女子代表、イラン女子代表などで指揮官を務めたあと、2014年5月にクレルモン・フットの監督に就任。欧州の男子プロサッカー界で初めて監督に任命された女性とあって、当時は世界中から大きな注目を集めた。しかし、(引用者注:シーズン開幕の)わずか1カ月でクラブとの契約を解除。(中略)ブンデスリーガ初の女性スカウトとしてフランクフルトに入団>

イムケ・ビュッベンホースト 国籍:ドイツ
<ドイツサッカー史上初めて、男子チームを率いる女性監督がイムケ・ビュッベンホーストだ。U-19世代の欧州王者に輝いたこともある彼女は、ドイツ5部リーグに在籍するBVクロッペンブルクの女子チームで選手兼コーチとして活躍していた。だが、男子チームの監督が他クラブへ“移籍”したため、昨年12月から後任を務めることに>

パトリツィア・パニーコ 国籍:イタリア
<約20年間にわたってイタリア女子代表でもプレー。同国女子代表の最多出場記録と最多得点記録を保持する、(中略)2016年の現役引退後、イタリアU-16男子代表のアシスタントコーチに就任。翌年には監督に昇格し、イタリア男子サッカー界初の女性指揮官となった。昨年8月からは同U-15男子代表の監督を務めており、“カルチョ”の復権に向けて日々尽力している>

■2017/02/22 男子プロ初のリーグ優勝女性監督チャン・イェンティン 香港のイースタンを率いる

 そういえば、女性監督とかコーチとかって、全然聞いたことなかったですね。
 残念なことに、サッカーにおいては、ときどき性別的な役割などについて時代錯誤な主張をする人がいます。指導者の性別の偏りもそういったものなのかもしれません。

ACL初の女性監督、名将フェリポンに挑む。3月に川崎Fと対戦 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年02月21日

 記事そのものは、2017年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で、大会史上初の女性監督が誕生するというもの。
 ただ、香港のイースタンを率いるチャン・イェンティン監督は、それ以前に勲章を持っています。

 「男子プロサッカーチームをトップリーグで優勝に導いた初めての女性監督」としてギネス世界記録です。

 記事によれば、2008年から13年にかけて女子香港代表選手だったチャン監督は、2015年12月にイースタンの監督に就任。そして、2016年4月には、チームを香港プレミアリーグ優勝に導いたとされていました。

 就任から優勝が短いですね。途中交代での就任でしょうか?

 ここらへんの経緯を知りたかったものの、全然情報なし。
 あと、これを調べていて「イースタン」というシンプルな名前は現地だと「東方」という表記っぽいことがわかりました。これまたシンプルです。
 ただ、「イースタンSC」の表記もあります。「SC」はサッカークラブだと思ったら、「Eastern Sports Club」みたいです。
 そして、こちらは漢字表記だと、「東方體育會」みたいです。えらく難しく見えますが、たぶん日本では旧字とされているものというだけで、現代の日本語表記だと「東方体育会」。結局、シンプルでした。


■2017/03/18 世界の女性監督 パトリシア・パニーコ、コリンヌ・ディアクル

 本来イタリアU-16代表を指揮するダニエレ・ツォラート監督がU-19代表の欧州選手権予選に帯同するための代理という形ですが、イタリアU-16代表対ドイツU-16代表の親善試合で、パトリシア・パニーコ氏がイタリアの監督としてベンチに座るそうです。
  イタリアで世代別を含めて男子の代表チームを女性が率いるのは初めて。ただ、それだけでなく、 ヨーロッパ強豪国の男子代表チーム初の女性監督のようです。

 彼女は、1975年生まれの42歳。元選手であり、イタリア女子代表として204試合に出場して110ゴールを挙げ、同国の女子代表最多得点記録を保持、2015年にはイタリアサッカー殿堂入りも果たしたレジェンドでした。

 女性がイタリア男子U-16代表監督に! ドイツとの親善試合でベンチ入りへ フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年03月17

 記事では他に前述のチャン・ユエンティン監督の名前がありました。さらに、フランス2部のクレルモン・フット63でコリンヌ・ディアクル監督が辣腕をふるっており、女性指導者が男子トップレベルの選手を指導するケースは増えてきている、ともありました。

 ビジネスや政治や研究などがそうであるように、女性が活躍できないということはありませんから、今後こういったことは増えていくでしょう。
 国際的な学力テストの成績や大学進学率を見ると、 女性が上回っていることが一般的であり、むしろ女性の方が能力が高いかもしれません。

 ただ、前回書かなかったネガティブなことも書いておきます。同じ功績、あるいは、同じ失敗であったとしても、それが男性か女性かによって、大きく評価が変わることが多くの研究からわかっています。
 全く 同じ内容であっても、女性の方が男性より低い評価しかもらえない上に、問題があった場合は激しく叩かれ厳しい罰を与えられるのです。
 スポーツの世界は特に遅れていますので、女性監督らの未来はかなりの困難が予想されます。


■2017/05/15 チャン・ユエンティン氏、監督就任の経緯

  チャン・ユエンティン監督のインタビュー記事がありました。

ACL初の女性監督が語る指導者論。28歳の新米監督が乗り越えた困難、そして川崎への感謝 フットボールチャンネル | スポーツ | 2017年05月10日(取材・文:舩木渉)

 「それまで監督をした経験はなかった」というチャン・ユエンティン監督。2010年頃から2013年まで別のチームのデータアナリストや下部組織のコーチを務め、2015年夏にアシスタントコーチになったばかりの新米指導者でした。

 そんな彼女が2015年12月にチームの監督になったのは、前任者であるた楊正光(ヨン・チンクォン)前監督が中国2部の梅州客家に引き抜かれたため。元々はアシスタントコーチだったチャン監督は、前任者と梁守志(ピーター・リョン)GMの強い推薦によって、シーズン途中からイースタンSCを率いることになりました。

 女性への評価が厳しくなることが研究でわかっていると以前書いたように、当初は懐疑的に見られていたようです、瞬く間にチームをまとめ上げて優勝。イースタンSCはなんと21年ぶりのリーグ優勝だったというから立派です。

 ただ、昨年のシーズンオフに、長年クラブに投資してきたオーナーが支援撤退を表明。昨年8月に新しいスポンサーが見つかって、リーグ戦やACL出場辞退は免れたものの、あまり良い状態ではなかったようです。



■2017/05/15 科学的で研究の裏付けがある指導法のチャン・ユエンティン監督

 チャン監督は女性という点が注目されがちですが、若すぎることもまた非常に難しいことになっています。"自分よりも年上の選手たちが多いチームを団結させるには相当な困難"があるというのが、一般的なはずです。

 選手との信頼構築において彼女が最も重要視していたのは、正攻法である綿密なコミュニケーションでした。元々データアナリストだった経験を生かし、数字に基づいて選手個人と対話を重ねることで互いの信頼を深めていったとのこと。科学的ですね。

 実際、元香港女子代表選手でありながら、香港中文大学の大学院を修了という異色の経歴。専攻は運動医学や健康科学分野で、「データによる分析や知識は選手たちを強くします」と語る通り、サッカーにおけるスポーツ科学の重要性を理解している人物なんだそうです。

「データ分析は自分のことを理解し、相手のことも理解することができます。データによる証明は選手たちに自信を与えることにもつながります。チームに問題があればそれを伝え、選手たちはその問題を理解する。そうすれば解決法も見つかり、チームとして成長することができるんです」

 また、以下のようなことも言っていました。

「私と選手たちは互いをリスペクトしています。素晴らしい経験やフットボールに関する優れた知見を持っている選手もいますし、私が彼らの話に耳を傾けて知識を得ることもあります。監督は固定観念に縛られてはいけないと思っています。互いから学ばなければならない。そうすれば彼らも監督という仕事を理解して常に敬意を払ってくれ、私の決断についてきてくれます」

 若さや女性出ることは舐められる要因になるものの、部下である選手たちを理解しようという行動を起こしやすくなるのかもしれません。ビジネスや子供の教育の場合、このように相手を理解するということが重要だとわかっています。サッカーでも同様でしょう。


■2017/05/15 イースタンSCと川崎フロンターレの感動のエピソード

 なお、香港は男女平等が進んでいる特殊な国だということを指摘していました。

「(女性のコーチが出てくるかは)その土地の文化しだいだと思います。香港では男女平等が進んでいます。それによって女性でも監督になれるチャンスがありました」

 あと、ACLグループステージ第2節、川崎FがアウェイでイースタンSCと対戦した試合、チケットは地元ファンによって即完売となり、当日券を求めて渡航した多くのフロンターレサポーターのために、チャン監督が、クラブから余っているチケットを自腹で買い取ってフロンターレサポーターに配ったという噂について。

 これは自費というのは間違いであるものの、チケット配布は本当だそうです。すごい話ですね。

「私は一銭も払っていませんよ(笑)。チケットをクラブから手に入れてきただけです。クラブがアウェイファンのためのスペアのチケットをいくらか持っていて、それを配布すると決めたということです。日本のファンの皆さんは、遠いところから飛行機で、相当なお金をかけて来てくださいました。そういった方々がスタジアムの中で試合を楽しむべきだと思いましたし、実際に観戦できたと聞いて私も非常に嬉しく思います」

 前述のエピソードが広まっていたからかフロンターレサポーターは、9日に行われたイースタンSCとの試合前に感謝のメッセージが書かれた横断幕を掲げたとのこと。良い話でした。


■2017/06/24 ドイツ一部で初の女性スカウトと初の女性主審 ヘレナ・コスタ元仏2部監督とビビアナ・シュタインハウス氏

 今年5月、2ブンデスリーガ1部の審判員として、リーグ初の女性主審となるビビアナ・シュタインハウスさんが登録されたことが発表されていました。
 そして、今度はブンデスリーガのクラブでは初の女性スカウトが誕生というニュース。

 1部のフランクフルトのスカウトに任命されたのは、ヘレナ・コスタさん。ポルトガル出身で、監督経験があります。
  2014年にフランス2部クレルモンの監督に就任し、フランスの男子プロクラブで初、また欧州主要リーグの2部以上のクラブで初の女性監督となっていました。ただ、その際はクラブとの衝突から、シーズン開幕を待たずして退任になっています。
 過去にはベンフィカの下部組織での指導や、女子のカタール代表、イラン代表の監督を務めた経験もあります。国際経験も豊富なようです。



2024年11月17日日曜日

シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに

■2021/01/26 シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに



■2021/01/26 シンデレラボーイ布部陽功、ブラジルのアマチュアから逆輸入でプロに

 布部 陽功(ぬのべ たかのり)のWikipediaを読んでいて、そうだったっけ、忘れたな?と思ったのが、アマチュアからプロへとなるに至ったシンデレラストーリーの話です。まず、以下は大学までの話。プロ注目という選手ではなかったようですが、いきなり目覚めてブラジルに行っています。

<1989年北陽高校(引用者注:大阪市にある学校。現:関西大学北陽高校)サッカー部に入部。1年生から3年生までレギュラーとして全国大会に5回出場した。卒業後、1992年近畿大学サッカー部に入部。翌年の1993年大学2年時にプロになることを決意し、単身ブラジルに留学を決める>

 1994年ブラジルのアマチュアチーム(経歴では「ヒョーゴFC」との記載)に所属。このときは全然プロではありませんでした。ただ、このブラジルのアマチュアチームが大会で優勝して来日。ここで当時は超強豪だったヴェルディ川崎のコーチの目に留まったことが転機になります。本当、ドラマチックなものがありますね。

<来日し日本のチームと対戦した際に、ヴェルディのコーチに声をかけられ練習生としてチームに参加。当時ヴェルディ川崎の監督であったネルシーニョに発掘される。1995年全盛期のヴェルディ川崎に逆輸入選手として入団。シンデレラボーイと報道された。同年ゼロックススーパーカップでデビューし、同点ゴールを奪いプロ初ゴールを決める>

 ただし、ヴェルディ川崎にいたのは3年のみ。最後の1997年シーズン途中でジュビロ磐田にレンタル移籍しています。その後、ヴィッセル神戸に行っており、私はこのイメージが強かったのですが、こちらも4年のみでまた移籍。次のセレッソ大阪の5年の方が長いですね。ついでにいうと、FW、MF、DFとオールラウンドプレーヤーとして出場していたというのも忘れていましたわ。

 ちょこちょこ移籍していたとはいえ、J1     234試合出場は立派な戦績。多くのチームで主力となっていたことを示しています。あと、布部 陽功を見出したネルシーニョ監督と再会してまたともに戦うことになった…というのも、ドラマチックなものがありました。

<2006年アビスパ福岡に完全移籍。翌年の2007年からキャプテンとして2年間チームを牽引した。2009年指導者の道を選びアンバサダー兼コーチとして、アビスパ福岡に残りS級ライセンスを取得。同年8月、レイソルカップでアビスパ福岡U-14を引率した際、当時柏レイソルの監督であったネルシーニョと再会。
 翌年の2010年1月からネルシーニョのコーチとして柏レイソルに移る。2010年J2リーグ優勝、1年でJ1リーグに復帰。2011年Jリーグ初となるJ1昇格1年目でのJ1初優勝。2012年天皇杯優勝。2013年ナビスコカップ優勝。5年間ネルシーニョのコーチとしてチームに貢献した。
(中略)2019年シーズン、師と仰ぐネルシーニョを再度監督に招いてJ2優勝。1年でJ1復帰を達成する>


2024年11月16日土曜日

ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため

■2014/9/27  セレッソ大阪の方針・岡野雅夫社長 香川真司など海外移籍は積極的?
■2014/9/18 セレッソ大阪のフォルラン獲得は儲けるため 資金回収は順調すぎるほど
■2014/12/2  セレッソ大阪降格の原因は岡野雅夫社長 強化に口出しして崩壊
■2014/12/4 ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため
■2014/12/6 セレッソ岡野雅夫社長「Jリーグではほとんどデータを使っていない」


■2014/9/27  セレッソ大阪の方針・岡野雅夫社長 香川真司など海外移籍は積極的?

 セレッソを運営する大阪サッカークラブの岡野雅夫社長へのインタビューから。
 もともとタイトルになっている海外移籍の話を知りたくて読んだのですが、めちゃくちゃその部分は短かったです。

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――選手の移籍に関してはどう考えていますか。

世界で通用する選手を育てる、というのが私たちの育成の方針です。なので、世界で勝負できる選手の移籍を止めることはしたくないと思っています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 どんどん外に出す…ってことか。すごいなぁ…と思ったら、次の部分では違う感じ。

-----引用 ここから-----
しかし、育成には当然お金がかかります。アカデミー出身選手が移籍する際は、それなりのお金を残していく必要があると考えますし、選手たちもそれは分かっていると思います。
-----引用 ここまで-----

 これ、どういう意味なんですかね? 規定以外にお金を積ませるってのは、何らかの違反になるのでは? 気になりますが、具体的に何を想定しているかは不明でした。
 次も海外移籍について、むしろ消極的なのでは?という発言。

-----引用 ここから-----
また、一度海外に移籍して、通用しなかったからすぐに戻って来るということは認めていません。自分が世界で活躍できるかどうかをしっかり考え、移籍をする際はそれなりの覚悟を持って望んでほしいと思います。
-----引用 ここまで-----

 さっきの「それなりのお金を残していく」の話、規定されているクラブに入るお金は移籍金しか思いつきません。
 しかし、契約満了時には普通移籍金は発生しないはずです。Wikipediaでもその問題が書かれていました。

-----引用 ここから-----
近年、日本の場合、本田や長谷部、岡崎など有力選手がJクラブと長期契約(複数年契約)を結ばず、契約満了後に移籍金なしで海外のクラブに国際移籍をするケースが相次ぎ、Jクラブ経営への打撃を懸念する声が出ている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%BB%E7%B1%8D%E9%87%91
-----引用 ここまで-----

 クラブへの打撃は問題であるのはわかるんですが、違反するようなものはやはりダメです。岡野雅夫社長は何を想定していたのでしょうか?




■2014/9/18 セレッソ大阪のフォルラン獲得は儲けるため 資金回収は順調すぎるほど

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――今年、セレッソ大阪は、2010年ワールドカップで最優秀選手に選ばれたウルグアイのディエゴ・フォルラン選手を獲得して話題になりました。フォルラン選手の獲得には、経営者としてどのような戦略がありましたか。

(略)フォルラン選手を獲得する上で考えたのは、「獲得にかかった資金を回収できるかどうか」ということです。彼がセレッソに加入すれば、観客が入り、グッズが売れる。スポンサー企業が増えることも予想できました。回収の見込みがない投資は行いません。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 チームが勝つことによる儲けも増加するのですが、それよりは周辺のものを意識していたような言い方です。

-----引用 ここから-----
――実際に回収はできていますか。

現状では順調です。観客が増えることで入場料が増え、それに比例して物販も増える。これだけで6~7割は回収できる計算です。
-----引用 ここまで-----

 これだけでもすごいです。しかし、もっとすごいのはスポンサーです。

-----引用 ここから-----
残りの3割を占めるのはスポンサーです。スポンサーは金額が大きく、非常に重要な収入源です。フォルラン選手が加入してから、スイスの高級時計メーカーであるタグ・ホイヤーなどスポンサーが10社以上も増えました。
-----引用 ここまで-----

 しかし、フォルラン効果は岡野雅夫社長の想定以上でした。

-----引用 ここから-----
さらに凄いのは金額です。フォルラン選手が加入してからスポンサーの金額が、それまでと1桁変わることもあります。これには私も驚きました。

既存のスポンサーの出資額も増えています。もしかすると私たちフロントは、「まだフォルラン選手をビジネス的にうまく活用できていないのかもしれない」と思うほど、彼のインパクトは大きいのです。
-----引用 ここまで-----

 よく日本選手の海外移籍はジャパンマネー獲得だと言われます。しかし、それを否定する情報も多く、そちらの方を信頼していました。
 しかし、日本のクラブが海外の有名選手を獲得する際のメリットは確実にあるようです。これは意外でした。

 一方、岡野雅夫社長は東南アジアの選手について以下のように言っています。

-----引用 ここから-----
――東南アジアの選手がJリーグに加入していますが、セレッソ大阪は選手の獲得にも前向きなのでしょうか。

正直に申し上げると、今は獲得するつもりはありません。レコンビン選手やイルファン選手が日本でプレーしていますが、セレッソではスタメンとして出場できないと思います。

また、ビジネスとして獲得し、トップチームに入れるのは選手に対して失礼だと考えます。
-----引用 ここまで-----

 上の話からすると、意外ですね。完全に金だけでもないようです。




■2014/12/2  セレッソ大阪降格の原因は岡野雅夫社長 強化に口出しして崩壊

 インタビューを受けていた岡野社長ですけど、セレッソ大阪降格の原因とされていました。

-----引用 ここから-----
C大阪、J2降格を斬る(2)強化に口出し…体制崩壊させた社長 ― スポニチ Sponichi Annex サッカー

 常に記者に囲まれ、自信満々に語っている姿を見ながら、C大阪のクラブ関係者は不満を漏らした。「ウチの社長は、社長兼GM兼強化部長だから…」。本来の業務である経営だけでなく、強化にも携わった岡野雅夫社長(61)。(略)
 レヴィー・クルピ監督らブラジル人のスタッフや選手と契約を延長せず、強化費を捻出してウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(35)を獲得。超大物の補強成功に世間から称賛を浴びたことで、これを追い風に自ら手腕を振るう行動が目立つようになる。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/12/02/kiji/K20141202009383410.html
-----引用 ここまで-----

 フォルラン獲得に関しては、上記で出ています。やはり自信満々でした。
 安易な監督交代に私は批判的ですが、この後、さらに監督交代もします。

-----引用 ここから-----
 ポポヴィッチ監督を6月に解任すると、社長は世界の主流であるドイツ流を植え付けるため、親しい代理人にリストアップを依頼。推薦されたペッツァイオリ監督を招へいした。これまでのC大阪とまるで違う戦術は機能せず、解任されるまでの通算成績は0勝4分け5敗と不振を極め、ピッチ外では信じられない事件まで発生した。
-----引用 ここまで-----

 そして、さらに素人っぷりを発揮。

-----引用 ここから-----
 メディアが試合前に報じる先発メンバーは公開練習を見て予想しているのだが、指揮官は日本人スタッフが情報を漏らしていると勘違い。「スパイじゃないのか」と疑いをかけたのだ。外国人スタッフと日本人スタッフの関係に亀裂が走り、決定的な溝ができた。
-----引用 ここまで-----

 "岡野社長が元ドイツ代表FWカカウの獲得に乗り出していた8月"には、勝矢寿延強化部長(53)が"同じFWの川又(現名古屋)にオファー"するなど、強化体制は崩壊していたようです。




■2014/12/4 ヤンマーの影響の強いセレッソ大阪の経営 アジア進出はヤンマーのため

 再びセレッソを運営する大阪サッカークラブの岡野雅夫社長へのインタビューからの話を。

-----引用 ここから-----
香川、柿谷、山口を輩出のセレッソ大阪社長に聞く 「海外移籍で通用しなくても、帰って来させない」|『ダイヤモンド・オンライン 2014年6月19日

――アジア市場への進出を考えていますか。

セレッソ大阪は12年9月にタイのバンコク・グラスFCとパートナーシップ契約を結んでいます。主に育成部門や指導部門での人材交流が目的です。

この契約の締結により、セレッソもアジア進出を果たしたわけですが、私たちのアジア進出は、スポンサーであり母体企業であるヤンマーのためです。(略)

ヤンマーはアジアを重要な市場だと考えています。しかし、アジア進出に関しては、ライバル企業のクボタに遅れをとってしまっています。その差を埋めるために、セレッソ大阪というブランドを活用しようと考えたわけです。

今の時代、商品力で他の企業と大きな差をつけるのは難しくなっています。特に、アジア市場では企業の名前を知ってもらうことが重要なので、サッカーチームを利用するのは効果的な戦略だと考えています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 これは前時代的で驚きました。未だに企業の広告塔としてのサッカーチームという形が残っているようです。

-----引用 ここから-----
――具体的にどのようにヤンマーをPRしているのですか。

(略)私たちは、販売数を伸ばしたい地域の農協の方に声をかけ、ヤンマー主催のサッカースクールを開催しました。

すると地域の子どもたちが集まります。そこで優秀な子どもがいるとバンコクに連れて行き、バンコク・グラスFCのユースと試合をさせます。地方の子どもたちが、タイのプロチームのグラウンドで試合ができるのです。

さらに上手な子どもには、ヤンマーの創業者である山岡孫吉が創設した山岡育英会の奨学金を寄付し、より良い環境でプレーさせます。実はその中から、タイのユースに選出された選手もいて、取り組みは成功しています。
http://diamond.jp/articles/-/54478
-----引用 ここまで-----

 企業ありきのサッカー経営で困るのは、スポンサーの方針ありきで採算の合わないことをやってしまうことです。
 放漫経営になってしまうと、不況時などお金がなくなったときに途端にダメになります。普段からきちんと採算を考えながらやっていないといけません。何か心配になりますわ。


■2014/12/6 セレッソ岡野雅夫社長「Jリーグではほとんどデータを使っていない」 

 ダイヤモンド・オンラインでは、選手を放出する質問だけでなく、「逆に選手を補強する際は、どのように獲得していますか」という質問も出ていました。おもしろかったのが、これに加えて「データに基づく指標などは使われていますか」という質問もしていたことです。
 これについて、セレッソ岡野雅夫社長は「データを使うことはほとんどありません」との回答。ただ、他のJリーグのチームでも、「データを使っているチームはほとんどないのではないでしょうか」としていました。多くのクラブはスカウトマンの感覚で選手を獲得しているだろうといった予想です。
 さらに、試合中の戦術に関してもあまりデータは使っていないといいます。例えば、セレッソの戦術の中で、両サイドバックが高い位置をとって、ボールを持ったらできるだけ早くニアサイドにクロスを入れる、というものがありますが、これも、何回蹴ったら1回入る、などと統計的に分析はなし。監督は肌感覚でやっていると思いますとしていました。
 ただ、昔ながらで、えらく前時代的な感じがします。本当に「Jリーグのチームでデータを使っているチームはほとんどない」んですかね。データを使いこなせていないだけじゃないですかね、これって? 信じられませんわ。